≪1円で配られた世界最小スマートフォン≫
 
Rakuten Mini使いこなし
新通信規格「UN-LIMIT」回線実力評価
 
 
by Takashi Hioki. JF1GUQ / KA8J
     
 

第四のモバイル通信事業者として華々しく登場した「楽天モバイル」ですが、顧客獲得の ため魅力的なキャンペーンを展開しています。2020年3月3日から始まった「Rakuten UN- LIMITお申込みキャンペーン」は300万人を対象に利用料:月額2,980円を1年間無料にす るという思い切ったイベントでした。ここで言う利用料はデータ通信の利用料金と電話での通話料(Rakuten LINK使用が条件)を含めて無料という意味です。 追加料金がかかるのはRakuten LINKアプリ(これはIP電話)を使用しないで通話した場合 、つまり電話回線(通話回線)を使用したものについては、別途料金が発生するというも のです。

ご存知のように携帯電話(スマホ)は二つの回線を使ってサービスを展開しています。 通話回線は、本来の音声通話の回線です。 通信回線はデータ回線を指します。

Skype、LINE通話、050電話などのIP電話サービスはデータ回線にデジタル処理した音 声を乗せて会話を行う仕組みです。Rakuten LINKはこのIP電話の一種です。発信も着信も 可能ですが一部の緊急通報(110や119およびフリーダイヤル)は利用できませんから注意 しましょう。それらの通話は「電話」アイコンの音声通話を使用します。

さて、2020年6月17日までは、スマートフォンの割引キャンペーンが行われ、通常価格 17,000円のRakuten mini(オリジナルスマートフォン)が1円となりました。運良く先の 300万人年間無料キャンペーンと、この1円スマホキャンペーンが同時期に行われたため 、スマホが1円でしかも1年間利用料無料の恩恵に与った方も多いことでしょう。さっそ くそのキャンペーンにより手に入ったRakuten Miniを使って、「Rakuten UN-LIMIT」回 線を使ってみました。記事をご覧いただくタイミングによっては、これらの優遇キャンペ ーンが
終了していることがありますので、ご注意ください。

●申込の確認


通信料が1年間無料で、Rakuten Miniが1円で購入できた時の申込画面は次のようにな りました。

▲申込内容の確認

緑の破線で囲んだ部分は通信料金:月額2,980円が同額割り引かれて0円になっているこ とが分かります。赤の破線で囲んだ部分はRakuten Mini(17,000円)が16,999円割り引 かれて1円の請求となった申込画面をキャプチャしました。

▲お支払い内容


お支払い内容で再確認すると、確かに1円となっています。 沢山の方がTVコマーシャル等でこのキャンペーンを知り、申し込んだため様々な混乱が生 じたようです。黒、白、赤の中から希望のボディカラーが選べなかったり、本人確認書類 と申込住所の不一致が生じたため、一旦申し込みが保留され、「本人確認書類を実店舗に 持ってきてください」と言うメールを受け取った方もいらっしゃいました。 例えば住所表記で3丁目12番3号のように書かれた証明書類を3-12-3のように住所として 記載すると、エラーになったという話もありました。 携帯電話は振り込め詐欺に使われたり、犯罪に悪用される事がありましたので、本人確認 は厳しく対処されています。

ネットからの申し込みでは、運転免許証のような本人確認書類を撮影して、そのデータ をアップロードする方法が取られました。スマートフォンのカメラで接写することが推奨 されました。スキャナーからだとダメだったり、コピーした物を写した場合も不可だった ようです。スマホ送付先は本人確認書類の記載住所に送られてきます。品物を受け取った ことをもって本人確認が取れていると判断されます。

ネット申し込みは一時大混乱となり、スムーズに申し込みが進まないので中断が余儀なく され、中断直前の申込に気が付かず、もう一度始めから手続きを行ったため、2回線の申 し込みを行ってしまったというトラブルが数多く発生した模様です。その場合は2 台目のRakuten miniは割引対象外となって17,000円の請求が届きました。 そういう時に限ってサポートセンターの電話がつながらず、ずいぶん焦った方もお見受け しました。

キャンペーン初期に申し込んだ人だと、申し込みから2日程度でスマホが送られてきた方 もいたようですが、私は5月29日(金曜日)午後1時頃の申し込みで5月31日(日曜日)の 受け取り予定が翌日の6月1日に1日延びてしまいましたが、クロネコヤマト便で無事届き ました。
MY楽天モバイルという楽天モバイル専用の会員ページがあります。そこで契約内容や配送状況などが見えるのですが、事務方は
かなり混乱したようで、品物が届いた後でも「処理中」の表示が続いていました。

*6月8日現在の状況です。

[編注] 
5月30日(土曜日)の申し込みで6月10日にRakuten Mini C330を受け取った方のケースではは6月11日(木曜日)に「楽天モバイル」eSIMプロファイルダウンロードのお願いのメール が届き、新規電話番号でお申し込みの方へ次のようなメッセージがありました。「これから郵送にてお手元に届くQRコードを読み取り、「my 楽天モバイル」にログインしてください。」とあり、Rakuten Miniに同梱のSTART GUIDEとは異なる方法を案内してきました。しかしながら郵送にて・・・と言いながら6月14日現在、郵送にて届くはずのQRコードが届かず、eSIMプロファイルのダウンロードができないまま楽天回線の開通手続きが未だにできていません。

