SSTV/PSK31のインターフェース回路
グランドライン・ループを断つ
 
SSTVやPSK31(RTTYほか)を運用する場合は、コンピュータで画像(符号)処理を行う方法が広く用いられています。 処理すべき信号はトランシーバの(受信部の)外部スピーカ端子からコンピュータのサウンドカード(LIN-INまたはMIC-IN)に接続し、送信する信号はコンピュータで作成した後、同じくサウンドカードのSP-OUT(スピーカ出力)等の端子から出力されます。

簡単にはトランシーバのマイク端子、スピーカ端子とコンピュータのサウンドカードを上記のように接続すれば運用することが可能ですが、一般的にPTT回路やレベル調整、回り込み対策を付加したインターフェース回路をトランシーバとコンピュータの間に設けます。 いろいろなインターフェース回路が発表されていますが、本WebでもPSK31の推奨回路を掲載していますので、参考になさってください。 ここでは様々なインターフェース回路が持つ、基本的な要件の中で、グランドラインのループを断つ技術を考えてみました。
 
■グランドループが回り込みの主原因

いくつかの実験で、トランシーバとコンピュータのアースラインの処理が悪いと、送信時に回り込みが起きることが分かりました。WinPixPROの作者、K0HEOドンさんがマニュアルの中で示した回路も、PTTはそのままグランドを使用しますが、マイク回路には小型のトランスを挿入して、別回路のグランドラインを設けています。

フォトカプラやリレーによる完全なグランドループの遮断が一番効果的ですが、そのような方法を取らないでも良いトランシーバがあります。 Fig1は通常のトランシーバのマイク端子(データ端子)の部分です。受信された信号はアンプされ、外部スピーカ端子から出力されます。 マイク回路はPTTのグランドと共通になっていて、PTTの端子をGNDにショートすると送信、オープンで受信になります。

Fig2も同様の回路ですが,ひとつ違うのはマイクアンプのアースが独立しているという点です。前述のK0HEOドンさんの回路がFig2のトランシーバで使用される場合は、マイク回路とコンピュータのアース回路が切り離されて働きますので、アースループが形成されません。 ところが、Fig1の場合は、アースループが出来てしまい、対策に苦労することがあります。ここで申し上げたいのは、アースループによる回り込みには強いトランシーバとそうでない物があるということです。  

アースループが簡単に切り離せるタイプとしてはケンウッドのACC2端子を使用した例があります。ご自身のトランシーバがFig1タイプなのか、Fig2タイプなのかは取扱説明書をご覧いただき、マイクアース(MIC-GND)端子とPTTをショートして、送信したらFig1系、送信しなければFig2系と思ってください。
Fig1
Fig2
 
■インターフェースの要点
対策が簡単なのでFig2系からインターフェースの要点を述べます。PTTは直流が流れないとRLがオンになりませんから、PTTとGNDは直接インターフェースに接続してください。SP出力と、マイク入力は芯線、アース側ともに無極性のコンデンサ(16V10μFくらい)をそれぞれ介して、接続します。コンデンサの個数は4個必要です。 別の方法として、小型のトランスを挿入して、1次側、2次側としてそれぞれ切り離すこともできます。高周波の飛込みによる回りこみ対策のためには、端子の近くで0.01μF(16V:セラミック)でパスコンを作っておくと良いでしょう。

さて、厄介なのはFig1のタイプの対策です。SP出力とマイク入力はFig2で行った方法をそのまま使用できますが、ここではPTT回路に工夫しないと、完全にアースを浮かしてしまってはPTTが動作しませんし、かといってPTTのアースラインをつなぐと、アースループが出来て回り込むという厄介な回路なのです。フォトカプラでアイソレーションを取りたいところですが、使用するフォトカプラによってはPTTが駆動できなかったりしますので、別電源を用意してリレーによるアースループ遮断を考えてみました。  

Fig3のように、別電源から新しいRL(リレー)を駆動し、そのコールド側を新しくPPT端子とし、別電源の−(マイナス)を新しくPTTのGNDに用意することで、トランシーバとコンピュータは電気的にはつながった状態を保ちながら、直流的にはアイソレーションを持って接続されました。
Fig3
こうすることでアースループによる回り込みは阻止できます。同種の障害でお困りの方はお試しください。  一部の回路でSP出力のグランドに無極性のコンデンサを挿入し、コールドエンドをアースに落としていますが、ご覧のとおり、無極性コンデンサはトランシーバ内の回路によりショートしていると考えられます。 Fig2タイプのトランシーバを使用している方の中に、せっかく切り離されているMIC回路のグランドを、接続時にショートしていることがありますが、本稿がそのような方々のトラブル改善にお役に立てば幸いです 。
QST 2000年9月号 p.68 HINTS & KINKS AD6KI's DOX インターフェースの回路
 
写真と文:JF1GUQ 日置 隆詞

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