二文字コールは誰にしもあこがれのコールサインでしょう。特にJAでは早くから免許を与えられたと言う証でもあるわけで、貴重です。筆者も一時期(つまりJA9、JA0と言うコールエリアができて、それまで北陸と信越に割り当てられていたJA2WA−ZZと、JA1WA−ZZが再割り当てで戻ってきた時のこと)今のコールを返上して二文字のコールサインをもらえるチャンスがあったのですが、どうしても最初にいただいたコールが大事に感じられて、せっかくの機会を失してしまいました。  

日本と違って局数の少ない海外では、まだまだ二文字コールが多く活躍しているのはご存知のとおりです。日本の中では二文字の局に出会う機会が少なくなってはいますけれど、DXをやればごく簡単に二文字局とQSOできるのです。  

そんな二文字局の中にあってもダブルコール、つまりサフィックスに同じ文字の並ぶものは、ことさら貴重に感じられます。 左のCN8WW局は1999年のWPXコンテストでQSOしたものですが(21MHzSSB)同年行われたWW(ワールドワイドコンテスト)では16名のえりすぐられたオペレータ(いずれもドイツのハム)がモロッコに乗り込んで、SSBでは160mから10mまでで23,224QSO、延べゾーン数199、延べエンティティ数900、トータルポイント76,080,473と言うすごい得点をゲットし、ZONE33を世界中にばらまいたものです。
 
CN8WW JA6WW K3WW

中央のカードは一寸と不鮮明で恐縮ですが、JA6WW吉岡OMのもので、下段にJA6WWのコールサインが入る背景は、すべてなんとかWWと言う局のカードで埋め尽くされています。その数ざっと100枚以上で、誰しもが思う、自分と同じサフィックス局との出会いを見事に実現しています。  

右のカードもこの中の一つですが、有名なフランクフォード・ラジオ・クラブのメンバーの一人K3WWのもので、これと同じデザインのカードがクラブメンバーによって使われていますから、一枚はお持ちの方があるでしょう。このクラブの15局以上とQSOするとWFRCと言うアワードが発行されます。
   
LY2WW W1WW W1WW

私自身のコレクションの中にもWWと言うサフィックスのものが数多くありますが、左はリトアニアのLY2WWで、1989年に21MHzのCWでQSOしたもの。中央と右のカードはいずれもコネチカット州のW1WWのものですが、中央のそれは1992年に21MHzのCWで、右はそれより14年も前に同じ21MHzでQSOしたカードです。

当時はカーツーン(漫画)が全盛で、QST誌の表紙にも多く使われていましたが、写真のカードどは別の意味で味のあるハムらしいQSLカードで大好きなものの一つです。  このように二文字コール、ダブルコール、あるいはトリプルコールとの交信もQSO数が重なるほどに楽しいものです。AA−ZZ、AAA,BBB−ZZZなどのシリーズで完成するとなると結構やりごたえがあるのではないでしょうか?健闘を祈ります。
 

 
     
 
    

ハムに なったら誰しも一度は思い切り呼ばれてみたいと考えるのは当然の話かもしれません。でも貴方がよほどの珍市、珍郡に住んでいるのならいざ知らず、普通はその他大勢になってパイルアップに参加しているのがごくあたりまえの姿でしょう。  

ところで2000年の頭にあたり、ふと寒い日本を逃げ出して、どこか暖かいところでゆっくりしたいと考えたのがそもそもの始まりでした。  

費用やら、時間やら考えたあげく到達した目的地がこのサイパン島であったわけです。もちろん最初は無線は計算に入っていません。暖かい南の島でXYLと二人でゆっくりヘボゴルフを楽しみたいと言うものでした。  

と言う次第で、計画を詰めている内に、なんと無線はやらないのか?と言う雑音?が入ってきたのです。
それは無線もやりたいけれど、免許のこと、無線機やアンテナのことなど考えるだけでも大変で、「いまさら何を?」と言うことでしたが、いやサイパン島はアメリカの免許であるが、相互運用協定で運用できる、しかも規則が緩和されて事前の承認も必要なし、さらにはサイパン島にはレンタルシャックもあって身柄だけ行けばいつでも運用できる等々の話を聞くにおよんで、それならばと本気になったものです。
 

サイパンのYAESUレンタルシャック サイパンのゴルフ場

場所はマリアナリゾート、いわずもがな八重洲無線のレンタルシャックです。アンテナもリグもすべて揃っているとあって、今回はRTTYとPSK31モードで運用するためにノートパソコンとTNCを持参することになりました。

レンタルシャックのアンテナタワー
シャックのロケーションはこのリゾートホテルの本館から離れた高台のゴルフコースの真横に位置しています。正に無線をやるには絶好のロケーションといわなければなりません。 ゴルフをやって無線も楽しむとなるとこれ以上の場所は考えられません。予定は全部で 5泊 6日、この中には往復の移動時間も含まれますから、ゴルフをやったり無線を楽しむ時間は正味 4日半ほどになります。  

本来、無線はサブの遊びであったのですが、ところがどっこい、ホテルにチェックインするやいなや旅装も解かずにいきなりリグのセットアップとアンテナの接続にかかったのですから、恐ろしい限りです。折からコンディションもそこそこに良くて、ついテストのつもりが思わず1時間半の長丁場に!

夕食を終えてから、いよいよ本格的なセッティング。念願のRTTYとPSKの準備も整って、再度格闘技の始まりです。
リグはSSBとCW用にFT-1000MP、RTTY等のデジタルモードにFT-920を振り分けると言う贅沢さ!アンテナはタワーに取り付けられたForce12、もう言うことありません。

パソコンは持参したメビウスのノートパソコン、そしてTNCはAEA社製のPK-232をセットしました。 日中はゴルフのラウンド、戻って食事、そしてそれ以外は無線と言う夢のような時間が過ぎていきます。  この運用で得た教訓はいたずらに慣れないDXペディションはするなかれ!と言うことでした。

特にCW運用時のパイルアップはすざましく電鍵さばきが早いのはともかく、あのうなるような呼び出しから、特定の1局を選び出す難しさをとことん味わった次第です。
もちろんRTTYやPSKの運用にしても、あらかじめマクロに仕組んだ基本的なQSO文章によるDXペディションモードも欠かせません。それでもなじみの局や思わぬDXの呼び出しには思わず心がなごみます。
 
KH0JA1AYCのシャックの様子 KH0/JA1AYCをオペレートする筆者

かくして大狂乱?の4、5日は終わりました。なんと延べ1,480コンタクト(内 SSB/750、CW/280、RTTY/400、PSK/50)交信相手は日本の局が多かったものの、これまた 6大陸 60エンティティに及びました。呼んでいただいた方々に心より感謝いたします。  

これに味を占めたと言うわけでもありませんが、今年21世紀も再びサイパンでの運用を考えています。
予定は 2月 2日から 7日までの6日間(ただし往復の旅程を含む)で、今回は無線の仲間 5人連れで寒い時期にホットな体験に挑みます。ご期待ください。
いずれもKH0/で、 JA1DD、JA1IVL、JG1BAH、JJ1KXBそれにJA1AYCの 5局です。

     
 
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