■Hirotada Yoshiike VK9CI (JA0SC) 

 【VK9CI ココス・キーリング島運用記(2)】
【ココス-キーリング情報 第 1 報 &第 2報】
ja0sc@ac.mbn.or.jp
 
     
  ■はじめに  

太平洋、オセアニアのカントリー
(CQ hamradio誌、2002年1月号特別付録から転載)


1998年にKH0/JA0SC、サイパンで海外運用を始めてから、はや5年が過ぎようとしています。当初の3回は全面的にツアーに頼りましたが、4年目からは自分で計画して航空券の入手のみを旅行会社にお願いする形で2年が過ぎました。昨年4年目は、トンガ、サモア、ツバル、ネパールと今振り返ってみると尻を叩かれる思いでがむしゃらに出かけて行ったようです。

ネパールはレンタルシャックだったので手ぶらで出かけることができました。トンガなど3箇所は免許取得、宿の手配はもっぱら自分で交渉を行いました。その間のやりとりはトンガ、サモアは宿のオーナーが日本人ということもあってさほど苦労しませんでしたが、ツバルはインターネットが使えない上、オーナーが現地人で英語での連絡のみとあって苦労をしました。  

この間の連絡手段は、E-mailとパソコンファックスを使いました。E-mailは費用はゼロに近いのですが、ファックスは電話連絡ほど費用がかからないのはよいとして、パソコンを常時接続しておくわけにゆかず相手が送る時間を何時から何時までの間に送るように注文をつけやりとりしました。 今回は免許取得をVK1ARA,荒OMにお願いすることができ、楽に取得できたことを大変感謝しています。宿(ロッジ)との連絡はもっぱらE-mailを使うことができましたが、やはり英語でのやり取りですから相手が長文の難解な英文で往生しました。


ココス島の位置関係図
■運用地の選択  

前回までに7カントリー、10カ国で運用したので単独の運用では候補地の選択が限られるようになりました。基本姿勢としてまだSSTVの運用がなされていないと思われる場所を選んできました。アジアでは最近ラオスが運用されて残るはスプラットリーは別格で除外するとしてバングラデッシュS2、BS7Hのみとなりました。 太平洋ではKH3,4,5、、5K、7,9などですが、単独では無理な場所です。やや下がってT31,32,33など、南太平洋ではZK3、FO/M、A,VP6/D,3D2/R、などですが、行けそうなのはT31,32、ぐらいです。

オセアニア方面ではZL7、8,9、H4、40、4W、VK9s、VK0sなど多数にわたっていますが、このうち行けそうなのはH4、4W,VK9C、Lぐらいです。 振り返ってインド洋方面ではフライトを考えるとチャゴス、VQ9ぐらいです。VU,アンダマン、ラッカチブは不可能です。  

VK9N、Xはすでに運用されているので結局今回の候補地としてVK9C(ココス島)、L(ロード島)の2箇所を選びました。両島の距離はほぼ8千キロ離れている上、日本からはシドニーへ7時間、パースへ9時間のフライトとなっており、1回で両者を訪れるのは無理と考えました。その結果1回目にココス島,ついでロード島へ行くことにして計画を立てました。南半球はいまは冬期ですから寒いロード島は11月の暖かい時期に、ココス島は赤道に近く季節のことは考えなくてよいのでここを8月としました。

VK9CIの免許証

■免許の取得  

いくつか行けそうな場所の中で免許取得の情報が多く、確実なのがVK、オーストラリアです。その意味でもVKを選んだ理由です。すなわちVK1ARA、荒OMがJARAのWebサイトJARA:オーストラリアでのアマチュア無線」を開設して日本の局が免許を取得しやすいようにしているのを知りこれを熟読しました。そこで免許申請用紙をコピーして申請書の書き方にならって順次記入していくと「常置場所」でハタとゆき詰まりました

南太平洋の免許申請では常置場所は必要なかったのです。説明では「短期間運用の場合でも友人宅などでも結構ですから、予定運用地のVKプリフィックスエリア内に連絡場所(常置場所)がある方がFBです」とあります。運用場所は決めていましたが、まだ連絡を取っておりません。そこで荒さんに相談すると荒さんの住所を使わせていただけることになりました。

