初夢(はつゆめ)とは、新年のある夜に見る夢。
元日(1月1日)から2日の夜、または、2日から3日の夜に見る夢とされる。
 
     
 

記憶の彼方に「宇宙タヌキよ 奇想天外な初夢を語れ」とかメーリングリストにリクエストがあったことを思 い出して、そろそろ面白い話でも載っているかとQTC-Japanを覗いてみたがNONE。

「何をサボってんだこの宇宙タヌキ野郎め」と癇癪を立てて・・・暫時経過・・・。??待てよこれ誰のこと? ワッ他人事ではないんだ。まずい、死んだふりしてしまえ。  

さて、そろそろ初七日、じゃなくて七夕じゃなくて、七草粥となれば皆さん忘れてしまってい るだろうとタヌキ寝入りから起き出して来た次第。 地球で最高の知的生物と豪語する人間様によれば夢を見るのは高等動物に限られているとのこ と。

「ミミズだってオケラだってアメンボだって」と歌われていてもミミズが夢を見たって話は 聞かない。でもポチ君やタマちゃんが眠っているときピクッとするのは夢をみているのかも。と するとタヌキは夢を見るのかなあ。だが、ここの宇宙タヌキは死んだふりしているだけで寝ては いないんだから夢は見ないんだとこじつけてしまえ。う〜ん、上手くだませた。  

とは言うものの一生GUQ氏に言われっ放しでは心残り。少し書くか。



1. このMLに居着いているのは苔むしたかカビが生えたOM御仁ばかりだから、タヌキ年齢換算でもきっと20歳以上だろう。そうであれば名作・大作アニメ「平成たぬき合戦・ポンポコ」 をご存知の筈。

太古からこの列島に平和に住み着いていた多くのタヌキが、近世やたらと増殖し てしまった人間のエゴで住処を追われることとなった。そこで多摩・武蔵野界隈のタヌキが四国 の豪族などと協力して妖術・幻術を駆使して、人間繁殖場の典型である多摩ニュータウンの造成 に立ち向かうが、理あれど利無く遂に敗れ去る。

しかし、しぶといタヌキは作戦を変更して人間に化けて人間社会に潜り込んでしまう。「人間さ んよ貴方の回りの誰かはタヌキだよ」と言うストーリー。かく言う宇宙タヌキも何を隠そうその 端くれなのである。中には先祖伝来の姿を捨てずに、住宅地に隠れ住んだりお江戸の歓楽街の山手線の側溝で食事に困ることなく子孫を育ててTVに登場している一族もいる。



2. さて、年も改まり、おせち料理を喰い飽きた宇宙タヌキは昔からやっている西洋羽根突き(オ グシオやスエマエのヒロイン登場でやや認知度が増したスポーツ)の初打ちに体育館に行くこと にした。ウマは8代目タヌキウマのベルタちゃん。暮れに嫁入りして来たばかりの小柄な色白の 美人である(ベルタはイタリー語で佳人・麗人)。1

13年付き合ってくれた先代タヌキウマのマ ークUは6気筒2.5Lエンジンを積んで5秒もかからずに時速100kmになってしまう駿馬 だったが、暮れに迫った車検でタイヤの入替えを余儀なくされ、税金虐めの対象にもされ、更に 最近のウマ用に狭くなった駐車ゾーンにも負けて泣く泣く別れたのである。



3. ベルタ嬢のナンバーは「73−88」。呆けて自宅の電話番号や自分のウマのIDが咄嗟に出な くなったタヌキでも、これなら暫くOKの筈。何しろ未だ100kmも走っていないウマで怖ず 怖ずと北野街道に出て走っていると、えっ後ろに赤色ランプ点滅のクルマが。いつの間に出現し たんだ?

