かのマルコーニが大西洋横断の電波伝播実験をしたのが電波による通信 の曙とされています。1901年(明治34年)と言いますから、丁度1世紀前のできごとです。1世紀と言うとかなり長い年月のようですが、100年だったら、それほども感じません。  

その25年後には既にJARL(日本アマチュア無線連盟)も結成されている訳で、戦争を挟んで、1952年には戦後のハム局が産声をあげているのですから、考えてみると電気通信の発達のピッチにはおどろかされます。  

今回アメリカ東海岸(いわゆるニューイングランド地方)をドライブしてまわる旅行を計画し、ボストンを出発点にまずはケープコッド(ケープ岬)に向かいました。

その先端のプロビンスタウンは英国から新天地を求めてやって来たピューリタンが始めて足跡を示したところとして知られています。また岬に呼応したように点在するナンタケット島とは古くから捕鯨基地として知られ、メルビルの「白鯨」の舞台ともなっています。  

そのケープコッドの南東にケープコッド国立海岸がありますが、そこを通過している折に、なんと 「Marconi Station Site」と言う表示を目にしました。前にマルコーニの記念局がQRVした折にQSOしたのを覚えているのですが、まさにここがその場所だったのです。  

さっそく帰路このわき道にそれて曰くつきの場所を訪れてみました。  海に面した荒涼とした場所で、いまでは「兵どもの夢の後」と言った感じの場所ですが、それでも小さな屋根付きの展望台があって、そこにはガラスケースに収められたかってのマルコーニステーションの模型が飾られています。ガラスごしなので良い写真がとれずお目にかけられませんが、それ以外にも「大西洋を超えた勝利」と銘打ったこの大記録の解説板と、 「マルコーニステーション」と称した当時の局のあらましの解説板がありました。

左はその実験の成果を記したもの。中央は局のあらましで、見たところ巨大な(多分50mはあるダワーが局舎のまわりに建っています。長波を使った実験だったが故に当然の設備だったのかもしれません。右は遠くにその展望台と大西洋を遠景にのぞんで筆者XYL。  

おおげさに言えばここぞ電波発祥の地と言うことで、強風にあおられながらも、しばし感激を味わいました。そして明日はARRL「アメリカ無線中継連盟」を訪問します。紅葉見物のはずが、やはり無線の旅になりました。 「ARRL訪問記」は日本初のハムのウェブマガジンQTC-JAPAN.COMにてご覧いただけます。 (2000/11/3)

 
     

 
 
 
初めて届いた電子QSLはカナダのVE7OR

今から1年も前のことでしょうか、モービルハム誌のディスカバーハムライフのページでこの電子QSLについて書いたことがあります。今や電子メールで写真はおろか、動画まで送れる時代ですから、技術面での可能性については疑う余地はなかったものの、主にソフト面、つまり誰がどうやるのか、QSLカードとしての真偽は?と言う部分で論じたつもりです。  

ところがどうでしょう。最近QTC-JAPAN.COMでこの電子QSLのサイトが紹介されたので、半信半疑アクセスしてみました。まだ実験段階とは言え、世界で何万の単位のハムがすでに登録さているようです。  

まずは登録する前に、はたして自分宛てのカードが届いている(発行されている)のかどうかを確かめたところ、実に10件以上あることが判明しました。(ここまでは誰にでも見に行けます)しかしながら、これらのリストから希望するカードを入手する(つまりダウロードしてプリントする)には、会員として登録しなければなりません。  

登録は原則として無料です。(ただしこの電子QSLビューロー維持のためのドネ−ションが求められています)指示された手続きに従って必要な項目を埋めていきますと、最終的にこの電子QSLビューローに登録されます。  

これから先は2つに分かれます。一つは自分が電子QSL発行者になる場合とひたすら送られた電子QSLを受け取る場合です。前者は一寸めんどうなようなので、とりあえず自局に送られてきているカードを取り出すことにします。  <すべてのカードを取り出す>をチェックしますと、一覧表(コールサイン、交信日時、交信バンド、モード)が示されますので、必要な局をクリックしますと、QSLカードそのものの絵柄が表示されます。後はこれをファイルに取り込むなり、プリントアウトすればめでたく電子QSLが自分の手に届くしかけです。

RTTYの交信による電子QSLは スウェーデンのSM3AFRから

RTTYの交信による電子QSLは スウェーデンのSM3AFRから  かくして得たカードの内2枚ほどをここにお目にかけます。1枚はVE7ORからのもので、なんと1994年にRTTYで交信したもの。もう1枚はSM3AFRからで、こちらは1998年のRTTYによる交信のものでした。VE7ORのカードには<eQSL>と入っているのがわかります。

全部で11枚のカードが届いていたのですが、その内の8枚はRTTYもしくはPSKの交信によるものでした。はたしてこれらのモード(デジタル通信)に興味があるからこそ、電子QSLの発行にも積極的なのか、または筆者のコンタクトがこれらのモードによるものが多かった結果なのかは今後を見なければわかりません。まだほんの入り口なので、さらに研究して第2弾をレポートさせていただく予定です。  

簡単に言えば電子QSLビューローに、あらかじめ発行するQSLのスタイルを登録し、次に交信のログデータを送り込むことで発行準備がととのいます。そして受け取る側は上記に説明したように、自局当てに届いているカードの内容をチェックし、取り出して印刷すると言うまことに単純な手順ですが、まだまだ奥深いものがありそうです。次回のレポートをご期待ください。 (2000/11/10)

     
 
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