世にB級グルメなるものがあるようです。Gourmet(グルメ)と言えば美食家とか食通として知られますが、その中味、程度はいろいろです。1万円以上の会席料理とかフランス料理もありますが、もっと庶民的にはB級グルメとして知られる一般的なたべものでしょうか。
ラーメン、ピザに始まって、パスタ類や回転すしなどあらゆるジャンルが含まれますけれど、まあ私の感じでは料金はせいぜい1千円どまりで、ポピュラーな食べのものの内から、より安く、より美味しいと言う基準で選ばれたものがB級グルメと言えます。
足をかけたり、情報を集めることで、同じものでも本当に美味しいものを発見できるのもB級グルメの楽しみです。かつて何人かの友人とB級グルメの会を作って、お互いに新しい発見を自慢しあってこともあります。お金をかけないからこそ、この密やかな楽しみがあるのです。
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在りし日の筆者・松本さん(編注:場所等不明) |
さて、ハムの世界でグルメと言えばDXCCを筆頭に、珍エンティティ、珍局を追い求める(安いものには見向きもしない!)と言う世界も存在しますが、それはロケーションや設備に恵まれた人のできる話で、シンプルダイポールや出力10Wではいきなり超グルメに参戦と言うこともできません。
だからと言ってハムの楽しみが無いと言うことにはなりません。結構B級グルメの楽しみ方もあるのです。同じアメリカ大陸でもなかなかコンタクトしずらい州もあれば、いつでも国内なみにコンタクトできるところもあります。
前者で言えばヴァーモント州であるとか、ロードアイランド州、あるいはウェストヴァージニア、ノースダコタなどが上げられますが、太平洋岸のカリフォルニア州とかワシントン州、カナダのブリティッシュコロンビア州あたりには局もたくさんあって相手に不自由しません。
でもどうせQSOするなら、ただやみくもにコンタクトするのではなく、せめてカリフォルニアであれば、その州に含まれる58のカウンティ(郡)とのコンタクトと言うのはいかがでしょう?改めてカウントしてみると、同じカリフォルニアでも人口密度の大小があって、意外にコンタクトしずらいところがあるのに気が付きます。ただ良いことにはカリフォルニア辺りではあまり真剣に呼ぶ人も無い、つまり競争相手が少ないと言うこともあって、いざ目的の局を発見しても比較的容易にQSOが成立することです。
最近は西アフリカとか中央アフリカの局に沢山の呼び手が群がって、なかなかQSOに至らないことも多いのですが、ことアメリカ、それもカリフォルニアではチャンスは十分にあるのです。これがB級グルメの楽しみです。一昔前にソ連が存在した当時はオブラストと言う区分けが存在していて、このオブラストを追いかけるのも楽しみの一つでした。
もちろん中には極寒の地や、ほとんど人の住んでいないところなどもあって、これもすべてとコンタクトするとなると結構厳しいものがあるのですが、アメリカと同様にハム的にはあまり人気がなくて、こちらもコンタクトに手間取ることもありません。いかにして目的の局を見つけるかが勝負でした。
国内でも同じことが言えます。UHF・VHF帯のハンディ機で始めた方ならだれでも思うことでしょうが、無線ショップで聞いた話と違って、カバーエリアがいたって小さいことに気付かれたことでしょう。それなら一層のこと、まずご町内を対象にしてみたらいかがでしょう?
私がマネジャーをしている、JARL横須賀クラブのYokosuka Award がありますが、これはクラブの25周年を期して作られたもので、市内在住(外からの移動でも良い)局25局との交信が基本です。もっともこれだけでは数だけと言うことになりますから、その25局に最低
5つの異なるプリフィックスが含まれると言う条件が含まれます。それでもチョット小高い丘にでもあがれば1日、2日で条件をクリアすることもまんざら不可能でもありません。
こうやってコツコツとある目標を完成するのは正にB級グルメの醍醐味ではないでしょうか? 同じサフィックスの局を追いかけてみるとか、7MHzあたりならば一日でAJDを完成させてみる、もっと欲張ってOne
Day WAJAを完成させてみる、などほとんどが他人との競争ではなくて自分自身との競争と言うカタチで達成が可能です。そんな積み重ねがやがで本格的なグルメに結びつくのは間違いありません。
(2002/2/11)
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