MFJ 1.8-170MHz SWR Analyzer インプレッション by Hideo Ono, JA1BU
付録:Q & A
     
 

タヌキの道楽はモービルアンテナをいじることですが、いくらタヌキでもアンテナの調整は第六感だけでは無理で測定器が必要です。まずはVSWRメータ、そしてディップメータ、若干変わったところではノイズブリッジといったところです。

ところが、強くローディングしたアンテナや多周波化したアンテナをいじっていると、これらの道具と手持ちのトランシーバーだけでは五里霧中のハグレダヌキとなってしまうことがあります。どうしてもインピーダンスを広い周波数範囲にわたって測れる機器が欲しくなります。

今までにも、AUTEK、MFJ、三田無線などからそれに類した機器が出ていましたが、インピーダンスを純抵抗分とリアクタンス分に分けられないとか、値段が高いとか、 操作が面倒とかの難点がありました。ところがMFJ-259Bがある程度それを解決してくれたようなので、木の葉をかき集めてお店に持って行きました。


▼ アメリカでも口さがない人たちから「製品じゃなくてジャンクだと言われるMFJのハム用グッズだが、見てくれは悪くても、アンテナ調整に使用してきちんとしたデータが取れるのですから気に入りました。

 
     
 
 
「うーん。オモチャ臭いなあ」というのが第一印象です。ケースはアルミ板を無骨に折り曲げただけで雑な黒色塗装です。LCDと2個のメータの窓は四角に打ち抜いただけ、2個のツマミはあり合わせを持って来た感じ、表示は白字のハンコ。片手で持つには少し大きすぎて0.9kgもあります。少なくとも外観は大人の商品に達していません。  

頭部のアンテナ接続用M−Jと周波数カウンタ用BNC−Jの両コネクタの横にグラウンド用のターミナルが付いています。これが頭が6ミリくらいのチャチな6角ナットで、おまけにネジ切りがいい加減なので指で回りません。ネジをさらい直して給油して一応まともにしました。8〜12ミリにすれば良いのに。  

パネル上端部に付いている電源スイッチは押しボタンスイッチなので、ちょっと触れるとONになってしまいます。クルマの座席に乗せて運んでいるうちに、いつの間にか電源が入ってしまっていました。もちろんカバンに入れて持ち歩けません。これはロータリースイッチかトグルスイッチでなければなりません。  

電源は単3型電池10本でちょっと大袈裟ですが、機器の構成と電池の入手性を考えるとそれで良いとしても、収容部の蓋が2本の小さなプラス頭のビス止めでは不親切です。これでは電池交換にドライバー必須となりフィールド使用に不便です。うっかりすると電池のスペアは持って来たのに替えられないという悲喜劇になります。はめ込み蓋か蝶ネジかターミナル型ネジかコインで回せるネジにするべきです。  

開けて中を覗いてみました。プリント板が汚れていて指紋が残っています。電池ケースにも歪みと傷があります。先述の回らないネジを含めて製造品質は良くありません。そして中はガラガラです。放熱や安定性などを考えても体積を半分にできるでしょう。そうなれば軽くなって使い勝手が良くなるでしょう。部品構成を再検討し、リチューム電池を使えば4分の1になるでしょう。

3ミリ厚くらいのゴムシート製のソフトケースが付属しています。機械的な保護には役立ちますが、これに入れるとバンドスイッチのバンド表示が読めなくなります。もしキャリー専用のケースとして備えられているのなら、2個のツマミが出張り過ぎて邪魔していたり、ケースが窮屈過ぎて本体の出し入れに手間取るのを改善しなければなりません。
 
測定するアンテナが平衡型の場合は、付属のアダプタでM型レセプタクルとアース端子に結び付けて使用する MFJ-259Bをディップメータとして使用することができるアクセサリ。MFJ-66はUS$24.95で1.8〜170MHzをカバー
VHFを担当するMFJ-66の発振コイル。通常はゴム製のカバーを被っている。写真は撮影用にカバーを外したところ MFJ-259Bのアンテナ端子周辺。内部ジャンパーの切り替えで外部電源端子から内蔵したニカドバッテリーを充電できる
 
