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ラッフェンスブルグのたった1軒、空室を温めていたホテル・バルドホルンからドイツ鉄道のローカル線とハムラジオ会場行き無料シャトルバスを乗り継ぎハムラジオへ通いました。フリードリスハフェンへの「旅の栞」です。

 

 
 Hiromichi Fukuda、JA1IFB/KA1Z 
 
     
  ハムラジオ開催地として有名なドイツ南部のフリードリスハフェンから、約20キロメートル北東地帯に中世ドイツの面影を色濃く漂わせる古都「Ravensburg」があります。今年はQTC-Japan取材班の常宿、ホテル・ブッフホルナーが確保できなかったために、ラッフェンスブルグのたった1軒空室を温めていたホテル・バルドホルンからドイツ鉄道のローカル線とハムラジオ会場行き無料シャトルバスを乗り継ぎハムラジオへ通うことにしました。今回のお話はフリードリスハフェンへの「旅の栞」です。


◇ フランクフルト

ドイツ鉄道の時刻表による路線検索地図から引用
 
観光案内書には古都の名称を「ラーフェンスブルグまたはラーベンスブルグ」と和訳されています。

しかし、ドイツ鉄道の駅員、タクシー運転手さんには「ラーベンスブルグ」は通じず、第一シラブルにアクセントをつける「ラッフェンスブルグ」が正しい発音であった。

かかる行き違いもあろうかと予め準備した訪問先住所、電話番号を大書したメモが今回も役立ちました。

2012年6月20日、9時45分に東京成田を出発した、ルフトハンザ航空LH711 便A380-800エアーバス新鋭機は快適な12時間のフライトを終え、小雨降る現地時間の14時30分、フランクフルト空港に着陸した。映画を見ながら機中で気楽に過ごせたもとはいえ空の長旅は身体に堪えます。


LH711便から吐き出された約600人の乗客がフランクフルト空港「Cホール」から長い通路を入国審査ゲートへ向けてぞろぞろと歩いて行きます。筆者は2011年ハムラジオへの途次、ハイデルベルグ駅頭で「73」をジュッセルドルフにあるアルトシュタットのハインリッヒ・ハイネアレーにてビアーケラー「59」を見つけており、遊び心で今年はフランクフルト中央駅15時55分発、ミュンヘン行き特急「ICE599」に乗車しようと試みました。

短い乗継時間を気にしながら、気ぜわしく右や左へ乗客をよけ足早にドイツ鉄道の空港駅へ急いだ。

筆者が乗車したICE599」の運行表示板

フランクフルト中央駅から、初めて降り立つ地「ラッフェンスブルグ」まで約3時間半の鉄道の旅である。そのため、足元の明るい内にホテルへ投宿できればと考えながら、「ICE599」のコンパートメントへ乗り込みました。

検札は簡単でe-チケットとクレジット・カード提示のみ、車掌さんは室温調整を行い、立ち去って行きました。


コンパートメントに一人という安堵感から、ビストロのボーイさんに、「500mlのドイツ・ビール2杯、赤ワイン小ビン1本とミネラル・ウオータ1本、サンドイッチ」を注文。


ボーイは不思議そうに
 『お二人ですか?』と確認。  『いえ、一人です!』、
 『じゃあ、ゆっくり時間をかけ食事を楽しんでください、2度に分けて飲み物を運んできましょう』

という具合で合計38ユーロを支払い「ウルム駅」近くまでノンビリ腹ごしらえをしました。


ウルム駅から乗車したレジオナル・エクスプレス
 

「ICE599」がシュトウトガルト駅で方向転換する頃、車窓から5度も眺めた懐かしい、メルセデス・ベンツ本社工場、ボッシュ本社ビルやウエルナー工場のエンブレムを見ながら、ゆったりした気分で乗換駅の「ウルム駅」に到着です。

今回、「ウルム駅」では、列車の時間調整のためか「ラッフェンスブルグ」行きが停車する3番ホーム隣2番ホームへ「ICE599」が滑り込み、重たいカバンも楽に運べました。

ローカル線とはいえ、写真のような超重量級の機関車が2階建の客車を牽引します。頑丈な構造なのですが、扉は自分で操作しなければなりません。
 
     
 
 
◇ ラッフェンスブルグ
 
「ラッフェンスブルグ駅」の簡単な表示板

ローカル列車は夕方7時過ぎに「ラッフェンスブルグ」に到着。辺りは未だ明るく、一安心です。

タクシー運転手の案内では

『ここは14から15世紀に栄えた商人の街で、今でもドイツ銀行ほか多くの銀行がコンスタンツ地区の金融を支えていますよ、人口は約5万人、ブラゼルツルムとメールゼック塔と城門、グルメにより観光客を呼び込んでいます』

ということでした。








古都「ラッフェンブルグの中心部風景」

早朝、6時だったでしょうか、多分ブラゼルツルム塔の鐘の音で目覚めました。ホテル前の中央広場周辺に15軒程のテラス・レストランがあり、ランチ時間から深夜まで観光客が大勢集まり、大変な賑わいを見せます。

メールゼック塔へ向かう道路面の左半分が珍しい90角のホワイトペルラー石のピンコロ舗装のため、少し表面が波立って黒く見えています。

QTC-Japan取材班が宿泊した由緒あるホテル・バルドホルン玄関の羽目にも、灰色石肌にエンジ色の海老の化石が点在する「アウフリジーナ・フロリータ」大理石が貼ってあり、年代を偲ばせるには充分であった。
 
