ACE電気 AR-102Kキット

1石レフレックスラジオの製作
By Toru Kato,JG1RVN
 
QTC-JAPANの幕開けにふさわしいものを何か用意しようと思っていましたが、様々な製作の基礎は、やはりラジオの製作にあると思います。 今回は、Yahoo!オークションで今から30年ほど前に流行した、ACE電気1石 レフレックスラジオキットの未使用新品を入手しましたので早速レポート しましょう。

■レフレックスラジオとは?
手のひらに納まる
1石 レフレックスラジオ
レフレックス回路は、1石でRF=高周波増幅と、AF=低周波増幅をこなす 回路のことです。バーアンテナから入ってきた電波は、ポリバリコンで構成された 共振回路で聞きたい放送局 が選択され、ゲルマニウムトランジスター2SA100で 高周波増幅されます。高周波はRFT(高周波トランス)で行く手を阻まれて、 100pFのコンデンサーへ流れていきます。

すると、そこにはゲルマニウムダイオード が待ちかまえており、検波され低周波成分となります。低周波になった信号は、 再び2SA100トランジスターで増幅されて、今度はRFTを通過してクリスタル イヤホンを鳴らす仕組みです。トランジスタ1個が貴重だった時代、とても重宝された回路でした。また部品点数が少ないので初心者にも最適でした。

■組 立
回路図は至ってシンプルです
これだけの時間をタイムトリップしてきた割には、きわめて保存状態は良く、 欠品もありませんでした。部品は全て台紙にセットされており欠品がないこと が一見して判るように工夫されています。取扱説明書は、回路図や 姉妹機の2石レフレックスラジオの説明もついており、大変楽しいものです。

久々に出会ったゲルマニウムトランジスターの足は、やや30年を経て錆びて いたので、根元に力が加わらないように十分注意しながら、鉄ヤスリで磨いて ピカピカにしました。説明書により、コレクレクターの○マークに注意しながら、 C=コレクタ、B=ベース、E=エミッタを指定の基板へ挿して行きます。 抵抗器も今では珍い10%誤差(銀帯)のものが使われています。
パーツキットとマニュアル、ケース。
パーツをビニール袋から
出したところ。
基板にパーツを載せて配線を
済ませば完成です。
2SA100は足下を磨いてからセットします。
これまた懐かしい ゲルマ
ニューム・ダイオード。
ビニール線は撚り千線になっており、ハンダ上げされています。
コンデンサーも指数対応のため、現在は、ほとんど0.0047μF(471)ですが、 0.005μFが使われていました。プリント基板も磨きながら注意して、ハンダで 接続していきます。細かい気配りとしては、イヤホン端子やアンテナ端子の 接続に使うビニール線が、きちんと撚り線になっており、ハンダ上げされて いました。実体図を見ながらハンダ付けは約20分で完了です。
■さあ、動くでしょうか?
説明書には、2石レフレックスラジオの 解説も付いて いました。
説明書には2石レフレックスラジオの 解説もついていました」
何しろ化石のようなゲルマニウムトランジスター使用の本機ですから、 初めてスイッチをONするときは本当にドキドキしました。 1石レフレックスラジオには電源スイッチはありません。イヤホン端子に クリスタルイヤホンを挿すと電源が入るように工夫されています。

3−2−1と数えて、イヤホンを耳に当てて、スイッチON! やったー!完動です。

ちょっと心配しましたが、性能は昔の通りです。 ダイヤルを回してバーアンテナの方向を注意してみると、東京多摩地区で NHK総合、NHK教育、AFRTS、TBS、文化放送、ニッポン放送の6局が 入感し、その選択度に、ちょっとビックリです。
音量調整はありませんが、ゲルマラジオを、ちょっとパワーアシストした 感じ、というとお解りになりますでしょうか?小さめの音ですが、 ハッキリと放送が聞こえます。動作は006Pが1本です。たった、これだけの部品点数で、しかも手のひらサイズで、ラジオ放送が 楽しめるという、面白さは30年の年月を経ても変わらぬ魅力がありました。
ACEの8石スーパーラジオと
1石レフレックス ・ラジオの比較


ご参考までに、子供の頃製作したACE電気の8石ラジオの画像をご覧に 入れましょう。これらのラジオを作って、アマチュア無線に興味を持っていった 皆さんも多いのではないでしょうか?すでに入手困難なキットですが、 歴史の一コマとして楽しんでいただければ幸いです。
文と写真:JG1RVN 加藤 徹

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