7MHz to 28MHz PORTABLE VERTICAL
Hirotada Yoshiike JA0SC 

 

     
 
写真1 WBB型アンテナ
1 動機

2001年3月トンガでの運用で、それまで21MHz帯オンリーだった運用周波数を、少なくとも14MHz帯にも出られるようにと思い、手持ちのPW1(現MP1 superantennas.com)を持参して運用してみたのですが、全く使えないままでした。

「エレクトロデザインで広がるアマチュアの世界 Super Antennas (註1)」の中に「新着情報 スーパーアンテナのモータードライブ版MP2のコントローラがまもなく完成! 情報一覧 」があり、久しく完成を待ち望んでいました。しかし、いくら待っても完成しないので、「EDC エレクトロデザイン社」にこの点を照会すると



2011年11月22日
スーパーアンテナのモータードライブ版MP2のコントローラーがまもなく完成!」とありますが、状況をお知らせください。PW1を買って持っています。 JA0SC

2011年11月24日 毎度格別のお引き立てに預りお礼申し上げます。スーパーアンテナご愛用ありがうございます。申し訳ありませんがスーパーアンテナ用のコントローラー(SDC-100)は完成しておりますが、モータードライブMP2専用となっておりPW1ではご利用は出来ません。 そのMP2アンテナが、スーパーアンテナでの生産が難しくなっております。 今後ともスーパーアンテナご愛用宜しくお願い致します。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。              エレクトロデザイン(株) −QRP係− 」


その後JA1FSE、小林OMと「手作りアンテナ」の製作に励み、自ら「PW1のモーター駆動」を作り上げました。 最初はJA1BBE、出野OMの「WBBアンテナ」(CQ誌2011年9月号)を参考に、PW1 本体を逆さにして金属製寸切り(ずん切りとも読む)、長ネジを使って製作しました。写真1

モーター駆動アンテナは、久しく八重洲無線の「ATAS-1、(25,120)」でしたが、最近WEB検索で「High Sierra Antenna HF1800Pro」、「Hi-Q-Antennas MC-2 series」、日本では第一電波工業の「スクリュードライバーアンテナ SD330」など様々なアンテナが出ています。

註1 http://www.edcjp.jp/superantennas/index.html

 

 
     
 
2 全体構造
 
写真2のように今回当局が作成した駆動装置の基本構造は、スーパーアンテナ社の「モータードライブMP2」図1とほぼ同じです。「PW1」本体部分の下にモータードライブの駆動部(長さ10cm)をつけ、その下のエレメントを20cmに短縮したものです。本来の下部エレメントは、30cmですから長さの変更は無く、「PW1」の構成を踏襲しました。また、「PW1」本体にほぼ手を加えない(上のエレメント固定部を作り変え)ことを基本としました。これにより、運用周波数その他に変化はありません。
 
写真2 全体構造
図1 MP2
 
3 基本構成
 
駆動部分を極力短くするため「スクリュー部」を本体コイル内部に入れ、駆動部本体はコイルボビンと駆動部との繋ぎ、駆動モーターとスクリュー部を繋ぐジョイント(ユニバーサルジョイントとはいかないが)、ギアモーター、下部エレメント固定部の4点からなっています。写真33-13-2図3 
それぞれの装着は、塩ビパイプのキャップの種類が近くのホームセンターに豊富にあるので、それを使いました。 それらをカバーし、固定するためカーボンブラウンの「たてとい(雨樋)」と言うボビンで装丁しました。

 

写真3 基本構成(コイルと駆動部繋ぎ、ギアモ-ター固定、下エレメント固定)
3-1 駆動部カバー
 
3-2 コイルと駆動部繋ぎ
図3 駆動部同カバー
 
4 駆動部分
 
図2 PW1
作業は当局が考えたものを、小林OMに旋盤を使って作ってもらいました。OMは精密加工の仕事をしていたので、こういう作業はお手のものです。

(1) スクリュー部
PW1アンテナ(註2)図2は、コイルカバーの長さが21.3cm、コイル部分は15.5cmです。コイルの必要稼働部分は12cm程度です。使用するスクリューの長さは、購入の半分15cmで十分です。 コイルの中のスクリューは、金属製の場合コイルの「μ」に影響を与えるので使えませんから、樹脂製の寸切りボルト8φで、「ポリカ−ボネート(樹脂製)寸切りねじ(長ねじ300mm品)、ねじNo1.com」(註3)を取り寄せて使いました。

註2 http://newsuperantenna.com/MP1/index.html
註3 http://www.neji-no1.com/lineup/K000X000.htm

地方の悲しさ金額は、本体の値段のほぼ倍額となります。写真4、4-1、図4。 このねじは、曲がりに少し弱いのですが、問題はありません。もし硬いものが欲しければ、「レニー(樹脂製)寸切りねじ(長ねじ)(300mm)」があります。値段はポリカ−ボネートの2倍となります。

長ネジを回転する同じ樹脂製のナットは、一緒に買えばよかったのですが、最初気がつかず買わない(またまた、製品外の費用が高額)で、これは小林OMの手持ち材料で作成してもらいました。ナットの位置、写真4-2がコイルの「μ」に影響を与えるので、注意(配慮)が必要です。


写真4-2 樹脂製ナット
 
写真4 スクリュー部
4-1 寸きりねじ
図4 スクリュー部(付上部エレメント固定)
 
(2) ギアモ−ター部
都合3個購入して3個目に成功しました。最後に手に入れたのは、「ダイセン電子工業」の「ギアモーター(ギア比60:1)」です。ギア比でモーター回転数を計算したところ、7,000 + 60=116.7ピッチ/毎分です。この時間の良し悪しは、実際に経験してみないと分かりません。電池は、ニッケル水素電池「1.2V X 4本」 4.8V使用。 ギアモ−ターの固定は、塩ビパイプのキャップ(HI-C25、長さ44mm、呼び径25)を使い装丁しました。写真55-1図5 (註4) ダイセンのギアモ−タ−は、固定ネジ穴がありません。そこでシャフトの部分の空気穴2か所を使いました。
 
