Not in the Log ! なんと恐ろしい響きをもった言葉でしょうか。

あのパイルの中でやっと交信できた喜びのさめぬ内にQSLカードをしたため、貴重なグリーンスタンプ(通常のSASEには返信用に国際返信切手IRCを同封するのだが、相手によってはドル紙幣つまりグリーンスタンプの方が喜ばれることが多い)を入れてカードの請求を行い、待つこと 3ヶ月、ものによっては1年、そしてやって届いたと思った返信封筒の中になんと自分のカードが、そして無情な"ログにありません!"の記載。これを悲しいと言わなくてなんと表現したらよいでしょう。  

これと逆のケースで一度は交信したと思う局ながら自分でも自信がない(パイルアップの中で自分宛の返事だと思ってもまだ確信が持てなくて)QSOの時に、良くないこととは知りつつももう一度保険のためにコールをして「We worked B4, You are in the log!」すなわち「もうQSOしているよ。
あなたはすでににログに記載されている!」と言う返事を受け取って、多分このやりとりは多くの人が聞いているんだろうなと一人赤面する場面も無きにしも非ずですが、この場合はログに入っていることが確認できただけでも大変ハッピーと言わなければなりません。でもやったつもりがやっていないとなるとこれは別物です。まして相手がめったにQRVしないエンティティとかバンド、モードの時はなおさらです。  

上の相手局5X1T(ウガンダ)だって筆者から見ればかなりの珍局です。CWではQSOできていたもののまだSSBのカードを持っていなかったためにぜひ欲しかった一枚でした。それが無情にも赤ペンでNot in the Log ですから泣くにも泣けません。おまけに裏面には実際にQSOしたのはJA1○○○局であると書いてあるではありませんか。確かにJA1まではあっていましたが、とにかく自分でないことも確かです。  

コンピュータの世の中になって、ある場合には入力ミスだってあるのでは?と言う疑問も生じます。相手の局がコンピュータで検索した場合にはたとえコールサインの中の一文字だけが違っていたとしても、これは検索の対象となりません。でも人間のやることですから、JA1AYCと入力するところをJA1AYV(キーボード上ではボタン一つ違う)と打ち込んでいたとしたらもうアウトです。  

しかしながら自分の例でもそうですが、あるいは入力ミスと言うことも考えて同じようなコールサインであればその前後をチェックし、あきらかに登録ミスであると判断される場合にはカードを発行することもありますから、全然駄目と言うわけでもありません。しかしながら次のような例もでてきます。  

これはNH6D/KH3(ジョンストン島)とのものですが、せっかく18MHzのCWで仕留めたと思ってカードを請求したのに、送られてきたのは「ごめんなさい!ログにありません。この時のログの写しをおくります」とご丁寧にも私のレポートした時間帯のログをプリントアウトして送ってくれました。確かにこれを見る限りはどこにもJA1AYCは見当たりません。

バンドも時間帯も合っているのですが、やはり混信の中でてっきり自分に応答があったものと勝手に判断してしまったようです。筆者のレポートした同じ時間に5局ほどのJA局がありますが、この中で思い当たるとすればJA4XGC局くらいです。それとしても私自身のコールと一致するのは最後のCと言う一文字だけです。でも多分そのCだけを捕らえて自分に応答があったものと頭の中で決め付けていたんでしょうね。

まあかくして同じような悲劇はたびたび繰り返されています。だからこそして未だに保険QSOなるものが絶えないのでしょうね。その気持ちがわからなくもありません。  
いま返事待ちのカードが何枚かあるのですが、せめてこれらだけはNot In the LOG でなく無事に戻ってくることを切に願っております。 (2001/1/3)

 
     

 
 
 

ハムの楽しみが交信にあることは言うまでもありません。ハンディ機を片手に山登りして、思いがけず遠くの局とコンタクトできたこと。アワードをあれやこれや追いかけて、ようやく最後の1局とめぐり合えたこと。ものすごいパイルアップの中で自分のコールサインが返ってきた感激。自分の手作りのアンテナが予想を越えた性能を発揮できたこと。人それぞれ楽しみ方も違いますが、未知との出会いはいつまでも新鮮です。  

でもやはり交信の証はQSLカードを交換して初めて成立します。カードなんてたまるだけ邪魔だと言われる方もおりますけれど、古い交信を思い出して一枚一枚のカードをめくるのも一興です。QSLカードのデザインも実にさまざまです。

昔から多く使われている文字のみのもの。それに漫画やイラストを足したもの、そして最近はと言うとカード印刷の専門会社ができたこともありますが、写真入りのQSLカードがごくあたりまえにさえなってきました。  

写真を使ったカードの中でもシャックやオペレータの写真を入れたもの、旅行先での記念写真をそのままカードにあしらったもの、自作のリグやアンテナを紹介しているもの、コレクションアイタムともなった時代物の送信機とか電鍵を写したもの。家族や子供の写真。実にさまざまです。  

そんな中でもDXペディションあるいはDXヴァケーションに出かけた際の記録写真が入っているものは、その背景の物語があるだけに興味もひとしおです。普通はオペレーションを行った場所の写真とか、一緒にいったチームメンバーが並んでいる写真の入ったものなどが主流ですが、今回は趣の変わった動物写真入りのカードを取り上げてみました。  

最初の一枚はインド洋に浮かぶアムステルダム島に1998年に行われたDXペディションのカードですが、これは通常のカード2枚分(見開き)を使って、一面には島の様子や使用したアンテナ群を示す組み合わせ写真が、そして表紙にあたるコールサイン入りの面にはペンギン鳥が写っているんですね。ペンギンと言うと、普通は氷の上にいるものだと言う先入観があったのですが、ここに見るペンギンの群れは草むらの中にいます。  

この島は世界的にも環境の犯されていない場所だけに、いまでも軍(フランス領)の管理下にあって、なかなか上陸の許可を得るのが難しいところのようですが、このペンギンを見ても自然保護のありさまが伺えます。

次にお見せするのは最近はJAのオペレータもよく出かけて運用するので、おなじみになったベトナムからのQSLカードで、これも1999年にJH1EDB斎藤さんが運用されたものですが、農耕作業に使われている象が写真のテーマです。我々にとっては象は動物園で見るものと言うイメージですが、やはり現実に日常生活の中にいる動物は興味深いものがあります。  

最後にお目にかけるのはやはり1999年に行われたアフリカはソマリランドへのDXペディションのQSLカードでこのDXペディションはドイツ人のグループによって行われました。

以前はイギリスの植民地であったこの国は1991年5月に独立しています。人口は約150万と言われています。こちらのテーマ動物はらくだです。いまはT5と言うのがプリフックスですが、このDXペディションでは以前からの6Oが使われています。  

お国柄を動植物でと言うのも面白いなと感じた次第です。日本ならさしずめ朱鷺とか丹頂鶴? (2001/4/13)

     
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