 パトカーの先導は気持が良いが後ろに着かれると尻尾がムズムズ。おまけにこのベル タは座席にヒーターが入っていて尻が温かいのである。何とも落ちつかない。  

と「73−88のクルマ、もっと早く走りなさい」との声。だってこの道、リミット40kmだよ、いま丁度40kmだよとそのまま走り続けると、 「もっと加速してください」 との呼びか け。追い越して行って欲しいのだが片側1車線の道で譲る訳にも行かず、ままよとアクセルを踏 み込む。60→80→とメーターが上がって行く。電柱がビュンビュンと耳元をかすめて行く。 しかしこんな狭い道でと思うが不思議とウマはまともに走っている。



4. 突然「オートナビゲーションモードに入りました」 とカーナビのお姉さんの声。 「何それ」 と聞く暇もなく必死にハンドルにしがみついていると「ハンドルをゆっくり引いてください」の 声。「そんな機能は無いじゃないか」と思いつつもハンドルを引いてみると、スッと静かになって目の前に何も見えなくなった。吃驚していると突然目の前に大きな電柱が。よく見るとスカイ ツリーではないか。我が家から36km 東で、高くなったので暮れに望遠で写真を撮ったばかり だ。

だが待てよ体育館に向かって西に走り出したウマがなぜ東のスカイツリーに向かってんだ? でもオートナビですっ飛んでいるのには逆らえない。  右下後方にツリーが消えて行ってから視界はどんどん開けて、そのうち地平線も床下に隠れて、 バックミラーだけに地球が映るようになり、目の前は黒い空になって来た。
ハンドルを回そうがア クセルやブレーキペダルを踏もうが全く反応が無く、もう勝手にしてくれとふてくされるしかな くなったタヌキである。ままよと暫くタヌキ寝入りモードに入る。



5. しばらくして目を開けると彼方に異様な物体が。物干し竿に沢山おしめがぶら下がっているような 感じの物が空間に漂っている。ナビが 「有人宇宙ステーション「きぼう」です」 とアナウンス。 近づいて確認。高圧線鉄塔の様な骨組みにぶら下がっている缶詰状のものの中に人間様が住んで いるのだろうが勿論外からは見えない。まあ同じ地球生物としてご無事を祈って通り過ぎた。  

時々変な格好をした物と出会う。同じ向きなら暫く見えるが横向きやたまにすれ違う物は全く 見えない。大きな物だと通り過ぎてからわかることもあるが、どうも衛星やロケットのどん殻な どらしい。ぶつかったら即御陀仏だと思っていたら、ナビが「デブリレーダーで周囲を監視して 衝突を避けていますから御安心下さい。」と言った。本当かな、米粒くらいでもこんなウマには 致命的だぜ。



6. さらにどのくらい経ったのか 「お待ち遠様でした。
きく」の近くでございます。」 の声。
直ぐ横に懐かしい直径80cmの球状26面体の人工衛星が居るではないか。宇宙タヌキが人間 の格好をした現役でいたとき設計した宇宙開発事業団の最初の人工衛星ETS-Iである。
1975年9月9日に打ち上げられ8年間いろいろな役目を果たして、高度1000kmの円軌道に まだ飛んでいる。外見的には極めて健康そうに見える。思わず窓を開けて触ろうとしたが非情に も窓はロックされたままで開かない。  

急に周囲が真っ暗になった。地球の陰に入ってしまったのだ。途端に寒気がして来た。何も見 えない30分ばかりが終わったとき「きく」は居なくなっていた。周囲を見回すと全天に星が輝 いている。カーナビのLCDにも大小沢山の天体が見えているが何処にいるのかさっぱり判らない。こうなると月に行きたくなった。



7. 突然、大きなお盆が覆い被さって来た。ベル状のUFOだ、大きいが直径は数10mくらい だろう。胴体にベルト状に配置された窓がひとつ開いて、タヌキウマは吸い込まれてしまった。 だがベルタから出して貰えず、暫くすると今度は一回りも二回りも大きい飛行船の様なUFOが 出現してベル型UFOは取り込まれてしまった。  

暫く記憶が途切れて、大広間にタヌキは居た。地球の大企業の応接室に案外感じが似ている が周辺がぼやけてふわふわ揺らいでいてどこが壁なのかわからない。そこに地球人間もどきの格 好をした宇宙人が数名現れた。結構肥っている。 「あっ」と思わず声を上げた。正面の一番偉そ うなのがFUY氏にそっくり、その横に居るのがGUQ氏に生き写しである。  

後ろで 「地球人を連れて参りました」 と声が聞こえた。FUYもどき氏が「ご苦労」と答え、 タヌキに向かって「いらっしゃい」 と声を掛けて来た。?????思わず「コンニチワ」と答え るタヌキ。どうしてFUY、GUQがここに? どうして日本語が通じるの?