 
既知のダミーロードや抵抗、コンデンサなどでチェックしてみたところ、妥当な値を示しました。周波数ツマミによる周波数合わせは4桁がやっとですが、デジタルで見えてしまうから5桁目が気になるだけで、もともと求められる測定精度は3桁程度ですから、これで充分でしょう。そうは言ってもやはりツマミは小さ過ぎます。内蔵発振器の周波数安定度は良く、受信機で聴くと28MHzあたりでもしばらくビート音が持続します。また、アンテナ端子の負荷からの影響も無く安定です。  

丁度、2種類のモービル用マルチバンドアンテナのデータ採りの必要があり、早速使用してみました。そこで気が付いた点を述べます。  まずバンドスイッチの回転が常識と逆です。通常は低い周波数帯が左端で、時計回りに高い周波数帯に移りますが、このメータは左から114-170MHz、70-114MHz、27-70MHz、10-27MHz、4-10MHz、1.8-4MHzと逆になっています。しかし周波数調節バリコンの方は時計回りに周波数が高くなります。使いにくいです。  

周波数、抵抗、リアクタンス、SWRがLCDにデジタル表示され、SWR、インピーダンスがメータでアナログ表示されるので、大まかな傾向はアナログで捉え、詳細なデータはデジタルで測ることができ、ブリッジタイプのインピーダンスメータに比べると大変に使い易く便利です。  

リアクタンスが容量性か誘導性かの判別はできませんし、並列共振点などでリアクタンスが大きくなるとゼロを示すので、アンテナ調整に使うには少しオツムを働かせる必要があります。  

クルマのトランク上にメータを置いてアンテナを測定していたところ、ボディーはそんなに熱くならなかったのにLCDが全面青くなり読めなくなりました。また、ゴム足を貼り付けた糊が溶けて足があらぬ所に移動してしまいました。  

数時間連続測定したので電池を交換しましたが、ネジをなくさないように気をつけながらドライバーを使わなければならず、特に屋外使用には不適と感じました。
 
純正のキャリングケース(MFJ-29C US$24.95)。便利なグッズだが、装着すると操作パネルの表示が見えなくなる ドライバーを持参しないと電池交換もままならないところも、MFJらしい? 使用しない時は外部電池端子にダミーのプラグを装着して電池切れを防止すると良い
本体と表示部の2枚のプリント基板により構成されているMFJ-259Bの内部。作りは悪くても性能は使用に十分耐える 価格と性能を総合評価すれば、これほど面白い測定器は見当たらない。MFJにはさらに頑張ってもらいたいものです
 
 

いろいろと文句もつけましたが、結論からいうと、なかなか役に立つオモチャです。難点はありますが、アマチュアがその辺を心得てアンテナいじりなどに使うには充分です。

商品として一流ではありませんが開発途上品と解釈すれば良いでしょう。というわけで、MFJ-259Bはタヌキ小屋の測定器の一員になりました。  MFJではここに指摘した問題点を改良してより良い製品を作って貰いたく思います。 それにしても、日本にはこの様な面白いモノは誕生しないのでしょうか。

 
MFJ-259Bの価格と購入
MFJは日本から直接オーダーにも応じてくれます。メーカー発表小売価格はUS 289.95ドルです。
MFJ-269 (1.8-170MHz plus 415-470MHz SWR Analyzer) はUS 389.95ドル
 
▼ 【ご参考】 MFJ-259B.の広告(QST)は、
 左のアイコンをクリックしてご覧になれます。
 
28.640MHzモービルハムの活動はこちら
【モービルハム28.640解散後 10年目特別記念集会】
日本の宇宙開発の草分け的な存在で、 NECに於いて東大宇宙研、
宇宙開発事業団等の初期の国産衛星の開発に大きく貢献された。
技術士(航空・宇宙)、元JARL技術研究所長
 
QTC-JAPAN.COM 2010.12.22
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