■新時代を背景にした国際的視野に基づく新しいVKアマチュア無線制度の概略
 
ここ数年、オーストラリアのアマチュア無線監督官庁でもあるACAはVK無線連盟・WIAと連携してオーストラリア全土で公聴会・公開討論を開催するなどして精力的にアマチュア制度改訂に取り組んできましたが、一般庶民ハムやさまざまなハムグループなどから1300以上も寄せられたというパブリックコメントを参考として2004年5月31日付けで取りまとめた改訂原案を公表しました。

アマチュア無線資格の国際規格化が進む世界的な大きな流れの中で、新制度下ではメーカー製無改造送信装置限定入門者クラスの無線工学系試験内容が大幅にカットされて運用・操作中心の出題傾向に・・・。 そして、自作送信装置・メーカー製改造使用OKの上位2クラスの試験内容に、CEPT互換規則と電波被曝基準関連設問の織り込みが予定されていそうなところが『新時代&無国境アマチュア無線資格』の黎明を感じさせます。

ACAはCEPTと連携して細部すり合わせ作業を進めており、CEPT資格認証/批准各国から短期訪問・滞在するアマチュア局とVKアマチュア局は2005年の早い時期に、申請・許可を必要とせずに『訪問国プリフィクス/ホームコールサイン』によるお手軽相互運用ができるようになる予定です。VKのアマチュア無線制度には、『移動する局/しない局』とかの概念は明確には存在しない様子です。

アマチュア局によるモールス符号の送受については、試験合格を要求されませんが、各クラスともそれぞれの包括モードに応じた電波形式で自由に使用できるようになるとのことです。新制度の導入後も、CWセグメントに関するバンドプランは現状のまま継続される予定です。
 

英語が達者なお方は以下のACA直リンク(英語/PDF)で、そうでない皆さん向けには日本語で『あらまし』を掲載しておきましたので・・・ほんのご参考程度にされてください。
このページに掲載されている日本語の意訳がおかしい場合は、当然、ACAによる英語原文内容が優先しますので、その点をご承知おきください。

Outcomes of the Review of Amateur Service Regulation
 
▼オーストラリア全アマチュア資格者の約5%が参加したというACA主催による公聴会結果報告と、参加者各位に対する以下のようなお礼メッセージが行政サイド・ACAのウエブサイトに掲載されていました。

Public Meetings

As part of the consultation process for this review, the ACA held public meetings in cities around Australia. Over 700, or approximately 5% of the 14,000 licensed amateur radio operators in Australia, attended the meetings to discuss the proposals in the discussion paper and seek clarification on particular issues.

The ACA would like to thank everyone who attended the meetings, especially those who travelled long distances to attend. The ACA received some useful and constructive feedback on the proposals contained in the discussion paper, and will consider this feedback when considering the proposals.

 
オーストラリアのハム達は行政側からの問いかけに対してこのような意見書を提出しています。皆さんのご参考として、ACAが公開している『皆さんから寄せられたご意見』の一例をご覧下さい。
【CQVKグループによる意見】
 
新制度のあらまし
現在の5レベルを2グループに統合してクラス名称変更、新設のファンデーションクラス(新時代背景にあわせた入門用)を加えて合計3レベルに簡素化された新VKアマチュア制度が2005年全半期にスタートすることが計画されています。現時点で公表された情報は、『限りなく最終に近い中間発表』ということで、2005年の実施時点までに細部にわたっての調整&詰め作業が行われます。
新制度導入後は、新クラスすべてがCW送受能力不問となる予定です。
 
新制度化で統合・新設される各クラス
現行制度 新制度(2005年前半に導入予定)
Unrestricted(AOCP)最上級アマチュア局 Advanced(上級)
Limited(AOLCP)Unrestricted互換局
Intermediate(AOLCP+NAOCP)Unrestricted互換局
Novice(NAOCP)下級アマチュア局 Standard(中級)
Novice Limited(NLAOCP)Novice互換局
該当ナシ Foundation(入門クラス)
 
アドバンストクラスの包括最大出力を1500W/pxに増力する案が有力でしたが、『都市部や住宅密集地域での電波混入や電波被曝トラブルの激増が懸念される』とのことで、包括400W/px以上の最大出力による合法的運用は、現行制度下よりも簡素化された個別申請による『包括外運用許可』という方法に落ち着いた様子です。
 
アマチュア局による通信実験目的で行われる包括指定されたアマチュアバンド以外の周波数での実験運用や、新電波型式による送信などもアドバンストクラス資格者による個別申請によって、前例にとらわれず柔軟な対応がなされるとのことです。
 
