コラムNo.22で動物の入ったQSLカードを取り上げてみましたら、ご好評でしたので、再度続きをお目にかけます。題して「QSL動物園」。さて今回はどんな動物が登場するでしょうか。とは言っても動物をあしらったQSLカードはそんなには多くありません。でも1つ言えることは、やはり動物王国なんですね、アフリカ大陸のものが断然多いようです。写真から直接ではなく全部カードそのものの複写ですから、もわれがあって見難いものもありますが、その点はご容赦ねがいます。  

最初にシンボリックに登場したのはマラウイは7Q7CEのカードですが、こちらの動物は大草原のハンター、チータでしょうか?マラウイの中央部に位置するマラウイ湖のほとりから運用された時のもので、オペレータはイタリア人だったようです。1994年8月、14MHzのSSBによるものでした。  

次の一枚はなんと言っても中国そのものパンダの登場です。BY4ACのQSLカードで、運用はモンゴルとの国境に近いところからの運用で、中国のZone 23は珍しい方です。こちらは1992年3月、21MHzのCWによる交信です。コールサインは成都市の成都CQ無線電倶楽部となっています。  

3枚目のカードは北極圏のグリーンランドOX3GXのもので、これも当然のように北極熊が登場しております。ちょっと写真のもわれで残念ですが、実物の印刷は鮮明で熊の毛並みが良く写っています。交信は1993年4月で14MHzのCWによるものでした。

再びアフリカに戻りますが、今度は南アフリカのZS6FUのカードです。オペレータのLee は数種のカードを発行してくれましたが、いずれもなにかしら動物がテーマになっています。ご覧にいれているものはきりんで、道行く車もしばしストップ?アフリカらしい光景です。交信は古いもので、1978年6月14MHzzのSSBによるものでした。  

お次は変わったところで、サウジアラビアの7Z2AB(普段はHZと言うプリフィックスが使われている)のカードですが、多分これはアラブ馬と呼ばれているものでしょうか?こちらは明らかに牧場のようなところで写されたものですが、砂漠の国だけにグリーンは貴重なんでしょうね。アメリカのK2XR、Dave による運用で、1993年8月21MHzのCWでした。  

 

アフリカはアフリカでも、こちらはセイシェル島のS79VDのカードです。銀縁の中にモノクロの写真が入っているものですが、写っているのは象亀です。セイシェルはケニアから1600kmほど離れたインド洋に浮かぶ群島で、92もの島があるようです。写っている亀は225kgもあって約200歳との説明がついています。こちらのQSOは1990年21MHzのSSBによるものです。   


さてそのケニアは5Z4SSのカードですが、こちらの動物はサイです。オペレータは日本人の宮崎さん。1996年6月14MHzCWの交信によるものです。

最後に登場するのはキューバ島にある米軍基地ガンタナモベイKG4NAからのカードです。キプロス(5B4)にある英軍基地(ZC4)とかスペインの南部に位置するジブラルタル(ZB2)などに似通ったエンティティの1つです。写真の動物はガンタナモベイで見かけるバナナラット(ねずみの一種?)と説明されています。撮影はオペレータでもあるKD4DのMark Bailey によるもので、交信は1995年11月14MHzのCWでした。  

きっと、もっともっと珍しい動物の登場するカードがあるかもしれません。見つけ出したら改めてご紹介します。動物以外のテーマとしては「働く人達」「世界遺産」「飛行機」「地図」など等がありますが、これらも整理がつき次第別のコラムでお目にかけたいと思います。 (2001/5/24)

 
     

 
 
 
さて前回は「QSL動物園」をご紹介しましたが、今回は「地図編」です。QSOの時にはいつも地図をはなさずに、いろいろ想像をたくましくして楽しんでおりますが、日本国内はいざ知らず海外ともなるといかにも情報が乏しいものですから、地図は欠かせません。  

国内のQSOの時には都道府県から始まって、市郡、町村と単位が徐々に細かくなっていきます。わけても自分が旅行した場所であるとか、これから行く予定のある所などではついつい話しに身が入ります。国外の場合ではまずは6大陸、そしてそれぞれの国、あるいは島、環礁などが対象になるのですが、行ったことのない場所がほとんどですから、地図に頼ることになります。  

まあハワイ諸島程度ならばオアフであるとか、マウイ、カウアイなど区別もつきますが、その他の島々ともなるとせいぜいどこのゾーンに属するのかくらいが精一杯です。例えばこのスバルバード(JW)はノルウェイ領ですが、アマチュア的にはもちろん異なるエンティティです。北極圏のゾーン40に含まれています。交信した局はノルウェイのLA1CCAですが、時々この島から運用しています。コールサインはJW1CCAで14MHz CWによるものでした。地図の中に小さくですが、QTHと記されています。(地図の左下あたり)  

次のCE0ZISはチリのファンフェルナンデス諸島の属するロビンソンクルーソー島からのもので、21MHzのCWで2度コンタクトしたものですが、ゾーンは12、チリの首都サンティアゴの沖合い遠くに位置しています。このカードでは主な島を緯度経度で示し、かつ右のロビンソンクルーソー島の北辺にQTHときざまれています。  
同様にアフリカは南アメリカに所属し、別のエンティティでもあるアセンション諸島のZD8IANですが、こちらの場合にはほぼ島の中央にあるツーボーツと言うQTHが縦横の緯度経度線ではっきりと示されています。QSOは14MHzのCWによるものです。  

次のKH8/JA3MCAは日本人オペレータによるアメリカンサモアからの運用によるものです。確かゾーン32で南太平洋にある数々の島の1つであると理解していても、その正確な所在は地図を見なくてはとても判断がつきません。こちらのQSLではアメリカンサモアの島々を見せてくれていますが、オペレーションの場所は手書きでhereと記入がありました。左側のOfuと言う島の南端です。  

残りの 2枚はフィンランドのOH2MKBとルーマニアのYO2DFAのものですが、OHの場合には同国の異なるエリアOH0−OH9を凡そ示しているほかに同局のQTHが緯度経度で示されています。またYOの場合には同国のことなるプロビンス(日本での県にあたる)の区分けがされ、中にはその略称が入っているもので、コンテストマニアとかアワードマニアには格好です。この局はYO2DFAと言うコールサインの右のAの字の右下、CSと言うプロビンスの中に黒ポチで示されておりました。

ここにお目にかけた例はいずれも縮小されていますから、とても見難いですが、実際のカードはそれぞれ鮮明に印刷されていますから、十分に役に立ちます。

ハムはえてしてとてつもない地名とか場所に詳しく、日ごろ世界地図を見慣れていない人たちから見るとかなり専門家になるわけですが、実はその秘密はこれら一枚一枚のQSLカードに秘められていたのですね。 いやー、QSLカードって楽しいものですね!
さて次はどんなシリーズをお目にかけましょうか。お楽しみに!   (2001/6/7)
     
 
Copyright © 2004 QTC-Japan.com All rights reserved.