Hirotada Yoshiike JA0SC 
SSTV DX NEWS  【マルケサス第1報】
  現地からの速報  【マルケサス第2〜5報】
 
     
 
図1 マルケサス諸島図

はじめに

太平洋、インド洋でSSTVの未運用と思われるエンティティを回ってきたこれまでのDXぺディションも、範囲が狭まりやや厳しくなっています。

最初インド洋の島で「フランスの貴婦人」といわれる3B8「モーリシャス」を予定して準備を進め、運用地の免許取得と場所を確定していましたが、田中さんが3B9 DXぺディションの行き帰りに運用することが分かり、急遽変更したのが今回の場所となりました。

FO、French Polynesia のMarquesas Is.とAustral Is.は、別 Entityとして有効になったのが1998年 4月 1日からですから、当局がSSTVを始めたころになります。DXCC、現存335 EntityでまだSSTVが運用されていないところがどこであるか分かりませんが、知りうる限りではここマルケサス諸島はFirst Everになると考えます。オーストラル諸島は、昨年SSTVが運用されました。

どたばたした免許取得

昨年 4月に旧電監から英文証明をもらい3B8に原文は使いましたが、コピーをとっておいたのを今回使いました。日本とフランスとの間には「相互運用協定」があり申請はいらないのかと思いましたが、JARLの国際課に問い合わせると必要とのことで準備しました。
もちろん交付申請書とパスポートの写し、運用日程を添えるのですが、これは後回しにして「免許取り扱い官庁」に郵便で昨年の11月13日に送りました。手数料は無料です。画面1 今回の免許証

写真1 ホテルテイアレタヒチから見たパペーテ港

送った場所が後で分かったのですが、「HAUT-COMMISSARIAT DE LA REPUBLIQUE EN POLYNESIE FRANCAISE」フランス高等弁務官事務所でなく、タヒチの「CELLULE DES POSTES ET TELECOMMUMICATIONS」郵政省に送ったのがそもそも間違いの発端となりました。

その結果、高等弁務官事務所から『間違いだから申請し直すように』とのフランス語の文書を読み違えて(仏語はまったく知らない)ただ単に『取り下げよ』と理解して対応しました。
図2 高等弁務官事務所位置

この間の事情を説明すると長くなるので、結果のみにすると困った挙句の果てに彦さん「註1」におすがりして1件落着となりました。


運用場
所の選択
写真2 NUKU Hiva島

Marquesasu Isでの運用はJA1OEM,豊福、JA1ELY、草野両OMの運用記が”月刊ファイブナイン”の2000年 6月号と、2001年 2月号に掲載されております。その時の場所が「NUKU Hiva島」のNUKU Hiva Villageホテルですが、ロケーションは運用に適さず50MHzの運用を「運転手つきレンタカーを使い山岳モービル移動」でQSOできたと書かれています。

そこで、
インターネットでタヒチ観光のホームページを探し「Dream-islands.com」「註2」を見ると、800mの高原に「Le Ferme de Toovii」というペンションがあることを知りました。E-mailアドレス「註3」もあり連絡をとったのですが、メールが届かず帰ってきました。

しかたなく郵便を出し、メールアドレスを聞き返事がメールであったのは確認したのですが、不注意で控えることなく消してしまいました。再度郵便で問い合わせて 2回ほどやり取りしたのですが、フランス語で帰ってくるので止む無く電話を掛けて「Do you speak English?」と聞くと「ノー」が帰っていきました。

とりあえずここに決定(フランス語の問題は棚上げ)、だんまりで行こうと考えました。 場所について当初の思惑では峠にあると想定したのですが、結果は周囲が山に囲まれてちょうどフライパンの底の中央といった感じです。しかし、周囲の山は1つにみやや高いのですが、見渡す山並みは目どうりにあって低く、心配するほどのものではありません。、

写真3 ペンション「Le Ferme de Toovii」 写真4 バンガロー前のアンテナ

 
     
 
■ 運用日程の作成
免許の取得が決まらないのですが、予定の「NVCGコンテスト」の 4月中旬が迫ってきたので、航空券の取得、宿泊日程などの運用日程の作成に取り掛かりました。前回までの旅行会社に問い合わせてみた結果タヒチには弱いのか反応がありません。そこで「タヒチ観光局」のホームページ「註4」にあった「アルファトラベルサービス」に連絡すると、ただちに対応してくれました。

