それにつけても昨今の50MHz DXには驚かされます。パケットクラスタはほとんど覗かないのですが、新しいエンティティとなるデューシー島の動静が気になってここ数日は毎日のように一度はアクセスして見ておりましたが、海外からの情報はともかく、JAのそれはほとんど50MHzで塗りつぶされているような有様です。  

前回に表紙のページに書きましたように私自身現在は6mのアンテナが作動しておりません。(一応屋根の上に3エレメントらしきものが乗ってはいるのですが、ほとんど役立たず、そして実は同軸も繋がっておりません)と言うことで50MHzでのDXはほとんどあきらめておりました。  

ところがどっこい、つい先般のことですが、ローカルのJE1LES 谷口さんがポナペ島から運用されると言う連絡をいただいていて早速21MHzのSSB、引き続いてRTTYでも交信願ったのですが、どうやら6mでも運用されると言う話なので、HF帯のアンテナで無理やり6mをワッチすると言う暴挙に出ました。  

そして誠に幸運なことには谷口さんのCWの信号が599で入感するタイミングに出会ったのです。まさかとは思いつつも、こんなに強い信号だから!と呼びに回ったところ、それほど待つこともなく応答をいただき599と言うFBなレポートも頂戴したのです。  

帰国後谷口さんからすぐにQSLカードもいただきました。はじめてのV63(6mで)で感激でした。先般来50MHzのDXレポートも数多くありますので、これに味を占めたわけでもないのですが(いやー味を占めました)それ以来何度となく6mを覗きにいっております。  

そして実に7エンティティのコンタクトにこぎつけました。ヨーロッパの信号も聞こえてはいるのですが、さすがにHF帯のアンテナではとても飛んでいきません。そして数限りないUSAの信号に対しても非力です。それでもVK(オーストラリア)、VK9N(ノーフォーク島)、XU(カンボジア)、V6(ミクロネシア)、W(アメリカ・ワシントン州)、9M6(東マレーシア)、V7(マーシャル諸島)と太平洋を主にしての荒稼ぎ?本当にびっくりしました。  

確かに6mや2mのEスポ伝播は通常の常識を超えます。ハンディ機プラス内蔵ホイップで北海道とコンタクトできたとか、6mでも軒先のダイポールアンテナで北海道と楽々QSOできたとか、少なくも国内の交信については私なりにも結構経験があるのですが、まさかDX(日本以外)とまともなアンテナ無しで、これほど素晴らしいコンタクトができるとは思っていなかっただけにびっくりしたものです。  

でも改めて考えると、WARCバンドが解放になった当時はまともなアンテナが無くて、無理やりトライバンダーに乗せて18MHzとか24MHzでQSOしたり、7MHzのダイポールアンテナで10MHzのQSOをしたりと結構無茶をやったものですが、それもこれも気が付いてみればGood Conditionのお陰だったのですね。  

最近ではマグネチック・ループアンテナのような小型のアンテナで運用されている方、家の中に張ったアンテナでQRVされている方、そしてアンテナはまだしもごくごくQRPでやっておられる方など多数の方にお目にかかっていますから、コンディション次第ではあらゆる可能性もあろうかと思われます。  

より一層まともな6mのアンテナが欲しくなりました。今シーズンには間に合いそうもありませんが、せめて來シーズン再度このようなコンディションに恵まれればと願っております。それにしても「コンディション恐るべし!」と認めざるを得ません。 (2001/11/18)

 
     

 
 
 

大変残念な話でありますが、JA-JS、7J-7N、8J、8Nで始まる日本のプリフィックスは当面増えない可能性もあります。とにかくアマチュア無線人口は減少の一歩をたどっていますから、再割り当て制度が機能している限りはコール不足に悩むこともなさそうです。  

アメリカあたりでは、いうところのヴァニティコールサインがあって、自分で希望するコールサインが空いている限りは取得できるようですが、それでもNなんとかDXとかKなんとかAA、AAなんとかAなどと言うのはとっくの昔に売り切れていますし、自分のイニシャルを取ったコールも結構競合が多いようで、こちらも不足気味とのことです。  

元はと言えばアメリカのインセンティブコールシステム、すなわちエキストラクラスは4文字の組み合わせ、そして以下5文字、6文字となるわけで、当然上級資格にアップグレードするとより短いコールサインが与えられますから、余計にこのシステムが機能してくるのです。
それに日本の免許と異なって、従事者免許と局免許がくっついていますので、ある意味では否応でも長年の間にはコールサインが変わってくるのです。  

日本でもアマチュア無線制度の見直し論がいろいろ闊歩していますが、その究極のゴールはいまのところ包括免許制度でしょうか。つまり自分の資格以内であれば、すべてのバンド・モードに資格の制限一杯で運用できるし、なおかついかなるリグも使えるのです。

でも技適とか認定などと言う制度が存在する限りはまだまだ見通しが暗いとも言えますね。新しいリグを買ってきても即オンエアーできないと言うつらさがありますし、第一一生懸命に自作したリグでさえ、すぐにテストできないのですから、アマチュアの本質に反した制度といわなければなりません。  

話は変わりますが、JAはJapanのそれですから、元来Jをつかった各種の略称が存在しています。旧国鉄がJRになって久しいですし、専売公社もいまではJT、農協はJA、そしていま話題の道路公団はJHです。JTがJapan Tobaccoなのはわかりますが、JHがJapan highwayとすぐにでてこないと言う話もありますね。 他にもJC、JJ、JVなどが登場します。3文字になるとその数、組み合わせもずっと増えて、すべてを挙げるのは大変です。  

その点サフィックスはAA-ZZ、AAA-ZZZの組み合わせで不変ですから、こちらは悩むことがありません。強いて言うならば、発音のし易い、しにくい。キーイングがリズミカルで打ちやすい、その逆にどうしても打ちにくいし取ってもらいにくいの差は生じます。  

私のローカル局にもJXX-XYLと言うサフィックスのOM局がおりますし、アマチュア局であってJXX-SWLと言う例もあります。Q符号は一応サフィックスから除外されていますので、QROとかQRPと言うのは無いわけですが、本来なら本当のQRP局はぜひ欲しいサフィックスでしょうね。  

海外の例では、プリフィックスが大きく変化している例をたくさん見かけます。最近DXのカードを整理していてつくづく思い知らされたのは歴史の流れです。かつての植民地がほとんど独立した結果、そのプリフィックスもことごとく変わっています。独立がらみではないのですが、旧ソ連からロシアへと、古いアマチュアにはUで始まるUゾーンと言う認識があるのですが、これにしても近年大きく変化しているのです。つまりはカードをエンティティ別に整理しようとして混乱が生じます。  

アゼルバイジャン(この国も最近のアフガンがらみで盛んに登場します)は今でこそ4J,4Kで始まるプリフィックスが使われていますが、一寸昔はUDとかRD、あるいはUK6K、UK6D、UK6kなどであったわけです。わけてもややこしいのはUK何がしと言うサフィックスで、同じUK6で始まっていても、UK6Gではジョルジア、UK6Oではモルドバと大変紛らわしいのです。

一方7で始まるのは関東エリアの局に限られません。7O、7P,7Q、7Xなど7で始まるプリフックスを持つエンティティも少なからずあるからで、電信の時には思わずはっとすることも少なくありません。 写真はいずれもアメリカの4文字コールの局ですが、こんなにもいろいろな組み合わせがあるのです。 (2001/12/4)

     
 
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