■Korin Tsuruta, ZL2PGJ

 
     
 

■ZLの資格について
ジェネラル、リミテッドの2資格があります。 ノビスは、ジェネラル試験のCWの5 Words化に伴い、なくなりました。 ジェネラルは全周波数、全形式でPEP400W Maxまで出せる上級免許です。 この上のエクストラはありません。
旧ノビスはPEP30W Maxまでの免許で、HF帯にはかなり制限があります。現在希望者の資格書き換えをやっているようです。この書き換えに実技(5 Wordsとはいえ)が必要なのかどうかは知りません。
リミテッドはPEP400W MaxのVHF以上の電話免許です。


試験について
ZLのハムの試験は、世界的流れにのり2002年に大幅に変わりました。 ジェネラルのCWの送受信は12Wordsから、5 Wordsに変わりました。 従来からノビスの試験は5 wordsでしたので、試験の差はペーパーテストのできの差ということになります。 というわけで上記のような事になりました。 6割程正解なら合格と言う世界です。 試験問題は全てのクラス共通で、内容は実際の運用に則した物が多く、 引っ掛け問題は少ないです。

試験は2人のVEC(ボランティア試験委員)によって行われます。 大抵の場合、これらの人々は、顔見知りの場合が多く、 不必要な緊張をしなくて済みます。Hi (落ちると恥ずかしいから、一生懸命勉強することにもなります) 難度はJAの2アマ以下と思います。 
英語が読めれば問題なしです。 クエスチョンプールは公開されていますので、わからない単語や言いまわしを 事前に押さえておけます。 実技は送受信ともあります。 キーボード送信以外なら全てOKの送信術。

試験は2人のボランティア試験委員により行われる

去年私が試験の仕組みを確認したときは縦振りのみ可でしたので、 せっせと縦振りを練習しましたが、受験のときは、何でも良いといわれまして、 パドルと縦振りと両方で受けました。 『どっちの方が聞きやすい?』と試験委員に聞きましたら。 『どっちも合格』とのこと。 
こちらは練習のつもりだったのに・・・。 受信は、数字の混じった平文です。 3分で5つまで落とせるのですが、失敗! でも安心、5回までやりなおしOK。 ただし電文は全て違いますから、一回聞いて丸暗記というのはなしです。

実は送受信共12 wordsで受けさせられました。 試験委員のZL2AL曰く、「外国でこの資格を元に運用するとき12 wordsの 合格証明を持っていた方が有利だ」とのことで。 12 wordsで練習をしていましたので、受かりましたが、5 wordsのつもりで 『へ、楽勝じゃん』と出かけたので、かなりびっくりしました。

 
     
 
■免許の発給について
合格通知書 免許状
試験に合格すると、通常その場で合格証をくれます。 (私の場合は、新書式が間に合わず1月待たされました) この書類は写真もなにも貼ってなく、髪の色、肌の色、身長を書く欄があります。 ZLにカメラはあるのです。

その書類を、商務省(電波行政の元締め)の地方事務所に持っていき『コールサインちょーだい!』と言うと、『なにかご希望は?』 と聞いてきますので、欲しいコールサインのリストを渡します。 
10分ほどで、免許状が印刷され、支払いをしておしまいです。 当然包括免許です。 免許状には英語、先住民族マオリ語、ドイツ語、フランス語で CEPT1級相当の免許であると印刷されています。

資格別コールサインはZL△○○が上級、ZL△○○○がノビスと思ったら 大違いでした。どちらもジェネラル用ノビス用の指定がありました。 今は、どうもノビスの廃止に伴い区別がないようです。 ちなみに私にZL2PGJ は旧割り当てではジェネラル用 6文字です。(^o^)v
 
■運用について
自宅に上がったV型ダイポールアンテナ。こんなアンテナでJAや地中海方面とホイホイできてしまうところが驚きです。とはいうものの、今は冬枯れで聞こえないことが多く、元気の良いのはCS3とKH6ビーコンばかり。
局免発給後しばらくは多忙で声を出していませんでしたが、 ローカル局に遊びに行った際『JAが聞こえてるよ、呼んでみたら?』 と言われ、声を出したのが第一声になりました。 このときはコンディションが良く、呼ばれまくり驚きました。

自宅での運用は物干しワイヤーに給電したダイポール、2mH。 これにKENWOOD TS-850をつなぎ100Wで運用しました。 最初の2週間は良く飛んで、JA は言うに及ばず中東、カリブ、欧州 とできました。 驚きですね。 ノイズがJA1に比べて極端に少ないので、色々なところが聞こえます。 聞こえれば何とかできるものです。

