アマチュアの楽しみの集大成がQSLカードの収集であり、アワード条件の完成であることは以前のコラムでも書きました。そして最大の難関はいかに早く、そして確実にカードがコンファームできるかと言うことになります。最近はe-QSL(電子QSL)もとりざたされていますから、やがて今のようなハードQSL(紙に刷られたカード)は姿を消す時代がくるかもしれませんが、私なぞは大変寂しく思います。
薄い紙とか厚手の紙とか、カラフルな写真とか、大きいのや小さいのや、中には紙でなく、薄いコルク板とかプラスティックに印刷されたものまで、いろいろな形で送られてくるカードに魅力を感じます。その点パソコンに向かって、自分に届いたカードを検索し、場合によっては時間をかけてプリントアウトするなんて、はやりなじまないものがあるのです。(速さ、便利さ、確実さではとても電子QSLにはかないませんけれど・・・)
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アメリカの連盟本部にあるアウトゴーイングQSLの整理棚、もちろんJA向けは別格で特別の箱が用意されている |
今しばらくは現在の形態のQSLカードが存続するとなると、次に問題となるのはその転送システムです。これも書きましたけれど、JARLのビューローが早いの、遅いの(早いと言って文句を言う人もいないでしょうが)と言う議論もありますが、かのハム大国アメリカにしても国内同士のカード交換は以前からダイレクトになっています。つまり切手を貼って個々人で交換すると言うものです。
これではあまりに負担が大きいと言う声もあって、いまで海外向け(アメリカから見て)のカードについては アメリカの連盟本部にあるアウトゴーイングQSLの整理棚、もちろんJA向けは別格で特別の箱が用意されている
会員サービスの一環として、アウトゴーイングビューロー(つまり送りだすのみに機能)がありますが、インカミング(外から入ってくるもの)についてはボランティアベースで転送が行われているのです。その点JAのビューローは世界でも最高クラスと言わなければなりません。
JARL会員が10万強として、その内の半分の会員が月平均10枚のカードを交換するとなると、それだけで50万枚からの転送となりますが、実際はそれにとどまらず100万とか150万枚が行き交っているのが現状です。カード代1枚10円として、切手50円を貼るとそれだけで月600円になりますから、まだまだJARL会費は安いとすら言えるのではないでしょうか?
しかしながらDXをやっている方が多く体験されているところですが、海外とのカード交換はそれほどスムーズではありません。おたがいのビューロー経由となると、それを取りまとめる時間、実際に郵送にかかる時間、またそれぞれのビューローで仕分けで個々人に配る時間などを合算すると、いやでも半年くらいの時間がかかる計算です。そして中にはビューローは駄目と言ってくる局も少なくありません。
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ジブチのJ28NH 2000年5月24CWで交信。
F5IPWから約10日間で返送 |
その理由には、所と場所によっては郵便の条件が良くない(これは離島のように船でしか郵便が届かないところが沢山ある)あるいはその場所でのアクティビィティが低く(つまりハム人口が少ない)一度オンエアーすると限りなく呼ばれる、結果として大量のQSLを発行しなければならない、あるいはDXペディションのように通常大人数で移動運用が行われる結果、やはり一時に大量のカードを発行することになる、等々が挙げられます。
ジブチのJ28NH 2000年5月24CWで交信。 F5IPWから約10日間で返送 ここに来て活躍するのがいわばQSLマネジャーです。その多くはボ
エルサルバドルのYS1RR.2000年5月に14MHzのRTTYでQSO。マネジャーは有名なW3HNKで返信約10日間。
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エルサルバドルのYS1RR.2000年5月に14MHzのRTTYでQSO。マネジャーは有名なW3HNKで返信約10日間。 |
ボランティアで、運用者のログを預かり、代わってQSLを発行するのですが、中にはQSLの印刷まで引き受けている例もあるくらいです。従ってカードを請求する側からは、精一杯カード発行の手間隙、費用をかけな
いようにSASE(返信切手を貼って送り先を明記した封筒を同封して請求する)を使うと言うことに繋がります。
外国の切手は通常入手しにくいものですから、費用としてIRC(国際返信切手)を同封したり、時としてグリーンスタンプ(ドル札の愛称)さえ使われているのです。
ピトカーン島のVP6BR。2000年4月に14MHzのSSB、CW,RTTYで交信。OH2BRより約10日間のスピード返送。
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ピトカーン島のVP6RR。2000年4月に14MHzのSSB、CW,RTTYで交信。OH2BRより約10日間のスピード返送 |
中にはグリーンスタンプドリンカー(ドル札飲み込み屋)といわれる悪徳マネジャーもいて、何度送っても一向に返事をくれないとか、くれたとしても必要以上の費用を要求するようなことも出てくるわけですが、ほとんどのマネジャーは本当に真面目で、到着
したその日に返信を投函してくれるようなケースも多々あります。
マネジャーのコールサインを見ただけで、これならば確実にコンファームできる!と言う自信も持てるわけです。本コラムでは最近受け取ったマネジャー発行のカードを収録してお目にかけます。
もちろん中にはマネジャーを使わずに運用者自身が発行してくれたものも含まれます。
これらのカードの対象となったQSOはいずれも昨年前半のものですが、私自身のものぐささも手伝って請求自身が遅くなった次第で、決してマネジャーの責任ではありません。(請求日と受領日を入れておきました)
(2001/5/1)
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