そうこうしているうちに荒さんが日本へお出でになり、しかも長野を経て友人宅を訪ねられるとのことなので、長野駅で落ち合い申請書類を手渡しできることになりお願いしました。その結果オーストラリアへ帰られて早速手続きを取っていただき無事VK9CI、Cocos-Keeling Is.、VK9LI、Load Howe I.のコールを6月3日付けで取得することができました。  
申請に当たっては運用ロッジの承諾があれば取得しやすいとの荒さんのアドバイスで、ココス島はThe West Island Lodge、ロード島はThe Blue Lagoon LodgeとE-mailにより連絡をとり、両ロッジからOKの返事をもらい添付しました。


■宿泊、フライトの交渉  

そんなことで免許の申請にあたってあらかじめ運用地のロッジと何回かやり取りを重ね、特にココス島の宿泊施設はそのロッジのオーナーと直接交渉はできず、日本の旅館組合のような事務所と折衝しました。しかもロッジとは直接E-mailのやり取りができず必要があれば、ファックスでとのことなので1回送りましたが、あとは組合との折衝のみでした。最初ロッジのE-mailアドレスを教えてくれと頼むと”Unfortunately their e-mail system is not very reliable” と返事がきて、信頼できないE-mailがあるのか怪訝に思いました。

その前に両島の情報を得る場所を探すのに一苦労しました。はじめオーストラリア観光局のホームページで観光パンフレット”オーストラリア旅ブック”を送ってもらいましたが、その中にはほんの少ししか両島のことが書かれていないので、旅行会社に問い合わせてホームページのURLを教えてもらい、そこから展開していろいろな情報を手に入れました。

ウェスト・アイランド・ロッジ
ココス島とクリスマス島のホームページ は知りたい情報の大半を提供してくれます。またパースと両島とのフライトは”National JET”が運行しておりそのホームページも紹介しておきす。

ここでフライトについて触れてみます。成田とパースの間はカンタス、JALなど多彩ですが、パースとココス島との間はパース・・・クリスマス島・・・ココス島を繋ぐのはNATIONAL JETのみです。インドネシアのジャカルタとクリスマス島を結ぶフライトがありナリタ、パース、ココスのフライトより大分距離が少ないので当たってみましたが思うような結果が得られずじまいでした。ジャカルタ、クリスマス間はインドネシアの航空機が乗り入れていますが、それ以降はNATIONAL JETのみとなり連続のフライトがありません。

航空券の取得は3ヶ月前にカンタス航空へ当たりました(0120が使える)が、その時点で帰りのフライトがとれませんでした。(実際は各航空会社に押さえられているのみとのこと)そこでいつもお世話になっている旅行会社にまかせました。ほどなく予約がとれロッジの予約が確定して、航空券の予約を決定しました。
 
     
 
ココス-キーリング島
ココス島図

QTC-JAPAN.COMの編集長、川合さんの「編集長から皆さんへ」にもある通り、ココス(キーリング)島は、1609年、キャプテン・キーリングによって発見されたので、キーリング諸島、またはココス・キーリング島と呼ばれています。 いわゆる環状の珊瑚島です。

オーストラリアの南西のパースからフライトで3時間半(直通)、2,700kmの距離にあって、むしろインドネシアに近いところで”Indian Ocean”の北東部に位置します。近くにクリスマス島があり、ここはVK9XのPefixが与えられています。島全体が海洋リゾート地で釣り、ダイビングなど自然を楽しむ場所です。  

近年の日本人のここでの運用は、1998年8月にJE5WJM、前田浩之OMの同じWest Island Lodgeでのい記録があります。この運用記は月刊”ファイブナイン”の1999年1月号に「VK9CEインド洋・おっさんハム・独り運用記」として掲載されました。彼独特のニュアンスをもった書きっぷりは読む人を現地に導き入れられるものがあります。
他に今回QSLの請求でVK9YYをW0YG,W8UVZ,WB9Zの皆さんが、1999年の2月13〜20日の間、同じくWest Island Lodgeで運用されたカードを同封していただきました。前述の組合事務所のDieterさんに最近日本人は来ているか聞いてみると、いま居ないが近く9人のダイバーが来るとのことでした。