このTS-850、長年の短波放送受信機生活に飽きてたのか、いきなり故障。 ただ、ラッキーなことに故障の翌週、JA に出張があったので、修理に持って帰りまし た。 そしてICOM IC-756PROII と同時にアンテナその他も日本で購入し、持ち帰ってきました。 総重量57kg!。 リニアアンプは重くて諦めました。 現在は9mHのV型ダイポールを自宅で、HB9CVのトライバンダーを移動で使用しています。 ZLのバンドプランこちらです。
 
■QTH
ZL北島のNapier
です。 ネーピアーと読みます。 主たる産物は、ぶどう、ワイン、かぼちゃ、トマト、リンゴ、オレンジ、とうもろこ し、 ラム、ビーフ、調理缶詰、瓶詰め、冷凍食品、材木、パルプ等など 日本にネピアというティッシュペーパーがありますが、その昔、ここから原料 パルプを出していたからだそうです。

今は、当地のパルプはJAの新聞紙になっているそうです。 冬でも凍らず、夏でも30℃を越せば新聞種になるくらい、気候の良いところです。 で、隠居が多い>ハム密度高し。 ちなみに当地ではタワーの建築制限が10mと低いので、屋根馬でも充分です。 それでも自宅に10mのタワーを数本建てている局も散見します。

■インターフェア

ハハハ、出ました。TV は衛星かUHF、電灯線電話線は地下埋設で 自宅に出なけりゃOKと、向こう3軒両隣にだけ、I が出たら教えてねと伝えておいたのですが、向こう4軒目から出ました。 21MHzで何Wでも出る。画面は乱れないけど、音声はばっちり。『日本語には興味あるけどねぇ、TV は英語で見たいわ』とその家のお姉ちゃんが大笑いでやってきました。

試験電波を発射させてみると、どうも、衛星テレビのデコーダとテレビを つなぐ音声映像用の2本の同軸に飛び込んでいるようです。 手持ちのスナップオンチョークで、ある程度低減できたので、 これはちょろいな、と思っていました。 翌日、電器パーツ店でアミドンコアを探すとVHF用ばかり・・・ HF帯用の大き目のがありません。 弱ったなぁと、部品棚を見ていると 中波ラジオ用フェライトバーがあるではありませんか。 規格は不明ですが安い! これをごっそり買いこんで、AV用同軸を14回密巻きにしたトラップを作りました。

早速付けてみると、完璧にI は落ちました。 おねえちゃんの家族一同やんやの拍手でした。 この家に限らず、半径50mに拡大して、挨拶回りしましたが、 対応が明るいですね。 『日本語を習おうかと思っていたのさ』 位の反応は、当たり前に来ます。 日本でも半径50m回りましたが、まるで違いましたね。 ZLは明るい国民性です。 実はこの後、最近7MHz帯でSSTVをやるようになったら、お向かいのステレオが ピーガーはじめまして・・・。これまたフェライトバーでやっつけました。 JA時代インターフェアー対策をしっかり勉強しておいて良かったです。
 

 
■アマチュア無線人口
これはZLでも減少傾向、年寄りの趣味です。 ZL1から4で3000局位でしょうか。 ハムクラブは全土に86あり、ほぼ全てのハムがいずれかのクラブに 参加していまして、各クラブとも月1度ミーティングがあります。 周波数のすみわけは、HFがほとんど、10mから上はレピーターが多用されています。 1200MHz等は、『見たことも無い』人が多いです。 ZLのUHFerの目標は3000キロ弱西のVKとQSOすることですが、交信が 出来たと言う話は聞いていません。 意外と衛星ユーザーは多そうです。 私のいる町は退職者が多い町でして(別荘地のごとき場所)HF帯のアンテナを 探すのに苦労はいりません。 ただし、これは例外。

■ニュージーランドのHF環境
地元の山の上から撮った雄大な景色

私の居るのは地方都市ですが、ノイズの少なさには助かっています。 近所の電線は地下埋設です。このせいかもしれません。 100kmほど南に人口ノイズの聞こえない場所があるそうで、 シャックを建てるならあそこと言われています。 田舎にに引っ込めば、雑音が無いというわけではありません。 牧場用電気牧柵にパルスを流して、牛や羊の脱走防止をしていますので 牧場が盛んなところへ行くと、ブチブチ五月蝿いです。

移動運用風景
JA は程度の良し悪しはありますが、ほぼ毎日聞こえてきます。 カリブ、欧州、北米もそこそこ安定して聞こえてきます。 ヨーロッパは対しょ点なので比較的聞こえます。 なぜかしら、地中海沿岸やポルトガル沖の大西洋はいつも聞こえます。 (CS3Bビーコンは聞こえない方が珍しいくらい) 強いのは南米です。 あとロシア、アフリカが聞こえないですねぇ。 ハム人口も少ないからでしょうか?