アマチュア局による公衆網/インターネット接続は、接続する局の局長責任による自主管理を基軸とした大幅な規制解除。有線側からの『非アマチュア局』によるメッセージが中継アマチュア局を介して管理者不在の自動送信されないようにすることが最重要課題とされています。
 
※コールサインの割当ては現行システムを基本として、新設のファンデーションクラスを含めた4文字サフィックスを2005年より導入することを検討中だそうです。
 
*アドバンスト資格局:
  • アドバンストクラス包括指定によるバンド・モード・上限パワー 。
  • 必要があれば、アマチュアバンド外周波数・上限パワー・モードの包括外申請が可能。
  • 空きがあった場合に限り二文字サフィックスコールサインを取得できる。
  • 送信装置を含む無線設備の自作・改造が包括枠内であれば自由にできる。
  • 試験内容は、上級無線工学+上級電波法規+CEPT互換規則+EMR基準+電波障害関連法
*スタンダード資格局:
  • スタンダードクラス包括指定によるバンド・モード・上限パワー 。
  • 包括外申請はできない。
  • 送信装置を含む無線設備の自作・改造が包括枠内であれば自由にできる。
  • 試験内容は、現ノビスよりも簡単な無線工学+上級電波法規+CEPT互換規則+EMR基準
*ファンデーション資格局:
  • ファンデーションクラス包括指定によるバンド・モード・上限パワー 。
  • 送信装置の自作・改造は禁止、受信装置やアンテナ自作はOK。
  • 送信装置は、別に10W専用機である必要はないが、建前は無改造メーカー製のみ。
  • 技適・認定機種のような制度は予定されていない(自己責任による包括枠内運用)。
  • 無線工学系の難解な出題はナシで、国際法を含む簡単な下級電波法規と運用・操作。

 
▼各クラス別包括周波数帯パッケージ
▼2005年導入予定の新制度による各クラス運用可能周波数▼

アドバンスト クラス

スタンダード クラス

ファンデーション クラス
1.800MHz-1.875MHz    
3.500MHz-3.700MHz 3.500MHz-3.700MHz 3.500MHz-3.700MHz
3.794MHz-3.800MHz    
7.000MHz-7.300MHz 7.000MHz-7.300MHz 7.000MHz-7.300MHz
10.100MHz-10.150MHz    
14.000MHz-14.350MHz 14.000MHz-14.350MHz  
18.068MHz-18.168MHz    
21.000MHz-21.450MHz 21.000MHz-21.450MHz

21.000MHz-21.450MHz

24.890MHz-24.990MHz    
28.000MHz-29.700MHz 28.000MHz-29.700MHz 28.000MHz-29.700MHz
50.000MHz-54.000MHz 52.000MHz-54.000MHz  
144.000MHz-148.000MHz 144.000MHz-148.000MHz 144.000MHz-148.000MHz
420.000MHz-450.000MHz 430.000MHz-450.000MHz 430.000MHz-450.000MHz
1240.000MHz-1300.000MHz 1240.000MHz-1300.000MHz  
2400.000MHz-2450.000MHz 2400.000MHz-2450.000MHz  
5650.000MHz-5850.000MHz 5650.000MHz-5850.000MHz  

*WARC Band と、5.6GHz帯より上のバンド(省略)はアドバンスト級専用となります
*包括最大出力:アドバンスト=400W/px、スタンダード=100W/px、ファンデーション=10W/px
*詳細は【こちら/英文PDF】

 
▼ご参考:現在、VK資格局が日本で開局しようとすると・・・
オーストラリアの資格 日本で認められる運用操作範囲
Unrestricted(AOCP)最上級アマチュア局 級アマチュア無線技士
Limited(AOLCP)Unrestricted互換局 級アマチュア無線技士
Intermediate(AOLCP+NAOCP)Unrestricted互換局 級アマチュア無線技士
Novice(NAOCP)下級アマチュア局 級アマチュア無線技士
Novice Limited(NLAOCP)Novice互換局 級アマチュア無線技士(?不明?)
ご参考:【ARRL⇒FCCの新提案】
 
この記事は日本の皆さんへの単なる『ご参考』に過ぎず、各国ハム制度を比較評価することを目的とはしていません。国際社会からどのように思われようと・・・日本には日本独自のハム制度があって当然です!
【日本アマチュア無線連盟(JARL)が標榜するアマチュアコード】
 
de VK1ARA
Updated:June/2004