さて波乱?の2002年も暮れようとしています。最悪の経済環境やら拉致問題、中東の緊迫等々もありましたが、一方ではワールドカップ、たまちゃん、ノーベル賞などほっとさせるニュースもありました。

全国で放送されているかどうかわかりませんが、所ジョージさんの司会する「ビフォー・アフター」というTV番組がありましてけっこう気に入って見ております。要はリフォームの妙を描いた番組で、あの家が、あの部屋が見違えるように変わるという趣向です。  

「ビフォー・アフター」といえば、いつも思うのですが、年頭の所感で「今年こそ!○○!」と念じていたものが、終わってみれば「今年も××だった」ということが少なくありません。どうやら個人生活では意気込みが常に理想を上回ることが多いようです。  

そういいながらも我が2002年を振り返りますと、思いかけない出来事を含めて50/50、つまり思ったことの達成率は約 50%、残りは年初には考えても見なかったような変化で終始しました。

その1 DX 
コンディションが下り坂の年といわれながらも、春先と秋には大きなオープニングがあって賑わいました。私個人としても念願のニューエンティティ「VP6DI」デューシー島とのQSO/QSLができて本当に喜んだものです。

もちろんバンドニューとかモードニューも増えてまずまずの年ではあったのですが、最後がいけません。なんどもお話しているように秋になって腰の故障のためにワッチするどころではなく、むなしく指をくわえて過ごしました。とりわけアフリカ西海岸の取りこぼしは大きいものがありました。でも長いDXライフを考えれば先もあることですし、まずよしとすべきでしょう。

その2 旅行 
旅行はハムに次ぐ楽しみの一つです。なけなしのお金をセーブして、少なくも年1度はどこかにでかけるのを恒例としてきたのですが、今年は例外年に当たります。6〜7月は本格的な北海道ドライブを考えていたのですが、後述の仕事が入って延期のやむなきにいたりました。

それに代わって9月の初頭に九州を半分くらい車で回ったのですが、ハムなしのレンタカー旅行だったので、これも成功率は50%というところでしょうか。追い討ちをかけて秋の旅行予定は腰痛ですべてご破算になりました。

その3 イベント 
今年のビッグイベントといえば国際的にはワールドカップが上げられます。そしてもちろん特別記念局の活躍がありました。8J なんとかCを追いかけての約 1ヶ月は楽しいものでした。もちろん他にも多くの特別局が運用され、それぞれを拾うスリルも味わうことができたのです。11月にはJARLの75周年式典が催され、体の具合は決してよくなかったのですが、以前からのお約束でARRLのヘイニー会長ご夫妻のアテンドができたことも良い思い出になりました。

その4 アワード 
アワードハントもハムの楽しみの一つです。ある意味で集大成ともいうべきWACA,WAGA に挑戦し、ようやくの思いでミックスバンド・モードながら両賞をいただくことができました。とりわけ前者は年々町村合併などで、新市が続出し、待っていたらきりのないものだけに、見切りをつけた時点での申請となりました。

後者については残る1郡のために友人がわざわざ遠隔の地まで移動して運用していただいた賜物でした。来年はせめて1バンド・モードでの完成を目指したいと考えています。 

次にこれも数年越しの[よみうりアワード]への挑戦で、こちらも多くの友人に助けられて、ようやく8月に「よみうり世界1万局賞」の認定をいただけほっとした次第です。(表彰式はまだ先ですが)次なる目標は同じく「日本1万局賞」で、こちらは残り 9エリアの規定数を残すのみとなりましたので、引き続き完成を目指しているところです。

その5 環境 
ハムの環境もいろいろ変わりつつあります。いま周波数の再編成が取りざたされていますが、当然2003年のWRCでの結果が待たれます。 USHF帯ではますます増大する通信手段に対応するためにハムの領域が脅かされていますが、一方念願の7MHzの拡大に対する期待もあります。

まだ予測では半々ですが、できるだけわれわれの希望が叶えられることを祈っています。通信といえばブロードバンドの拡大によってPLCの導入がにわかにクローズアップされました。HF帯のほとんどの周波数を含む大きな帯域が家庭内の通信機器に適用されるかもしれないという危機であったのですが、幸いにも 8月上旬「まだ時期尚早」ということで先に送られたことは記憶に新しいことです。

これに関して6月末から7月初頭にかけてJARLを代表してドイツで行われたPLCの会議に出席し、情報の収集を行い、総務省のヒアリングに報告したのですが、少しでもお役にたったことを願っています。もちろん同会議がドイツのフリードリヒスハーフェンで行われたこともあって、同時期に開催された欧州最大のハムイベント「ハムラジオ2002」を見学できたことも収穫でした。

その6 移動運用 
旅行にもつながりますが、移動運用も個人的には大好きなハム活動の一つです。以前はもっぱら7MHzのSSBを中心として町村区などをサービスしたものですが、今年の特徴といえば10MHz CWが中心になったことでしょうか。