■日本人の運用 

相互運用条約はありません。 交渉次第説もありますが、私が存じ上げる3人の日本人ハムはZLの試験を一から受けて、免許を取得しています。 他の一人の方は、無線関係の催しに便乗して取得できてしまった。とのことです。 詳しくはこちらをどうぞ。
4週間以内の滞在なら、英文証明を持ってくれば、無届で ZL/JA○○○○が2mより高い周波数で運用できます。 ZL政府のラジオスペクトラムによる、外国からの訪問者へのガイドはこちらです。


■ハムショップ

予約なしで訪問すると怒られます。 売っているのは、無線機本体とオプション部品の新品と中古およびアンテナ。 同軸やコアなどは、「電器パーツ屋で買いなさい」 で、高いです。 ちなみに消費税は12.5%です。 国中で3軒しか知りません。 たぶん他にないのでしょう。

■ZLコールエリア
ZLの北から1 2 3 4とコールエリアがありました。 今は、好きなコールエリア番号を自分のコールサインに使えるので エリア分けはないと思います。 ちなみにZL7 8 9は離島ですので別エンティティー扱いです。 ZL7はホイホイ気軽に行ける島です。 ただハムがいないのです。 だから行けばそこそこ呼ばれるわけで・・・、 各地のクラブがかわりばんこに出かけています。 日本で言えば町内会持ちまわりの夏祭りのようなものか? 残りのZL5 6 0はどこへ? 5と0は南極 6は特別なクラブ局6局へ割り当てられています。

■ZLとVK 近いようで、飛行機で3時間かかるほど離れています。 ZLはVKより、まだ南にあります。 VK、ZLとひとくくりにされますが、JAからの方位角も20度は違います。 ちなみにZL人が何に付け勝って一番嬉しい相手はVKです。 微妙な差がお互い気になるようです。 以上ZLな話の種。
ZL2PGJは14MHzと21MHzのSSBでせっせと出ています。 へたくそな英語のCQが聞こえたら、それが私です。 呼んでいただければ嬉しいです。 ダイポールアンテナ同士でもSSB QSOできました。ぜひ呼んでください。
 
アメリカズカップ優勝艇の写真
■SSTVの話
最近SSTVをはじめました。 JAの局に MMSSTV を紹介されたのがきっかけです。 楽しいですね。私など自称アマチュア無線通信士で、機器を作れず繋げるだけですが、 それでも続けて来れたのは、世界中と世間話をしたいという欲求と新 し物好きを満たしてくれる新モードの誕生でしょうか? DXやJCCを追っかけるだけは、性分に合わなくて・・・。 そのわりに英語が上達していない? はい、すみません。 楽しい素晴らしいソフトですねMMSSTV。 こちらでも幾度かデモしましたが、『やんややんや』の喝采でした。

以前、私はSSTVは、大パワー、でかい八木アンテナが無いとできないものと思っていました。 違うのですね。 クリエートの万歳(時々お手上げ)に100Wでも充分できています。 面白いのが21MHz帯のSSBでRS22くらいで、何言っているかわからないのに SSTVは絵が出ることです。 
反対は7MHz帯のSSB59オーバー、SSTVでは RSV592『見えませーン』というもの。 たぶん10W送信にしたら、マルチパスが無くなってきれいに送れるのかも しれませんが、JAのQRMに埋もれてしまうのでしょうね。

■で7メガのお話
凄いですね。夜になればJA中が聞こえるZLでは、1波にてんこもりの局が聞こえます。まるで戦後すぐの時代のようですHi. たかだか、1000kmのQSOのために、ウン百ワットをぶちまけているのですから、世界中にあいつら五月蝿いと思われても仕方がないですね。 私は、7MHz帯があんなに飛ぶとは思いませんでした。 7MHzから21MHzは、やはりCWのできる資格の人用のバンドだと思います。 CWの試験の代わりに英語をという意見を読んだことがあると思いますが 結構使えるアイデアかもしれませんね。

■でCWのお話
いまJASTA SSTVコンテストをやっています。 混乱防止で、いきなり絵を送るのはやめましょう ということになっていますが 悪いコンディションとDPの組み合わせは、呼んでも取ってもらえない、 CQ出しても呼ばれない(聞こえない)悲惨な状態。 CWでSSTV局を呼んでも、めったなことでは返事がありません。 SSTVコンテストに出る皆様には、オートノッチを切って参加して頂きたい ものです。 あと、40文字/分くらいの速度の自局のコールサイン位は聞きとって欲しい。(私のCWもその程度ですから Hi) なんとなく書いてみました。
 

 

ZL2PGJ Korin Tsuruta
QTH: Napier, New Zealand
= 7L2PGJ, ex DL/W/OZ/7L2PGJ  IC-756PROII+TS-50D+9mH DP
An user of eQSL(W) & QSO bank(JA). A member of JANET & JAIG
Email QRZ.com をごらんください。

 
写真と文:Korin Tsuruta ZL2PGJ 2002.08.08

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