総務省が楽天モバイルにRakuten Miniの周波数帯変更問題で報告を求められるなど、大きな問題を抱えているようで混乱を生じている模様です。解決にしばらく時間かかるとの観測があります。

 
   
     
 
▲段ボール箱に入って届きました
 
初期設定

初期設定はパンフレットに記載されている手順で小さな画面を操作して行うため時間はか かりましたが他人に頼らずに行えました。 店舗でも申込を行うことが可能でしたから、その場合のメリットとして即日スマートフォ ンを持ち帰ることが出来ました。親切な店員さんは、初期設定まで済ませてくれたと聞きます。そうすると以下の作業は不要になり、すぐに使い始めることが出来ました。 ただし、店舗申込の場合は申込金の3,000円に対して楽天ポイントのキャッシュバックは 無く、自力でネットから申し込んだ人とは、その点の優遇を受けることはできませんでし た。

自宅にWi-Fiアクセス環境があることが必須

さて、ネット申し込みを行っている人ですから、自宅にインターネット回線が引かれてい る。もしくはもう一台スマートフォンを所有している等、なにかの通信回線が手元にあることが前提で初期設定が行われます。 最初にWi-Fi に接続してアップデートを行います。そう言ったインターネットアクセス環境が無い人はどうするのか心配になりますが、問題は自力解決が望まれます。Wi-Fi デザリン グが出来るスマートフォンなら、そのように設定して対処してください。

ルーターにWi-Fi 環境が無く、LANケーブルで接続しているパソコンしか持ち合わせない場合は、新たに Wi-Fi ルーターを用意するか、フリーWi-Fi サービスを行っているコーヒーショップ等で、初期設定することになるかも知れません。 Wi-Fi ルーターのパスワード入力は小さな画面のRakuten Miniで行うのはかなりの難易度が高い作業となりました。問題なくID、パスワードが登録できるとアップデートが始まり ましたが、画面に変化がありませんから、どの程度の進捗状況かを知ることが出来ません 。不安のまましばらくすると、突然アップデートが完了して、動き始めました。
 
 
▲初期設定方法のご案内と本体、スタートガイド
 
アクティベーションでは楽天モバイルのIDとパスワードが求められます。それが済むとようやくスマホが動き始めます。 「Rakuten UN-LIMIT」サービスは楽天回線エリアとauの回線を借りるパートナー回線エリアのふたつのサービスエリアによってほぼ全国展開しています。楽天回線エリアでは使用するデータ量に制限はありませんが、パートナー回線では5GB/月で最高速度でのサービ スは終了し、その後は1Mbps の低速で利用が可能になる方式です。 後述しますが、最高速度は50Mbpsとなることもありましたから、低速サービスではいきな り1/50の速度に戸惑うかもしれません。

1Mbpsの速度は、低画質の動画視聴がギリギリ行えるか、エラーになるかくらい の通信速度です。それでも音声は通りますから月末の基準日まで我慢すれば翌月からは、 また高速回線に戻ります。 都市部でもまだ楽天回線の基地局の整備が追い付いていないところでは、パートナー回線に接続されてしまいますから、この制約を受けることになります。 随時、基地局の設置状況が公開されますから、それらを気にしておくと良いでしょう。 地図の赤く濃い地域が楽天自前の回線エリアです。色が薄いところはパートナーの間借り 回線と言うことになります。
 
▲サービスエリアを示すマップ
 
世界最小のスマートフォン

Rakuten Miniと常用しているHUAWAI P30 Liteを並べて見ました。小さな画面ですから文字入力には不向きですが、TV(NHK+)やradikoでラジオ放送を受信する分には十分 です。使い方次第で便利なツールになります。例えばWiFi デザリングでRakuten Miniを モバイルルーター代わりに使用したりすれば、モバイル通信機能の無いノートパソコンや タブレットPCの力強いパートナーになります。
 
▲Rakuten Mini(左)とHUAWAI P30 Lite(右)
 

32GBの記憶容量を上手く使うと、音楽データを登録して楽しむのも良いでしょう。 その場合は有線イヤフォンなら付属の3.5mmイヤホン変換アダプターで接続できます。 量販店でSONYのウォークマンと比べてみましたが、遜色ないコンパクトさです。 私は音楽データ再生アプリとして「POWERAMP」を愛用していますが、不自由なく音楽を 楽しむことが出来ます。ハイレゾ音源には対応していないようですが、通勤電車の中での リスニングでは、MP3音楽データファイルで十分です。

