by Kuniaki Okada, JA1CVF
 
     
  「鉱石ラジオ」を知っていますか

電池が要らなくて放送局から出た電波のエネルギーだけで鳴るラジオです。 当然のことながら増幅回路がありませんから感度も悪く大きな音もでません。 100円ショップでスーパー式ポケットラジオが買える時代です。いまさら鉱石ラジオなんて と思われるかもしれませんが、鉱石ラジオはやはりラジオの原点です。 無線が使われるようになると電信は技術者の間では便利な通信手段になりましたが、その無線を一般大衆の物にしたのが鉱石ラジオなのです。

鉱石ラジオを作る遊びは


ちょっとノスタルジックな感傷に浸れる部分もありますし、原始的な回路のだけに工夫がすぐ結果になって戻ってくる楽しみがあります。 今私はスピーカががんがん鳴る鉱石ラジオの設計を考えています。できるかどうかはわかりませんが、鉱石ラジオでスピーカが鳴るなんて信じられないでしょうが、筆者の住んでいる東京・中野区では7MHz用のダイポールアンテナをつないで、BGM用として充分な音量で机の上でスピーカが鳴っています。


 
 
     
 
■ 鉱石ラジオの形にこだわり
ミズホ通信 鉱石ラジオTRX-1の外観
性能にこだわる、素材にこだわって作るのは、今が最後のチャンスかもしれません。 アマチュアなら製作はお手のもののはず、簡単に作って楽しめるでしょう。

急がないと鉱石ラジオの面白さを体験できなくなります。 AM放送のデジタル化やゲルマニュウムダイオードの生産中止など悪いニュースが飛び交っていて鉱石ラジオが無くなりそうな気配が濃厚となってきました。ゲルマニュウムダイオードが無くても代用品で何とかなりますが、デジタル放送になったらお終いです。

今すぐに部品を集めましょう。まったく初めての方はキットで組み立てるのが無難です。部品を集めて全部ご自分で作ってみても難しくありません。 指定の部品が無くても類似品で応用してみるのも楽しいものです。 標準回路としてミズホ通信の鉱石ラジオTRX−1を示しましたが、残念なことにこのキットは製造中止になってしまいました。 この回路を参考にあなたなりの工夫を加えて独創的な鉱石ラジオを作っていただきたいのです。 同じように作ってみても良いでしょうし、入手しやすい部品に置き換えるのも楽しいでしょう。
 
■ アンテナとアース
アンテナとアースが無くては聞こえません。アンテナはできるだけ大きなものを用意してください。アマチュア用の各種アンテナの流用もできます。その場合、同軸ケーブルの片側だけあるいは両側をまとめてアンテナ端子に接続します。 つなぎ方を変えてよく聞こえるようにしましょう。 木造家屋なら"電灯線アンテナ"の方法もあります。

これはアンテナ線を100pF程度のコンデンサを通してACコンセントの片側(よく聞こえるほう)に接続します。これに使うコンデンサは耐圧が250Vくらいの規格を使用します。最近は50Vくらいの耐圧しかないものがほとんどですから注意してください。コンデンサがないと感電します。 アースも必要です。窓枠なども利用できます。
 
■ コイル
試作した鉱石ラジオ
(検波器は探り式鉱石検波器)
スパイダー(くもの巣)コイルの巻き枠は入手が難しいでしょう。並4コイルやバーアンテナなどはかろうじて入手できます。しかし、入手できたとしてもプレミアム付で高価なのが難点です。 プラスティックの筒に巻いて作ったほうが楽しいでしょう。

自分で作るときは大きめ(60〜100mmくらい)に作ったほうが作りやす上に感度もよくなります。巻数は60mmで80回程度。必ず多めに巻いてください。(アンテナなどの影響で共振周波数は大きく狂います。)

作るのが面倒ならマイクロインダクタ(330μH程度)でも使えますが感度は悪くなります。 コイルは最重要部品です。アンテナや出力側のタップは感度や混信除去に想像以上の効果があります。2台目からは自作をお勧めします。

■ バリコン 
ポリバリコンなら入手可能です。元気のいい人はバリコンも作ってみませんか?バリコンを固定コンデンサに置き換えてコイルのタップを切り替え受信する方法もあります。

■検波器
  鉱石ラジオと言うからには鉱石検波器が本来の姿でしょうが、ゲルマニウムダイオードをお勧めします。感度に大きく影響します。 もちろん鉱石検波器だって作ることができますよ。方鉛鉱や黄鉄鉱は高いものではないし、その気になれば入手も難しくありません。インターネットで探せば簡単です。
 
■イヤホン 
クリスタルイヤホンが標準的です。昔ながらのマグネティックヘッドホンよりはクリスタルイヤホンが感度もよく軽くて具合がよいでしょう。個人的な好みなのですが、私は耳になじむ小型マグネティックイヤホンをお勧めしています。インピーダンス整合用のトランスが必要になりますが使用感は最高です。これだけの部品が揃えば、どのように作るか楽しみが始まります。

友人に話したところ、すでに作り始めた人もいます。ノスタルジックな思いにふけって昔風に作るのも楽しいですが現代の部品で今風に作るのも楽しいでしょう。 過去のイメージにとらわれることなく新しいアイディアで”21世紀の鉱石ラジオ"を作ってみませんか?

インターネットのホームページには、鉱石ラジオに関するコラムがたくさんあります。Yahoo JapanやInfoseek、BIGLOBE などで"鉱石ラジオ"を検索してみてください。アイディア満載いろいろな鉱石ラジオやキットなども見つけることができるでしょう。
次に最近、筆者が作った鉱石ラジオを紹介します。
 
 
試作機の回路図 アンテナ側、出力側ともにスライダーでタップ位置を調整。
イヤホンはローインピーダンスなのでトランス結合。
 
アンテナ側スライダー コイルの内側に組み込まれたトランス(中央グリーン)
 
■参考資料
(1) 「ぼくらの鉱石ラジオ」 小林健二著 筑摩書房 
   簡単に入手できる参考書・具体的な製作例がたくさんあります。

(2) 「鉱石ラジオ大研究」 cvfの工作教室 
   鉱石ラジオの考え方や面白さを紹介しています。 JA1CVF岡田さんのWebサイトです。

(3) ミズホ通信梶@〒194-0022 東京都町田市森野4-7-21 042-723-1049 Fax042-726-6793 
 
 
de JA1CVF
 

QTC-JAPAN.COM 2001.03.27
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