大変残念な話でありますが、JA-JS、7J-7N、8J、8Nで始まる日本のプリフィックスは当面増えない可能性もあります。とにかくアマチュア無線人口は減少の一歩をたどっていますから、再割り当て制度が機能している限りはコール不足に悩むこともなさそうです。
アメリカあたりでは、いうところのヴァニティコールサインがあって、自分で希望するコールサインが空いている限りは取得できるようですが、それでもNなんとかDXとかKなんとかAA、AAなんとかAなどと言うのはとっくの昔に売り切れていますし、自分のイニシャルを取ったコールも結構競合が多いようで、こちらも不足気味とのことです。
元はと言えばアメリカのインセンティブコールシステム、すなわちエキストラクラスは4文字の組み合わせ、そして以下5文字、6文字となるわけで、当然上級資格にアップグレードするとより短いコールサインが与えられますから、余計にこのシステムが機能してくるのです。
それに日本の免許と異なって、従事者免許と局免許がくっついていますので、ある意味では否応でも長年の間にはコールサインが変わってくるのです。
日本でもアマチュア無線制度の見直し論がいろいろ闊歩していますが、その究極のゴールはいまのところ包括免許制度でしょうか。つまり自分の資格以内であれば、すべてのバンド・モードに資格の制限一杯で運用できるし、なおかついかなるリグも使えるのです。
でも技適とか認定などと言う制度が存在する限りはまだまだ見通しが暗いとも言えますね。新しいリグを買ってきても即オンエアーできないと言うつらさがありますし、第一一生懸命に自作したリグでさえ、すぐにテストできないのですから、アマチュアの本質に反した制度といわなければなりません。
話は変わりますが、JAはJapanのそれですから、元来Jをつかった各種の略称が存在しています。旧国鉄がJRになって久しいですし、専売公社もいまではJT、農協はJA、そしていま話題の道路公団はJHです。JTがJapan
Tobaccoなのはわかりますが、JHがJapan highwayとすぐにでてこないと言う話もありますね。 他にもJC、JJ、JVなどが登場します。3文字になるとその数、組み合わせもずっと増えて、すべてを挙げるのは大変です。
その点サフィックスはAA-ZZ、AAA-ZZZの組み合わせで不変ですから、こちらは悩むことがありません。強いて言うならば、発音のし易い、しにくい。キーイングがリズミカルで打ちやすい、その逆にどうしても打ちにくいし取ってもらいにくいの差は生じます。
私のローカル局にもJXX-XYLと言うサフィックスのOM局がおりますし、アマチュア局であってJXX-SWLと言う例もあります。Q符号は一応サフィックスから除外されていますので、QROとかQRPと言うのは無いわけですが、本来なら本当のQRP局はぜひ欲しいサフィックスでしょうね。
海外の例では、プリフィックスが大きく変化している例をたくさん見かけます。最近DXのカードを整理していてつくづく思い知らされたのは歴史の流れです。かつての植民地がほとんど独立した結果、そのプリフィックスもことごとく変わっています。独立がらみではないのですが、旧ソ連からロシアへと、古いアマチュアにはUで始まるUゾーンと言う認識があるのですが、これにしても近年大きく変化しているのです。つまりはカードをエンティティ別に整理しようとして混乱が生じます。
アゼルバイジャン(この国も最近のアフガンがらみで盛んに登場します)は今でこそ4J,4Kで始まるプリフィックスが使われていますが、一寸昔はUDとかRD、あるいはUK6K、UK6D、UK6kなどであったわけです。わけてもややこしいのはUK何がしと言うサフィックスで、同じUK6で始まっていても、UK6Gではジョルジア、UK6Oではモルドバと大変紛らわしいのです。
一方7で始まるのは関東エリアの局に限られません。7O、7P,7Q、7Xなど7で始まるプリフックスを持つエンティティも少なからずあるからで、電信の時には思わずはっとすることも少なくありません。
写真はいずれもアメリカの4文字コールの局ですが、こんなにもいろいろな組み合わせがあるのです。 (2001/12/4)
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