免許事務の新代行機関?

郵政省の「包括免許」とアマチュアが待望する「包括免許」は文字が同じでも内容が全く違う点に注目し「包括免許の定義」をはっきりさせなければなりません。アマチュアが望む「包括免許」とは、無線従事者免許証に基づいた免許状の発行、すなわち従免の運用範囲でコールサインを付与する方式といえばわかりやすいでしょう。米国など先進アマチュア国はすでに簡素な免許事務を実施しており、アマチュア無線を大きく育ててきたことで知られています。

21世紀目前に各クラス共にCWを5W/pm(ほぼ1分間25字)に変更する電撃的な大改革を発表して全世界のアマチュアを震撼とさせました。4月から実施された米国の新しい制度に呼応して豪州も近く資格制度を大幅に変更すると伝えられており、一人日本のみが十年一日のごとく「包括免許の推進」を掲げても山のごとく動かないリーダー達に飽き飽きしたと申し上げたら失礼になるでしょうか。アマチュアの悲願を省みないリーダーに失望感が増すばかりです。

JARD(財団法人日本アマチュア無線振興協会)の設立は、JARLはアマチュアのために必要と会員を説いて同財団に1億円を拠出しました。全国に事務所を作り多数の職員を雇用し収入は巨額に上り事業が順調に推移したかに見えた矢先、バブルがはじけると同時に免許事務の変更に伴う大幅な収入減により大幅なリストラを余儀なくされました。この結果、当局はJARDを見限り?新たな免許事務を代行する機関(財団?)の設立を画策する兆候が見えてきました。 この新たな機関構想がある会合でJARL関係者により披露された事実に注目しなくてなりません。早くも郵政の構想に同調してアドバルーンを上げ世論形成の地ならしをはじめたと見るのが自然であり、またもや異種「包括免許」に名を借りた新機関の設置を画策し始めたと警鐘を鳴らしておきます。

JARDは収入の減少で経営の見通しが立たないとしてリストラを断行して職員を減らし、幹部職員の退任とJARLへの横滑り人事をやってのけました。JARDが存続するかどうかは引き続き注視しなくてはなりませんが、噂では郵政主導の新しい機関で免許事務を扱うという案が浮上しているらしい。そうなればJARDの存続も含めて拠出した1億円の行方をしっかり監視しなくてはなりません。新しい機関が免許事務を代行する場合、「郵政型包括免許」が実施に移されるのではないかという恐れを識者が指摘しています。アマチュア無線機への検査検定をからめて<包括免許>と定義して、免許事務を代行する公算が大きいといわれています。

一昨年、ある懇談会で新型の「包括免許」をまとめ、郵政に提出されようとした事実がありました。事前に世間に漏れたことを理由に提出はとりやめになり、懇談会は密かに解散に至りました。懇談会が取りまとめた内容に大いなる問題がありました。その骨子とは法的な免許手数料のほかに「団体が一括して包括免許に責任を持つ代わりに手数料を徴収する」内容で正にアマチュアが望まない包括免許でありました。「団体が包括免許の責任を一括して持ち、ここに免許申請を簡易化して免許を与える」構想こそが「郵政型の包括免許制度」そのものなのです。

時代の要請に逆行する手数料の追加徴収がまかり通り、申請者に負担増を求めているとすれば、これは一大事といわねばなりません。より良い制度を討論し多くの人々の納得が得られる形で新しい制度の実施を検討されてしかるべきでありましょう。IT革命にいち早く取り組み進取の精神に富むご当局ですから、きっと21世紀にふさわしい先進的な制度で応えてくれるに違いないと思いつつも、アマチュア自らが<欧米型の包括免許の制度>を強く求めて行かなくては、熱望する包括免許の実現は覚束ないと知るべきでありましょう。

 

 
 
 
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