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アマチュアですから・・・・
ちょっといいハナシ(8):中国・北京編

何年か前に中国の首都、北京でIARU( International Amateur Radio Union ) 第3地域連合(以下、Reg.3と略)総会が開催されました。
Reg.3の構成メンバーは、アジア/オセアニアなどに英国・米国、それにReg1、Reg2、IARUの代表が加わりアマチュアの運用に関するあらゆる問題を討議し、議決事項を会員に伝え各国の主官庁にアピールする重要な総会と位置付けられています。

総会の全体会議ではBA1SS/Wangさんが中国代表の席に座っていました。
3年に一度開かれるReg.3総会では今まで一度も見かけないお顔です。代表の席にはCRSAの許増武主席が座ると思い込んでいました。参加者名簿に目を通しますと中国の代表はC.S.Wangと記載されています。Wangさんはどのようなお方だろう?、むくむくと疑問が湧いてきました。

傍聴者用の椅子にかけて総会を取材していました。Wangさんの発言の番になりました。
流暢な英語でのCRSA活動報告スピーチを聞きながら「英会話が堪能だから代表なんだ」と一人納得していました。風貌からお役人か学者のような印象を受けましたが、このときはそれ以上の関心を持ちませんでした。

昼食を早めに済ませて総会会場に戻りますと、そこにWangさんがおられました。さっそく名刺を交換してMH最新号を手渡しました。実際に言葉を交わすと温かい人柄がふわりと漂っています。
BA1は1級局で1940年代にアマチュア局を開局していることを示しています。旧知のBA1CY周海嬰(作家・魯迅の子息)さんを話題にしたところ、「親しい友達です」と笑みをたたえながらこたえられました。オールドタイマーなら「上海のBA4CH、BA4ADをご存知ですか?」と尋ねると、「もちろん知っている、私の仲間だ」と明快です。

「私は上海、BY4AOMの海外会員ですよ」と続けると、知っていると言うではありませんか。
当時、北京の個人局は自作機か軍用払い下げ機で申請し、上海の個人局は中古機でスタートした経緯があります。ここまで分かってしまえば、二人は同じ土俵の上にいることがわかり、急速に親しさが増してきました。

総会終了後のウェルカムパーティで再びWangさんにお会いしました。名刺交換ですっかり打ち解けていましたので、日本から持ってきたMH増刊号の「ハムwithコンピュータ」を贈呈しましたら、殊のほか喜んでくださいました。この本に興味があった理由が後になってからわかったのです。一緒に記念撮影や談笑に興じ楽しいひと時を過ごしました。

週末はBAネットをよくワッチします。中国の友人達の様子がわかるからで、この日も14.180MHzをワッチしていました。なんとBA1SSのコールサインが飛び交っているではないですか。なにやらSSTVが話題になっているようです。中国語なのでほとんど分かりませんが、SSTVの周波数14.230MHzへQSYするようなことを断片的に理解して、ダイアルを回して待っていると、BA1SSがQSYしてきて北京市内のBA1××と画像交換を始めたのです。

私は仰天しました。北京総会ではSSTVをやっていることなど互いに一言も触れませんでしたから、その驚きは口では言い表せません。SSTV愛好者同士ならまた話も弾んだのに・・・、と少し恨めしく感じましたが、どうやら当方の会話力に問題があったようで反省しました。

交信が終わるのを待ってコールしました。「Kawaiさん、お元気ですか?」まぎれもないWangさんの声です。「中国代表を務めておられたので、堅い話ばかりに終始してしまいゴメンなさい。SSTVでお会いできてうれしいです」と、オンジエアの再会を喜びました。インターネットでソフトのダウンロードが難しいことなどをお聞きして、後日、W95SSTVをDLして送ることを約束してファイナルにしました。

それから数ヵ月後、子供達の訪中団に随行して北京を訪問する機会が巡ってきました。
事前にWangさんにお知らせしてアイボールQSOを希望しました。Wangさんは滞在先のホテルまでご自宅から2時間の道のりを訪ねて下さり再会を果たしました。
このときはReg.3総会の初対面と違い和気藹々の雰囲気の中、ご専門のロケットの話しからSSTVのソフトウェア談義までReg.3総会のぎこちない会見を取り戻すかのように旧交を温めた2時間はあっという間に過ぎました。

宇宙開発技術の訪日団の団長として来日した経験もおありで、日本のDXerとも親交があると分かりました。いまではリタイアされていますが、Wangさんのしっかりしたコンピュータ技術のバックグラウンドを知ることができて納得しました。
その後、娘さん夫婦を訪ねてニューヨークへ向かう途中、Wangさんご夫妻と成田のANAホテルでお目にかかりました。たった一晩の日本ステイでしたが、名刹成田山新勝寺をご案内するなどして私自身も楽しい半日を過ごし、Wangさんご夫妻にも大変喜んでいただきました。

アマチュア無線は「偶然の出会い」を取り持つと言われています。
Wangさんとの親しい交友もまた、この趣味の持つ奥深さを教えてくれました。

 

 
 
 
 

 
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