8. FUYもどき氏が「私たちには決まった形がありませんので相手に合わせて姿を変えます。 情報交換手段も自由に選びます。ですから気にせずくつろいで下さい。」と話し始めた。

「我々 は宇宙のすべてに関心を持っていますがとりわけ地球は面白いし危険な遊びをするので気にも なっています。」
「ゲームを始めたと思っていたら本気で殺し合うでしょう。何が目的なんですかね。」

「いま地球は人間が一番繁殖していますね。でもその前は恐竜の時代があった。その前に猿が栄えていた時代があった。誰かの残存DNAが解読されて「猿の惑星」と言う映画ができましたね。あれはだいたい合っています。」  「その前は・・・・」と続く。  

「でも間もなく人間の時代は終わりますよ。」

「地球は氷河時代に入りつつあります。地球人 は地球の寒冷化に備えなければならない。ところが変な文明を創り出したためにCO2の布団 を被ってしまったので地層の温度だけが上昇している。そこで慌ててCO2を減らすことに躍 起になっていますが逆ですよ。」

「太陽の活動が衰えて来ているのはアマチュア無線家が一番わかっているんじゃないですか。」

「生き残るのはまたしても地中か深海中に少しのエネルギーで 住める小型生物でしょうね。」

「今居る生物ではゴキブリ。うまくすればネズミ。」  「ところで貴方はホモサピエンスではないでしょう。DNAを調べさせて貰いましたがタヌキに 似ていますね。」 そこで後ろから声「そうなんです。 何かヒトと違うので。でもクルマに乗って いるので変種のヒトかと思って連れてきたんです。」 ばれたか、

そこで現代タヌキ論を一席。「あーなるほど。良く化けたタヌキですね。タヌキも 進化するんですね。」とのこと。そこで次の時代のタヌキの生存確率を訊いたところ、 「今のま までは弱いですね。でもヒトに比べれば強い。もともと犬属は寒暖に強いし雑食性だし、穴も掘 れるし、ヒトが死に絶えてもタヌキは残るでしょうね。」 との予言。
 


9. だいぶ経ってタヌキが家に帰りたいと言ったところ、
「はい、人間は生き物を閉じこめたり、 殺して標本を作ったりするそうですが、我々は必要時に自由にピックアップできますし、新種 のタヌキのデータはしっかり採取させて貰いましたので、居住地まで送ります。」

とのこと。GUQもどき氏が「ところで地球では最近木星の近くの小惑星の塵を持ち帰れたとヒーロー が生まれたそうですね。」とのこと。

「そうなんですよ。「はやぶさ」と言うミッションで・・・。」  と説明。回りの何人かが「バカミタイ」と笑い転げ、親分にたしなめられる一幕も。  

そこでGUQもどき氏が「ゴミがそんなに珍重されるなら。」と宇宙ゴミを箱に詰めてくれた。  「あの、それ帰って開けたら白い煙なんて出ないでしょうね。」
「あはは、ここに乙姫様いなか ったでしょ。そちらにベルタちゃんが居るから大丈夫。」。



10. またベル状UFOで送られ、途中で放出されて、ナビが「ゆっくりお休みください」と言うの で逆らわずにタヌキ寝入りして居るうちに「目的地の周辺です、運転お疲れさまでした。」の声。 タヌキの洞穴の前に来ていました。
 

さて、玉手箱の中身を然るべき方々にお見せしたのですが、どなたも信じてくれません。もっとも タヌキは南極越冬隊の方から頂いた南極の石を持っていますが、他人は信じてくれないようです。 で、宇宙ゴミは、結局いつの間にかメスタヌキがゴミ収集日に出してしまってお終いに(もっともこれは未来形)。  
お粗末様でした。ドロン
 
     
 
 
日本の宇宙開発の草分け的な存在で、 NECに於いて東大宇宙研、
宇宙開発事業団等の初期の国産衛星の開発に大きく貢献された。
技術士(航空・宇宙)、元JARL技術研究所長
 
QTC-JAPAN.COM 2011.01.15
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