夕食準備中のエンジェル・テラス・レストラン
 

ホテル・バルドホルンでは静かな居心地の良い部屋へ案内され一息入れるも、いかんせん部屋から国際電話が利用できず困りました。フロントは『今まで日本へ電話した方はいません、電話交換手に相談してください』という。

ほどなく、英語が話せる経験豊かな交換手が顔を出し、フロントの電話持ち上げ、こちらのメモ通りに日本を呼び、話しなさいと目で合図をくれる、

『無事にドイツへ着いているよ』

とのみ家族に伝え、

『それで電話料金は・・・』 と尋ねると、

『次回もこのホテルに宿泊してね』



交換手は奥の事務室へと姿を消して行きました。

「ラッフェンスブルグ」は2時間も散策すれば凡そ観光できる「ひげ文字」のドイツ語が通用する古都です。本誌編集長、川合さん(JA1FUY/NV1J)と夕食をご一緒したホテルは、スパンドレルに「エンゲル・レストランとホテルへ」と「ひげ文字」で書かれ、アマチュア無線家が喜びそうな地番「73」を添え、電文調の表札を掲げていました。
 
 
◇ フリードリスハフェン・シュタット
 
フリードリスハフェン・シュタット駅玄関全景

いよいよハムラジオの玄関口、ドイツ鉄道のフリードリスハフェン・シュタット駅にやってきました。

この地には、フリードリスハフェンを冠する駅が、空港駅、シュタットおよびフリードリスハフェン駅と3ヶ所あります。

駅舎の内部は写真のようなキオスク、みどりの窓口およびチケットの自動販売機、公衆電話が配置されています。
 
玄関左側のキオスクとマクドナルド売店 玄関右側にある日本式みどりの窓口
 
玄関中央通路にある自動販売機 ドイツ鉄道ローカル線の時刻表
 
駅前バス停でシャットルバスを待つ参加者達

シュタット駅3番ホームから地下道を通りボーデン湖口に抜ければ、そこには改札口がなく、数段の階段を上れば美しく草花が植えられたシュタット駅前広場のバス停にでます。

駅前から無料シャトルバスがハムラジオ会場へ運行されており、バスはシュタット駅を出発し、途中、ボーデン湖対岸のスイス・ロマスホルンとドイツ・コンスタンスからフェリーで到着する仲間をフリードリス波止場で拾い、ハムラジオ会場へ向かいます。

車内では色々な外国語が飛び交い、あたかも幼稚園児の遠足のように賑やかなことは紹介するまでもありません。
 
取材を終え、帰り道は冷たいビールと美味な食事が待っている街へタクシーに乗り込み直行、シュタット駅近郊まで15ユーロ、所要時間は約10分です。
 
 
◇ ツエッペリン博物館
 
ハムラジオ会場へしばしば飛行船が飛来します。ハムラジオ特別企画では船上から小型トランシーバ操作が許可されるとあって、30分間の搭乗料金は200ユーロでも人気があります。この地でツエッペリン伯爵が飛行船を開発し、フリードレスハーフェンからアメリカ大陸および日本へと飛行船を飛び立たせました。そうして、彼の発明を余すところなく展示している白亜の「ツエッペリン博物館」がボーデン湖畔にあります。

『あれえ、こんな工夫をしているの?』と驚く事もあり、時間が許せば博物館の見学をお勧めします。
 
白亜のツエッペリンツエッペリン博物館 ヒンデンブルグ号の海図と航海日誌
 
 
◇ あとがき
 
無事チケットを買いほっとする筆者

順風万帆に思えた旅にも帰国する24日の早朝に困ったことに遭いました。というのも、ラッフェンブルグ駅の「みどりの窓口」は朝8時にも関わらず日曜日のためか休業。

フリードリスハフェン空港への乗車券は自動販売機から自分で購入せざるを得ません。

たまたま居合わせた女性にお願いしたが、『急ぐので』と断られてしまいました。

仕方なくQTC-Japan取材チーム2人は、使用言語、行き先と支払い法を慎重に自動販売機へインプットし、めでたくチケット購入に成功!
 
ところが、一難去ってまた一難、計画していた8時12分発の空港行き列車が到着しない。さあ大変だ、駅舎の中階にガラス張りの小部屋に人影を 見つけタラップを登った。幸いにも小部屋は操車室で、係員がモニターを見ながら質問に答えてくれた、曰く 『今日は日曜日で8時12分は運休、次のフリードリスハフェン空港行は3番ホームから発車する』。 聴き違えがあるかも知れない不安に加え、フランクフルト便の出発時間が迫ってくるし、最悪事態を考えタクシー利用も計算に入れました。
 
はらはらしながら待った8時27分の列車で、なんとか空港駅へ辿りつき、川合さんはLH93便でフランクフルト経由帰国の途へ、筆者は彼が空港のカウンターに入るのを見届け、個人旅行をする折には事前準備が大切であると改めて反省しながら、ローカル線に再び乗り込みジュッセルドルフへ上って行きました。
 
今回のハムラジオ取材旅行は、ホテルからハムラジオ会場へ公共機関で所要時間40分、交通費は片道4.9ユーロ、タクシーを利用すれば所要時間15分、30ユーロ、日頃の通勤に比べれば楽な移動です。
世界3大アマチュア無線祭典のひとつハムラジオへ参加を計画されている方々のご参考に、レンタカーなしの旅程を紹介しました。
 
de JA1IFB/KA1Z
 

QTC-JAPAN.COM 2012.08.27
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