「餅は餅屋」の諺を地で言いったようなものです。 免許交付をはじめ事前に取得できるよう要請したのが間違いの原因であきらめ、取得のためタヒチ島のパペーテに1泊、帰りのフライト待ちで 1泊、週 3便(往き月、火、土、帰り日、月、金曜日)のフライトを勘案して週末の土日を中に設定することなどあれやこれやで悩みました。その結果NUKU Hiva島 5泊、前後パペーテで各1泊の7泊、9日間(日付け変更線の関係)の日程を組みました。平成16年 4月12日成田出発、20日帰国の日程でした。
 
■ 免許取得を確信、出発
写真5 NUKUHiva行きプロペラ機
免許取得の確信を得たのは2004年 4月 1日に彦さんからのE-mailで、パペーテからの文書の内容が「取り下げ」ではなく「申請場所の間違いで再提出を求められた」のだと分かり、直ちにFAXで送付した時でした。

以後、特急列車で進行、航空券を発注、手元に届いたのが 8日でした。今回格安航空券を使ったにもかかわらず、旅行会社にはこの間、大変なご心配をいただき感謝します。 成田出発は 4月12日午前11時30分なので、長野からは当日出発では間に合わず前日、成田空港内のホテルに 1泊 しました。

タヒチ行きの航空会社は「エアタヒチヌイ」で2、4、2の座席のうち真ん中の4席はほとんど客がなく、ゴールデンウィーク前が影響しているのかなと思いました。11時間の飛行時間は近年経験がなく長くつらいものでした。
 
■ パペーテ到着、タヒチ観光
写真6 美術館内のモアイ像(イースター島のモアイ像の原型となった)
今回の携行荷物の重量には格段の神経を使わされました。というのは各種案内書に超過料金は 1人20Kgを超過1kg当たり 5千円あまり取られると書いてあります。しかも厳しいチェックがあるとのことで極力重量を抑えることにしました。

アンテナで気になるのがエレメント用角パイプです。これを水道管のエタニットパイプに交換して減量したのですが、強度にやや難点がありそ うですが、短期間の運用なので良しとしました。このほか衣類は春、夏両方を用意なければならないのを夏物は極力減らしました。

ただし、タヒチの空港、税関はノーマークで拍子抜けでした。 免許をもらう高等弁務官事務所は英語が通じないので、通訳を同行するか自身がフランス語を話すことが必要とのことから旅行会社と折衝の際、この点を打診すると思わぬ出費を強いられることが分かりました。

そこで彦さんのホームページにあるタヒチ島内ツアーをお願いしてその時事務所へ寄っていただくことにしました。ところが、あいにく当日は「イースター・マンデー」であることが後で分かり、その対応に一汗かかされました。結局彦さんに一筆紹介文をフランス語で書いてもらいそれを持参しました。

彦さんに案内いただき 1日タヒチ観光を行いました。島内にはいくつかの観光スポットを見ましたが、画家ゴーギャンの美術館で生前売れなかった絵の複製を沢山見ました。ほとんど人物画であることが印象に残りました。島は古墳の前方後円墳の形をしており、その前方部(ヌイ、大きいをあらわす)の周辺道路を一周するものでした。
 
■ 最悪だったバンドコンディション
画像1 PY7ZZ
運用の詳細は第 5報までの現地リポートにまかせ結論を申し上げますと、どうにもならないコンデションであったといえます。

CW,SSBの運用ならばバンドによりそこそこに応答があるのでしょうが、SSTVはマニア的運用に頼るのですから影響は深刻でした。期間中 2回 4月16日、07:19UTCから09:44UTCまで、17日、05:49UTCから08:03UTCまでの間連続してコンタクトしたのみでした。

第1回目のSSTVの途中RTTYに移行した16日、08:20UTCから10:19UTCまでパイルらしいパイルがあったのみでした。その他の間はRTTYで前後 2回、SSTVでやはり前後 2回散発的にコンタクトができただけでした。都合SSTV 70局、RTTY 79局、PSK31が数局にとどまりました。

