JUNK EXPRESS
 
 3台のJUNKノートパソコンから
      2台の再生に成功したお話し
 
 
 
 by Takashi Hioki JF1GUQ/KA8J
 
   
 

ハムフェアの帰り道、ふと立ち寄ったハードオフ(中古ショップ)で外見がきれいな富士通ノートパソコン FMV BIBLO NF/G40を見かけ、つい手を出してしまったのが、この話の発端です。もう、パソコンは増やすまいと思っていたのもつかの間、ハムフェアで無駄遣いしなかったお小遣いがポケットに入っているのと、JUNK好きの血が騒ぎました。

富士通のFMV BIBLO

値札には、「画面が映りません」と書かれ、8,640円と表示されていました。ほとんど使用感の無い美しい筐体で、キーボードも汚れていません。持ち帰って通電してみると、HDDのLEDは起動しているような挙動を示しますが、なるほど、本当に画面はなにも表示されません。

ネットで調べてみると、このモデルはAMDのCPUが使われていて、そのGPU(グラフィックチップ)の発熱が大きくて、そのためハンダの熱収縮により接続不良になることが多いようです。その修理方法として、ヒートガンでグラフィックチップ周りを再加熱し、ハンダが溶けるまで温め、接触不良を解消する方法が紹介されていました。 リフローと呼ばれるその方法を試すために、次の道具を買い揃えました。

 
     
 

 

 
ピンポイントの温度が測れる温度計(左)、上の大きなガンがヒートガン
 
左の小さなガン型測定器は赤外線でピンポイントの温度が測れる温度計です。220度で10秒〜20秒加熱するのがコツだと書いてありましたので、温度をある程度把握する必要があり、入手しました。 上の大きなガンがヒートガンで、これで加熱します。強力なヘヤードライヤーだと思ってください。

通常のヘヤ―ドライヤーではハンダを溶かすまで加熱することはできないようです。 シリコングリスは組み立て時に再塗布するため、フラックスはハンダのノリが良くなるように.......。 さて、いよいよ実験するというところで、これで直してもまた動作不良になるという書き込みを発見。すでにマザーボードを取り外し、作業の手順を確認していた時のことでした。
ノートパソコンの内部
その書き込みは、FMV BIBLO NF/G40は上位モデルにi5を搭載したFMV AH550/5Aがあり、そのマザーボードとサイズ・取り付け方法がピッタリなので、丸ごと交換できるというものでした。両モデルの仕様を簡単のまとめると次のようになります。
両モデルの仕様
FMV NFG40
FMV AH550/5A
CPU
AMD Athlon II M320
Core i5 450M
クロック
2.1GHz
2.4GHz
メモリ
DDR2 PC2-6400
DDR3 PC3-8500
最大解像度
1366x768
1366x768
 
AMD Athlon II M320よりCore i5 450Mは魅力的ですが、どうすれば都合よく壊れているFMV AH550/5Aが手に入るのか、まずは定番のYAHOOオークションを覗いてみることにしました。本体のみで電源アダプタもありませんが、案外簡単にJUNKのAH550/5Aが見つかりました。不具合個所で条件を悪くしているのは次の点です。 ストレージのマウンタ・ビス共に欠品、外部ビス欠品、本体左手前角に浮きがあり、液晶ヒンジが破損等々。

落下などの事故により筐体がひずみ、液晶パネルの取り付け金具(ヒンジ)が損傷したので修理しようと分解を試みたが、再生を断念し放出したと推測します。私はマザーボードが動けば、それで良いので、このオークションに参加して、1万円強で落札しました。二つのマザーボードを比較してみると、レイアウトは少し異なっていますが、取り付け穴の位置などは全く同じ。早速交換して、ありあわせの部品と合わせて1台目の再生に成功しました。
 
2台のマザーボード
 
AH550/5Aのファンが汚れていましたので、NF/G40のものと交換。仮組状態で動作が確認できましたので、この際メモリはおごって8GBとし、SSDで高速起動を目指してWindows 10 Pro ノートパソコンに蘇らせることにしました。 さらに、Blu-Rayドライブに交換。無線LANも5GHzタイプに……….。そこまでやるなら、もう少しまともなPCが買えたんじゃないかという心の声は無視して、ひとり悦に入っていました。
 
SSDで高速起動を目指してWindows 10 Pro ノートパソコンに蘇らせる
 
残った部品は液晶パネル、キーボード、DVDドライブ等々。またまた悪い虫が動き、それが活用できるJUNKを見つけようと、再びヤフオクに。 また見つけちゃいました。 液晶パネルが壊れ、キートップがぐちゃぐちゃになっているAH550/5AのJUNK。DVDドライブはケースがひずんだため、トレイが開かなくなり、外装の傷も多いようです。やはり1万円強で落札し、電源を投入してみると、オークションの説明に合った不具合はそのまま、起動してくれました。その写真が次の1枚です。
 
 
キートップのところを拡大すると、さらに良くわかると思います。
 
 
手元には先に交換した残りの部品として液晶パネルは無事ですし、キーボードもきれいなものがあります。DVDドライブも、……。再生できる確証を持ちました。 ここで面白いことを発見。NF/G40のキートップは艶消しタイプでしたが、AH550/5Aは光沢タイプが採用されています。内部の配線は同じでしたから、単にキートップの材質が変更されただけかもしれません。細かいところで差別化されているんですね。
 
 
分解してみると、1台目のAH550/5Aより内部が汚れていましたので、エアーダスターで丹念に埃を取り除きました。
 
 
こうして2台目を組み上げたのが、次の写真です。
 
 
 
ハードディスクはリカバリーされていたので、出荷された時と同じ状態(Windows7Pro)になっていました。 この話には後日談がありまして、本Webの主宰者、JA1FUY川合さんにいきさつを話したところ「そんなにPC集めてどうするの?」と核心に迫る一言をいただき、参っていましたら、なんとこれを引き受けてくださる(買っていただく)方が現れ、しかも、今まで掛った費用を支払っていただけることに話がまとまりました。

まるで「わらしべ長者」です。私は手元に1台PCが残り、譲った方は市価より安くi5のノートパソコンが手に入るというWin-Winの関係が成り立ちました。せっかくなので新品のHDDに交換し、Windows 10 Proに入れ替えて納品しました。 そのお譲りしたAH550/5AはアイコムIPリモートコントロールソフトウェアRS-BA1をインストールされ、IC-7600を遠隔操作するクライアントPCとして活躍しているそうです。 de JF1GUQ
 
 

QTC-JAPAN.COM 2016.10.24
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