 
▲Rakuten Minの動作状況
 

さらに本格的に使用するには、モバイルバッテリーを組み合わせたり、Bluetoothのヘッドセ ットを用意すると、本格的な運用が可能になります。

 
▲専用機と見間違うような画面デザイン「POWERAMP」ア プリ 
 
上がダイソーで購入した300円のモバイルバッテリ―。右はノイズキャンセリング機能の付 いたBluetoothのヘッドセットRakuten miniがUSB-CでヘッドセットがB型なのでその両方に対応した充電ケーブルを用意しました。 
 
話をRakuten Miniのカスタマイズに戻します。
 
初期化が終了したら、ホーム画面は左のデザインになります。これはこれで可愛いのですが「端末のテーマ」でダークモードを選ぶと右のように背景が黒に変わり締った印象を与えます。この画面での操作は上下にスライドしてアイコンを見つけるタイプです。 私はこのホーム画面になじめなかったのでPlayからNOVAと言うホーム画面管理アプリを インストールして、馴染んだデザインに変更して使用しています。
 
 
NOVAランチャーアプリもライト/ダークのモードを選ぶことが出来ます。 まだ、使い始めて日が浅い状況ですが、一日のデータ使用量を測ってきました。 朝夕の通勤時間にNHK+でTVを視聴したり、RADIKOで東京FMを聞いたりして楽しんでいます。片道約1時間なので2時間の仕様で約200MBです。この使い方なら1カ月で 5GB行かない使用量です。 同じくらいの通勤時間を動画サイトでドラマを見ていると30GB位の契約じゃないと月末には利用残高が無くなってしまうという話も聞きました。パートナー回線しか利用できな いと、制限に引っかかりそうです。いずれそのお話も追加したいと思います。 二日目のデータ使用量をキャプチャしました。457MB試用したことが分かります。
 
▲データ利用量
 
データ使用量
 
▲モバイルデータ使用
 
地下鉄の車内でNHKニュースの視聴
 
地下鉄の車内でNHKニュースを見ているところです。放送の電波を受信するわけではないので、携帯電話がつながる所ならどこでも視聴できるところが利点です。 NHK+は個人の受信契約者に無料で提供されるサービスですが、契約者以外が視聴する場 合は、BS放送と同じように、NHKからのメッセージが表示されます。
 
▲ID、パスワードでログイン前の画面
 
▲正しくログインできると右の画面のようにメッ セージが消えます
 
▲アクセスポイントとして使えるデ ザリング機能
 
Rakuten miniの優れた機能のひとつにインターネットのアクセスポイントとして使えるデ ザリング機能があります。USBケーブルでパソコンに接続すると「ファイル転送 」、「USBデザリング」など隠れている動作モードの選択画面が呼び出せます。
 
▲メディアの使用領域
 
既に配布が終了していますが、SONYが提供していたMediaGoというPC用ソフトを使用すると手持ちのCDをRakuten miniに保存することが出来ます。 文字入力は苦労します。
 
▲文字入力画面
 
文字入力は携帯電話(ガラケー)時代に戻った感じのパネルで文字入力を行います。画面 はJ 一文字を選択して候補が表示されたところ。このように候補が出てくるので使いこな せば何とかなります。職設定はこのようなキーボードで行いましたので、間違いもありま したし、時間もずいぶんかかりました。いちど設定してしまうとそれほど頻繁に行う作業 ではありませんから、それでも良いのでしょうが、メールを打つ場合は苦労します。 Googleで住所録(連絡先)を管理していると、そのままRakuten miniでも使用することが 出来ます。電話を掛ける場合も、メールを出す場合も、1文字目を選ぶと候補がでます。
 
光ケーブル100Mbps回線と同品質
 
BNRスピード回線テストサイトで楽天モバイル回線に接続している時の回線速度と、オフィスの光ケーブル100Mbps+WiFi ルーターの回線の比較テストを行いました。 結果はご覧の通り。
 
▲楽天モバイル回線と、光ケーブル(100MB)のアクセスポイント別の通信速度を測定して 見ましたら、「Rakuten UN-LIMIT」の実力を知ることが出来ました。
 
高い性能を示しています。個人使用では圧倒的に情報を引き出す「ダウンロード」に重き が置かれます。アップロードは写真の交換などに使われますが、このアンバランスな状況でも不自由は無いと思われます。 そのため、Rakuten miniをモバイルリーター代わりに使用しようという猛者も現れました 。
 
1年後の更新は
 
楽天モバイルとしては、このようなサービスを数多くの人に利用していただき、評価いただいて永年の利用を望むものです。鬼が笑うという1年先のことは分かりませんが 、RakutenLINKでおしゃべり仲間が多くなればなるほど、解約した時の連絡が煩雑になり ますから、そのまま使ってくれるユーザーもいるでしょう。

回線品質が保たれたら他社よ りリーズナブルな料金と感じるかもしれません。このキャンペーンの真価が問われるのは 、来年7月の回線契約数で答えが出ることでしょう。 なお、現在Rakuten miniで採用しているSIMチップを使わないeSIM方式はIIJ-mio のサービ スがあります。月額150円で1GBの通信料が300円です。300万人の囲い込み、攻勢が 2021年夏に始まります。
 
 
QTC-JAPAN.COM 2020.06.08
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