EUs、南北アメリカは、最初に南米でPY7ZZYV1DIG、その後EUsでSM5EEPSP4KMのみで、北米はXE1HONVE6SLなどとコンタクトしました。結構、SSTVが運用されて画像が入ってくるのですが、こちらのコールに関心が薄く(SSTVコンテストでも同じ)アメリカンSSTVersはDX SSTV に注目していないように感じられます。

Mode
JA's
Other
Total
SSTV
51
19
70
RTTY
61
18
79
PSK31
数局
運用中、今回免許の取得に当たってお世話になった「C.O.R.A.Club Oceanien de Radio et d'Astronomie」の会長FO5QBと事務局長FO5QJが呼んでくれたので、感謝を伝えました。ただ画面はたどたどしくMMSSTVは使われていないように思いました。
 
■ NUKU Hiva島の風土
今回「蚊」には大変悩ませられると同時に後遺症?でひどい目に遭いました。現地リポートでも「JA1OEM、JA1ELY」さん達がその運用記で触れられているといいましたが、この点を見過ごしたのが誤まりでした。 バンガローに落ち着いた直後、ペンションのBoss「ISMAEL」が蚊「現地語でノ・ノ」(日本のブヨより一回り小さい)を防ぐため塗り薬をもってきて塗るように指示されました。

これを甘く見て使わず、もっぱら蚊取り線香の効果を買いかぶったのが誤りでした。蚊取り線香は室内で効果抜群でした。 しかし「ノ・ノ」は屋外の敵で、室内には入ってきません。食事などでペンションに向かう途中、アンテナの向きの変更などで屋外に出ることが多く、知らぬ間に両手に数匹たかっていて刺された時になって気がつき後の祭りです。食堂でもクロスの下にいたらしく足も散々やられました。首も一部刺されています。露出した肌すべてです。

写真7 手にノ・ノの傷跡 写真8 リトル・キャニオン

NUKU Hiva島は火山島でFrench Polynesiaの島々も同じですが、違いは回りに珊瑚礁ができないことです。理由は聞き忘れましたが、気候に関係があるようです。ペンションのある島の中心部は、牧草地や耕地、森林などの農耕地で牛が多数飼われ、これが蚊などの発生に繋がっているのではないでしょうか。
「郷に入っては郷に従え」を守らなかった罰でした。 空港からペンションへの途中「リトル・キャニオン」と呼ばれる渓谷はすばらしい眺めのひとつです。
 
■ 現地からのリポート
ペンションの皆さんと一緒 (前列中央が筆者、その右側XYL)
インターネットの普及率は低いらしく、免許交付機関の、フランス高等弁務官事務所にもE-Mailアドレスがありません。
主な宿泊施設にはあり、ペンション「Le Ferme de Toovii」にも「ferme-auberge@mail.pf」があったのですが、タヒチのホームページで「−」の部分が「.」に間違っていて結局事前には使えずじまいでした。

運用中今回もリポートを送るためBossに頼むと気軽にOKしてくれて、5日間の滞在中計 3回リポートできました。パソコンは古くWindows98を使用、なによりも障害は使用言語が当然ながらフランス語なので、送信のため使うポイントが特定できないことです。
そこであらかじめ必要なポイントの英文と日本語訳をメモして臨みました。
 
■ 終わりにあたり
FO/JA0SC QSLカード
今回の運用でお世話になったJARL事務局国際課、FO5QV ヒコさん、FO0SAI 斉藤さん、JA1ELY 草野さん、C.O.R.A.のFO5QB、FO5QJ、旅行会社などの沢山の皆様のご協力をいただいたことを紙上をお借りして感謝申し上げます。 ja0sc@ac.mbn.or.jp

彦さん「註1」 http://chez.mana.pf/~hiko  
「 Dream-islands.com」 「註2」 http://www.doriimu-airando.com/francais/mfpguid1.htm
ペンションのE-mailアドレス 「註3」 ferme-auberge@mail.pf
「タヒチ観光局」のホームページ 「註4」 http://www.tahiti-tourisme.jp/index.html
de JA0SC
QTC-JAPAN.COM 2004.5.1

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