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| アマチュアですから・・・・ |
ちょっといいハナシ(4):ハム事始
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大正14年(1925年)秋ごろ、梶井謙一さん(当時大阪市、コールサインJAZZ のちに3AZ、J3CC、JA1FG)と笠原功一さん(当時神戸市、コールサインJFMT後に3AA、JXIX、J3DD、J1EZ、J2GR、JA1HAM)が、波長300mで電信のQSOに成功しました。距離は20キロでした。
(引用:「アマチュア無線の歩み」p.41JARL刊 )
梶井さんと笠原さんはJARL創立当初から昭和16年まで役員を務めておられましたが、梶井さんは、JARLが社団法人に認可された昭和34年から42年まで会長職を歴任されました。笠原さんはソニーの前身、東京通信工業に入って井深大さんら創業者達と共に今日のSONYの礎となったのはあまりにも有名な話です。
昭和56年、ちょうどメーカー製の高性能アマチュア無線機(当時としては)の出現が相次いで<お手軽アマチュア無線ブーム>の人気を煽りたて始めていた頃です。JARLの役職から引退して研究三昧の梶井さんは、突如として「モービルハム」に寄稿してこられました。タイトルは「計算に強くなって差をつけよう」でした。前書きの中で「計算に強くなると、技術的問題を楽に解決することができ、他の人との差が自分で分かるようになって、アマチュア無線が、さらに面白くなります。」と述べておられます。
以降、インピーダンス、アドミタンス、インピーダンスとリアクタンスとの並列接続(並列同調回路)の原稿が次々に届きました。あのハム草創期に登場されるスーパーOMからのご寄稿に喜んだのはいうまでもありません。
突如、梶井さんからお手紙が届きました。(以下原文のまま)
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モービルハム編集部 御中
お暑うございます。
さて、小生 新潟総会から帰って数日経過した5月28日夜 突然吐いて苦しみ そのまま床についてしまいました。
風邪にかかっていたことに 気がつかないということらしいのですが、全然 兆候がなく、気が付いたときは 相当 衰弱していたということです。
隣家が医者(ただし産婦人科)で毎日点滴を受け 6月いっぱいは床の中 7月に入ってようやく起き上がっての生活をしています。
原稿を書こうとしても うまくゆかず ここに ようやく第3図をお送りします。第4図は引き続き手を着けており 今月末くらいまでに お届けしたい所存です。
しかし、アマチュア無線 昔話の方までは 今のところ手が出ません。
書けるようになったら ご連絡します。
以上 要用のみ
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56, 7, 27 梶井 謙一
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当時、MH編集部では梶井さんに「回顧録」のご執筆をお願いしていましたが、果たされないまま、「π回路」が送られてきました。続く11月29日に「線番の話」、JA6PL井地義智さんと連名の記事が・・・、この原稿が絶筆になってしまったように記憶しています。
昭和60年(1985年)12月7日、梶井さんの訃報を聞いて埼玉県入間郡鶴ヶ島町のご自宅を弔問に訪れました。 引退して研究/実験三昧といえ、スーパーOMの梶井さんの死を悼んでアマチュアが大勢訪れていました。シャック兼工作室に入れていただきました。机の上にハンダごてやラジオペンチ、ドライバーなどが使われていたまま、実験途中の機器とともに置かれていました。梶井さんが今すぐにでも戻られて測定が始まるような臨場感がありました。
シャックを拝見した人々は、亡くなる直前まで生涯アマチュア無線家を貫抜いた梶井さんから深い感銘を受けた様子で呆然と立ち尽くしていました。その光景はいまだに忘れることはありません。以来、科学する心を教えられた私は、次第に基礎技術を重視するように変っていきました。
昭和51年11月20日、「物語 ハム半世紀」著者・香山 晃(梶本俔良、JA6UU)電波実験社刊が発行されました。「ハム事始」の章で笠原さんと梶井さんの交信のいきさつが物語にまとめられていて大変面白い本です。現在では残念ながら絶版となってしまっています。
21世紀を目前にして世の中が大きく揺れ動き、『昔のことなんか通用する訳がないよ』というご意見にももちろん納得できる部分が多いです。しかし、己の本質を忘れてバブル経済に躍らされた挙句の後遺症から未だに抜け切れずに致命的な問題を抱えて悩み続ける個人や法人も、業界や洋の東西を問わずに山ほど存在していそうです。
今宵は愛妻と一緒に久しぶりの<アンチェインドメロディー>を聴いてしまったせいでしょうか・・・、
社団法人・JARLの生みの親、初代会長のJA1FG/梶井謙一さんが『もっと本来のアマチュア無線家らしくやってくださいよ、きっとこれからもうまくいくのに・・・』と、電離層のもっともっと彼方から一生懸命に私達へ向かってメッセージを送信し続けておられるように感じてなりません。 |
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