ハムフェア2006"電気の散歩道"で好評を博した!
 

 Haruhiko Oguri  JA1JJV

 
     
 

昨年からハムフェアで、数年休んでいた「電気の散歩道」が復活し、以前、菅OM(JA1CO)のお手伝いをした私にお声掛けがありました。 昨年は、菅OMがやっておられたことを思い出しながら、展示、説明をするのが精一杯でした。

今年は、これに何か新しい展示品を追加したいと考え、本棚を見ていると、10年ほど前に購入した後藤尚久著「図説・アンテナ」と言う本が目に留まりました。ページをめくっているとパッチ・アンテナに関する項があり、これがうまく作れないかと挑戦してみることにしました。

構 成  
パッチ・アンテナは電波を放射する放射板とこれに対応する地板とから構成されます。 電波の強さは、導体に流れる高周波電流の強さに比例します。「電気の散歩道」でも共振の実験をしていますが、導体の長さが、1/2波長の時、定在波が乗り共振状態になります。この共振状態にすることにより、最大電流を流すことができます。

放射板はこの原理を応用し、使用する電波の波長に辺の長さを合わせ、効率よく電波を放射するようにします。 地板は理論的には無限大にしたいのですが、それは無理なことで、今回の試作では手持ちの材料から長一辺が1/2波長弱のアルミ板を使いました。

実際に作ってみました 
「電気の散歩道」では435MHz帯でアンテナの実験をしているので、このバンドでアンテナを作りました。  ハムフェアまで1週間ほどしかないので、放射板、地板はジャンク箱にあったアルミ板で大きいのを使うことにしました。


材 料
アルミ板
23.5cm×30cm
1枚 (地板用)
20cm×20cm
1枚 (放射板用) コネクタ
BNC−R
-
1個
スペーサ
6mmφ×20cm
4本
ビス
M3×8mm
7本 (給電部は半田付け)

ハムフェア2006 「電気の散歩道」でパッチ・アンテナを説明する小栗さん(JA1JJV)

 
     
 
最初に作った寸法 (スペーサの長さは2cm)
 
 
上記の寸法でハンディー機に接続してみると、「電気の散歩道」で使っている簡易型の電界計が触れ、アンテナを90度回転させた時の偏波面の差もはっきり出ました。時間もなかったので、ハムフェアでは、これ以上いじらず、展示しておきました。(本ホームページの『フォトストーリー 「ハムフェア2006ハイライト」』の真ん中ぐらいの写真をご覧ください。) ハムフェアが閉幕した後、それなりにデータを取ってみたところ、なんとVSWRが 3 以上もありましたので、これがどこまで落ちるか調整することにしました。
 
調 整
まず、地板と放射板との間隔が有効と考え、スペーサの長さを変えてみました。ナット 2枚の厚さから 6cmまで 3〜5mm間隔でチェックしましたが、4.5cmの時が一番よくなり、2.5まで下がりました。

しかし、これは期待はずれでした。 何気なく、放射板に手が触れたとき、急激にVSWRが下がったので、ためしに放射板のホット側の地板に15cm×10cmほどのアルミ板をクリップでとめてみました。

するとみごとにVSWRが 1.1 以下に落ちるではありませんか。試しに、コールド側ではVSWRの変化はほとんどありませんでした。 そこで地板の穴あけを下図のように変更し、データを取った結果を示します。


←今回試作したパッチアンテナ
 
変更後の地板 (点線は放射板)
データ  水平面指向特性
垂直偏波として使用したときの「水平面指向特性」 (角度対減衰量dB)
 
データ 周波数 対 VSWR
 
1/2波長ダイポールとの比 
+3.5dB 記事 VSWRは各周波数ともパワー計の針がわずか触れるだけで、周波数による変化がなないため、 これで良いのかなと思っています。

パワー計
RW-215A
KURANISHI
トランシーバー
C500
STANDARD
電界計
右の回路
自 作

自作電界計の回路

 
試作パッチアンテナ(測定中) 1/2波長 ダイポールアンテナ(測定中)
 
このアンテナで435MHz帯を実際にワッチしてみるとモービル同士の交信がよく受信できます。そして実際に交信してみても、1/2波長のダイポールと遜色ない交信ができましたので、パッチ・アンテナの動作を実証することができました。皆さんの追試に期待します。 (おわり)   
de JA1JJV 小栗晴彦
 
編注]パッチアンテナとは誘電体基盤の上に金属板を置き、もう一方の面をグランド板(金属板)とした、平面アンテナのことである。平面アンテナは線状アンテナに比べ面積が必要になるが,低姿勢にできる利点がある。
 

QTC-JAPAN.COM 2006.10.28
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