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| アマチュアですから・・・・ |
失敗をカバーした、いい話し(2):伊東温泉編
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その週末、アマチュア無線が大好きな二人は移動運用を計画しました。
グルメ人間を自称する男二人は、温泉と海の幸を同時に味わえる静岡県伊東市のとある会員制リゾートホテルを選びました。海を間近に見る小高い丘の上に南フランスの建物を想わせる白壁と赤い屋根が紺碧の海に映えて、リゾート気分を大いに満喫させてくれます。
支配人の了解を取り付けて端の方に部屋を取ってもらい、14メガと21メガのツェップアンテナ(正しくはツェップもどき)を約10メートルの高さに張りました。無線大好きの男二人は親子ほども歳が離れているのにいつも仲良く行動しているので、傍から見ると怪しむ人もいるといいます。実際のところはアマチュア無線とコンピュータが無上に好きだから気が合うというのが真相です。
今回は「SSTV・ニューフェースコンテスト」に合わせての移動運用です。伊東市は2エリアですから、東京から移動してきた二人は<ポータブル2>。静岡県の運用が少ないのいいことに関東周辺の人からもまた他のエリアからも交信すると喜んでもらえます。
二人はYAESUのHF小型トランシーバFT-900とFP-900、ノートパソコンは東芝のGT-R575 TFT仕様を持ち込みました。近くを移動するときのことを考えて144メガと430メガハンディ機も一組用意しました。
無線機のセッティング・・・ 車から部屋に運んだダンボール箱の梱包を解いて無線機を取り出します。 無線大好きの二人は役割を心得ていて打ち合わせをしなくてもテキパキ行動できます。無線機、DC電源、ノートパソコンなどを畳一杯に広げて結線を始めました。すでに同軸ケーブル2本は部屋に引き込んであります。あとはHFトランシーバにつなぐだけ。
海の幸一杯の食膳を思い描きながら鼻歌も出てこようという至福のひと時です。
「あれっ!」と声をあげてゴソゴソ何かを探し始めたのはJA1コールサインを持つ一人。 この期に及んでハンドマイクがないと慌てまくっている。
「・・・・・」JF1のコールサインを持つ相棒は、声にならならない声でパクパク。 伊東は温泉街、しかも夕暮れ時に無線用のハンドマイクが買えるはずもない。熱海,小田原・・・・いやダメだ。静岡ならある、横浜、いっそ東京。頭はフル回転、なんとかリカバーしたいとあせりまくる二人。
相棒がやっと口を開いた「ほかにマイクはないですか?」 「ハンディ用の小型マイクならあるけど、プラグが合わない。」「いやそれでいい、それを使いましょう」「ほかに何かケーブルはありませんか?」こんなやり取りの末、ケーブルをつなぎ合わせてハンドヘルド用のマイクをFT-900につなぐことに成功しました。送受信の切り替えはトランシーバ本体のREC/SENDスイッチのオンオフでおこない、一人はマイクのつなぎ目をしっかり押さえて二人がかりの珍妙なオペレーションが始まりました。
送受信の切り替えも、画像作りも二人の呼吸はピタリ合いました。 21.340MHzでJA7QMさんの <CQ画像>が見えました。コールして画像交換を済ませました。相手局は何も気づきません。裏で奇妙な操作を繰り広げている様子は知る由もありません。ファイナルを送った二人は接続を維持していた結線から手を離して「やったー」と子供のように歓声を上げました。
ハンドマイクを忘れたことよりも、困難を克服した充実感が二人を包み込んでいました。 「やればできるんだよなぁ」「でも、忘れないでくださいね」
「さぁ、温泉に浸かって食事しよう」 失敗を胸に秘めながら「われらは真のアマチュア無線家」と酔いしれていたのですから、お酒が回ったとはいえ可愛げがありました。
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