アンテナもいくらか小さくて済みますし、昼間の伝播は全国的にFBですし、それにもまして多くのサポーターがいます。(家にいる時はもっぱらこの追いかけ族の一人ですが)春先と夏場に自身としては比較的範囲の広い移動を試みました。

とりわけ後者は山梨県の友人の別荘に転がり込んでの運用だったのですが、折から開催されたいたフィールドでーのコンテストに参加するというおまけまでつきました。
もうほんのわずかがんばれば入賞も夢ではなかったのですが、悲しいかな計画なしでの参加なので中途半端に終わってしまいました。

その7 つけ 
移動運用のつけは前回のコラムで書きましたが、長年の不摂生がたたってか9月後半ころから腰の異常を感じ、次第に悪くなって10月、11月、さらには12月へとエスカレートし、いまだに完治しません。こればかりは不本意ながら年越しとなりそうです。
どんなDXよりも、どんなアワードよりも、少しでも良くなって欲しいというのが今日現在の心境です。
来春は良い結果がお知らせできるように努力します。 (2002/12/25)

 
     

 
 
 

ニューイヤーズ・ドリームなんていうとカッコよく聞こえますが、これが実は毎年繰り返される「獲らぬ狸の皮算用」なんです。わずか一週間前に反省したことをもう忘れて、次のことを考えるのですから、人間なんて所詮弱いものです。  

ほとんど人様の助けをかりながら完成したデータベース(ハムログのこと)ですが、国内分がおよそ3,4万件ほどになりました。過去のログブックをそのまま移植したのではないので、この数字はいただいているQSLカード分+この 3年ほどの実際のQSOログの集大成です。  

ハムログにはバンド別、エリア別に集計する機能がありますから、時折チェックしては「これこれのバンドでどこそこのエリアをもう少しやらないと!」とか、「もう少しで1エリア1.3万局達成!」とか一人で悦に行っているのですが、実はこの数字がマジックなのです。  

「デイトン・ハムベンション2001」でWF1Bとツーショット

最近のコンタクトの内容を見れば容易にわかるところですが、本当のファーストQSOといいますか、つまりその相手局とはバンドやモードに限らず初めてコンタクトするケースが徐々に難しくなってきたのです。
とりわけ町村などを追いかけていますと、ついついサービスで声をだされている方を呼ぶことになり、私のケースでも北海道の某局とはすでに60回以上もQSOしたことになっています。  

この現象は相手 1局にとどまらず、かなり沢山の方にお相手いただいていることから、データベース上でのトータルQSO値は確実に増えるものの、ファーストQSOの数字は遅々として進まないという結果になるのです。
今現在の3,4万のデータベースを見るとその内のファーストコンタクト分は約 1.9万局ですから、ファーストコンタクトのヒット率は55%強にしかなりません。

つまり 2局に 1局は初めての出会いでない計算になります。  巨人の松井選手もいよいよメジャーで羽ばたくことになりましたが、昨年は最後まで期待されながらついに 3冠王のタイトルが取れませんでした。足を引っ張ったのは、いわずもがな打率です。ホームランや打点は積み重ねなので減ることはありませんが、打率はその時その時で上がりも下がりもします。これがハムの場合のファーストコンタクト率に似ているのです。  

同一局が複数のポイントからサービスするのを 1日追いかけていますと、新しい町村の数はふえますし、トータルQSOの数も増えますが、ファーストコンタクト率は落ち込みます。
気がついてみると、昨年の前半からファーストコンタクトの数は1.9万のラインにとまったきりで、なかなか 2万の大台を突破しません。 まあ、これはこれとしてせっかく出来上がったデータベースを活用しない手はありません。

今年はシングルバンド、シングルモードでどれかひとつくらいWACAWAGAでも完成させたいと願っております。そして 9エリアの方のご協力さえ得れれば「よみうり日本1万局賞」も一応ターゲット内に入ってきました。  もっとも後者の場合には3,4万のカードを並べ直すというおおきな試練があります。

大雑把にエリア別くらいに分けていても、申請する段にはすっきりとプリフィックス、サフィックス順に並んでいて、いつでも必要なカードが取り出せることが不可欠です。(申請に際して証明者二人の方に申請内容とカードを見比べてチェックしてもらうことになるからです。)  

昨年から愚痴をこぼしていますように、このところ足腰の具合が悪くて、とてもカード整理どころの話ではないのです。なんといっても身体を復調させることが第一で、それがうまくいかないと、今年のもくろみはすべて泡と消える運命にあります。はたしてニューイヤーズ・ドリームは成るのか?乞うご期待!

**写真・図版の用意ができていませんので、とりあえず文章のみでUPします。** (2003/1/6)


(編注)写真は本文と関係ありませんが、「ハムベンション2001」で撮影のJA1AYCとWF1Bを挿入しました)

     
 
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