■ココス島への道のり  
8月24日、成田を20:55に飛び立ちオーストラリアの西海岸パースまでは9時間あまりのフライトです。航空会社は今回カンタス航空を使いましたが、JALもカンタスと提携したフライトを飛ばしているようです。機内放送は英語、日本語で行われるのでさして困ることはありません。座席は2-3-2の配置で規模(機体)は少し小さい感じがしました。 パースの気温は最低がこの時期9度とのことなので、寒さへの対応は薄手の上着とズボンを履いていきました。しかし、エアターミナルの構内2階ではそれほどでもなかったのですが、1階では入り口からの寒風が吹き込み少し寒い感じで失敗したなと思います。その点ツアーの人たちは旅行会社から指示されていたようでセーターを持参してました。

出発前にパースの空港で乗り換えは国内線ではなく国際線であることを旅行会社とJM1LJS、海OMよりアドバイスを受けて注意するよう言われていましたから、国際線のチェックインカウンターがどこにあるか気にかけていました。 パースに近かづくにつれて気になり、Flight Attendant(スチュワーデス)に聞くと(通常日本人乗客の多いフライトは、日本人スチュワーデスがいるのですが、この時はいない) 到着ゲイトを出たら右に曲がり50メートルぐらいの所にあるといわれました。 その場は納得したつもりですが後で考えてみると空港構内であるか、一端外へ出てからかまた気になりもう一度別のアテンダントに聞くとよく知らないとのこと、出たとこ勝負と腹をくくったのですが、いざ出てみると他の観光客を出迎える日本人ガイドが出口にいたので聞くと構内を右に行くのだと教えられました。これが最初の仕事です。

National Jetの写真

パースへは翌日の06:10現地時間に到着、ここでは到着時間と出発時間との間に3時間半ほどの待ち時間があったので、預け荷物の受け取りと入国審査、税関検査を考えるとそれほど余裕はないと予想していましたが、差し迫った時間ではないので少し落ち着きを取り戻しました。パースの国際線のチェックインはこれまた身構えてかかりました。

というのは超過荷物に厳しいと出発前に海さんにこれまた注意されていました。 荷物はリグを1つのキャリーケースに入れこれが20kg、アンテナは釣り具のケースに入れて10kg、その他もろもろで1個のキャリーケースで10kgトータルで1人当たり20kgと自宅の体重計で秤り、パッキングしておきました。
空港のチェックインカウンター前の通路には大型の重量計が置いてあり、しばしば自分の荷物の重量を測りあちらへこちらへと入れ替えている客がみられてなるほどなと感心した次第です。航空会社へはあらかじめ荷物の許容重量を問い合わせておきました。  

そうこうしているうちに無事チェックインを済ませ、引き続き出国審査も終わり、セキュリティ検査、荷物検査において今回はパソコンが引き止められました。2度、3度とレントゲン装置を通過させ何事かチェックしてましたが、どうやら通過しました。XYLは小物針セットを開けさせられ3センチほどの鋏みを取り上げられました。私もポシェットに入れた爪切りを確認されました。  
パースを小型80人乗りの双発ジェット機で出発したのは25日の09:45現地時間です。パース、ココス島間のフライトは”National Jet”が就航しており今回は途中オーストラリア本土の西側、中ほどの”Learmonth”に給油?のため立ち寄りました。空港には人が居ないのではないかと思われるほどの場所ですが、観光地らしく付近は遠浅の海岸に一路どこまで行くのか分からないような道路があり、説明のパンフレットでは観光コースになっているようです。

かれこれ5時間以上のフライトでようやくココス島の見える上空にさしかかり下を見ると、これがなんとも言えない身が吸い込まれそうな景観が見えました。天女が海に漂流していてその懐に降り立つのかとの錯覚に襲わたほどでした。エメラルド・グリーンの海、真っ白な海岸線が太陽の光が映えて見事な色合いを奏でておりました。

 【VK9CI ココス・キーリング島運用記(2)】
 
QTC-JAPAN.COM 2002.09.10

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