写真5 ギアモ-ター固定
5-1 ダイセンギアモ-ター
 
図5 ダイセンギアモ-ター
 
註4 http://www.monotaro.com/p/0660/1445/
 

(3) ジョイント部

ユニバーサルジョイント(ロボットショップ)(註5)は、高価なことと内径(異型ジョイント、8φ×4φ)が合わず使えません。考えたあげく手作りしました(小林OMに作ってもらう)。写真6図6

三好キカイ(ユニバーサルジョイント)の分解・組立方法(註6)をみて作りました。「7コマ」は、6mmの樹脂製スペーサ10mmを使いました。 分解図の大ピン、小ピン(ボルト)は、ずらして両端にピン穴をあけました。メーカーのユニバーサルジョイントのように所定の遊びは期待できませんが、なんとか使いものになっているようです。 ギヤモータのシャフトが15mmと長いので、当局の作ったシャフト側の「小ピンドウ」は15mmと短く内軽4mmのアルミパイプを使い調節しました。
 
写真6 ユニバーサルジョイント
図6 ジョイント
 
註5 http://store.shopping.yahoo.co.jp/robotshop/a5b8a5e7a5.html
註6 http://www.miyoshikikai.co.jp/torisetsu/index.html
 
5 駆動部分固定方法
 
(1) スクリュー
写真7 スクリュー固定
スクリューは、長ネジを塩ビパイプの内径13mm(水道パイプ)、長さ20cmの中に入れ、上下させるので、PW-1のコイルカバ−(写真2参照)を考慮して必要な長さは12 + @=15cmに作りました。パイプの上部にはコイルカバ−との固定部品を新たに作りました。写真7

最初、PW1のエレメントの支え部品を利用したのですが、この部分の強度が心配で現状のものになりました。
下部にはスクリューの回転を支えるナット(樹脂製)を装着しました。ナットのネジ切り(8φ)の際、ネジにひび割れがは入り駄目かなと心配したのですが、小林OMの技術でパイプに差し込んだ後で切り込み、ことなきを得ました。
 
(2) ジョイント
スクリューの下部とギヤモ−タ−との接続は、手作りのジョイントでつなげます。写真8
この部分は8φのネジ切りが必要です。また、スクリューが回らないよう写真6のようにナットで固定しました。 一方のギアモ−タ−との部分は、最初5mmの穴をあけたのでアルミパイプ内径4φを使い、それを固定するため3mmの「止めねじ(イモネジ)」で締めました。

ダイセンのギアモ−タ−のシャフトには2mmのスプリングピンの穴が開けてあるのですが、これを使いました。ダイセンの「セット内容」にあるタイヤ取付アダプタの取り付け方法と同じです。写真8-1
 
写真8 ジョイント
8-1 アダプター
 
(3) 駆動部のカバー

コイル部分と駆動部とのボビン、ジョイント、ギアモ−タ−と下のエレメントを支えるカバ−は、10cmの「たてとい」は柔らかいので華奢な感じですが、なんとか使えます。ギアモ−タ−部など各部分の固定には、「タッピングねじ」を使いました。

 
6 上下エレメントの固定
 
上部のエレメントは、5本で1m50cmの長さは変わりません。カバーとの固定部分は新たに別に作りました。写真9。下部のエレメントは、既述のとおり30cm−10cm(駆動部)=20cmで10mmのアルミ丸棒を使い、作り換えました。固定部分は、PW1 本体ではコイルボビンの下端に強固な台座がありこれにねじ込んでナットで固定する方法でした。それを使うため、塩ビパイプのキャップ(HI-C25)を利用、加工して作成しました。写真10
 
写真9 上部エレメント固定
写真10 下部エレメント固定
 
7 コントローラー
 

6ピンの跳ね返りスナップSW「ON−OFF−ON」と上下動作表示のLED及び電源としてニッケル水素電池の単3、4本、4.8Vで簡単な構成にしました。写真11、図11

 
写真11 コントローラー
図11 コントローラー図
 
8 グル−プ
 

筆者の長野善光寺平らには「アンテナ研究グループ」(戸倉上山田ハムクラブ、会長小林忠良)があり、長い間、研究成果の発表を行っており年々成果が上がっています。昨年JA0HE、伊藤OMがモーターを使った「カップラー、マッチングボックス」を発表し調整の素晴らしいさを拝見して、PW1に応用できないか検討を開始したところです。その後、JA0FSE、小林OM、JR0PHS、堀内OM、当局JA0SC、吉池の3人が、モ−タ−駆動アンテナの製作に入りました。

 
9 終りに
 

今回の「PW1をモ−タ−駆動する」は、肝心な部品を小林OMの製作に依存して出来上がりました。OMは仕事として精密部品を作っていました。そんなことから旋盤による部品をすべて作ってもらいました。誌上を借りて感謝申し上げます。 これを読んで自分も作ってみたいと思った方も多いと思います。

周辺に旋盤を操作できる小林OMと同じ人がいれば依頼することができますが、いない方には小林OMに製作をお願いできるので筆者(吉池弘忠・長野市松代町柴722-1)へ連絡ください。Eメールもありますが、最近大量の迷惑メールに悩まされ、アドレスを変えるはめになりメールでの応答は控えさせてもらいます。当局及び小林OMの住所は近年の「JARLコールブック」を参照してください。各局の健闘を祈念します。

 
【アマチュア版 私の履歴書(JA0SC)を併せてご覧ください。
 
de JA0SC
 
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