ICOM IC-7400 HF All Band + 50/144MHz <SSB・CW・RTTY・AM・FM>TRNSCEIVER
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HF〜144MHz帯をカバーするマルチバンダーとして人気の高いIC-746をベースにネーミングも新しいIC-7400が誕生しました。 外観はHFの最高峰IC-756PROUにそっくりです。もちろん見た目ばかりではなく、同機で培ったデジタル技術の粋を投入し、32ビット浮動小数点DSP&24ビットAD・DAコンバーターを搭載した逸品です。 高機能群を満載しながら、この価格(\218,000)は、歓迎されてしかるべきでしょう。

幅95ミリ×高さ60ミリの大型LCD(液晶)ディスプレイをフロントパネル中央に配置するICOM独特のデザインは高級感に溢れています。そして周波数を表示する文字は高さ約12ミリ太い文字は読みやすく視認性を際立たせています。

このディスプレイにはマルチファンクションメーターなど29もの表示がLCDディスプレイに収められています。 ここを見ればIC-7400の全ての動作状況を目で見ることができるわけです。整然と配置されたバンドキー、大型のメインダイヤルなど機能的なデザインは、あくまでも美しくマニアの心を捉えて離しません。

▼ IC-7400のおもな特長 ▼

●32ビット浮動小数点DSP&24ビットAD・DAコンバーターを搭載
HFオールバンド+50MHz+144MHzのすべてのバンドで使用できる、各種デジタル高機能群を実現しています。

● 受信しながらフィルターシェイプを選択できる51種類のデジタルIFフィルター
バンドコンディションや運用形態に応じてシャープ、ソフトの2種類からフィルターシェイプが選択できる、デジタルIFフィルターを搭載しています。このフィルタシェイプはSSBとCWそれぞれ独立して設定できるだけでなく、実際に信号を受信しながら切り替えることができますので、状況にあわせて最適なシェイプを瞬時に選択することができます。もちろん、HF〜144MHz帯まで対応しています。

● DSPによるAGCループ内処理
IC-7400は、デジタルIFフィルター、マニュアルノッチフィルターなどをDSPによるAGCループ内で処理。これにより、フィルター外の隣接周波数の強信号によるブロッキング根本的に追放し、目的信号に対してのみAGCを動作させるが可能です。AGCによる不本意な感度抑圧を受けることがありません。

● HFオールバンド+50MHz+144MHzオールモードを搭載
HFオールバンドに加え、VHFオールバンドも搭載。
HFによる海外局との交信から、スリリングな50MHz帯、さらには144MHz帯でのラグチューに至るまでこれ1台で対応できます。また送信出力はHF/50MHzで100Wを実現。144MHz帯でも余裕のある50W*出力を確保。*EME等のための免許申請目的に限り、144MHz帯出力改造措置(有料)が可能


● 高度なデジタル機能群
・オールモードに対応したデジタル変復調。
・RTTY用デモジュレーター&デコーダーを標準装備。
・混信を鋭くカットするデジタルツインPBT。 ・超低歪み、RFスピーチコンプレッサー。
・送信音を自在に設定、マイクイコライザと送信帯域設定機能。
・DSPによるマニュアルノッチとオートノッチ。 ・抑圧レベル可変型のノイズリダクション                                           IC-7400 の定格はこちら]

■IC-7400の印象
精悍なブラックフェイスに大型LCDディスプレイを中心よりやや左側に配して、思い切り大きくした周波数表示がとても見やすくて印象的です。中でもデジタルTWIN PBT(ツイン・パスバンドチューニング)の通過帯域幅表示が視覚的に分かりやすく使い勝手が最高です。

周波数帯
運用モード
IC-7400
HF帯
SSB/CW/RTTY/FM
5以下〜100W
AM
5以下〜40W
50MHz帯
SSB/CW/RTTY/FM
5以下〜100W
AM
5以下〜40W
144MHz帯
SSB/CW/RTTY/FM
5以下〜50W TYP
AM
5以下〜20W TYP
同時にデジタルIFフィルターの切り替えにも注目してみました。少し前まではオプションのフィルターを個別に挿入していましたから、はじめから標準装備、それも設定範囲を変えられるのですからただただ驚くばかり! 以下に興味の赴くところ特長の一端をご紹介いたしましょう。

■デジタルTWIN PBT機能の使い方(取扱説明書p.49)
デジタルTWIN PBT機能は、IF段の通過帯域幅を帯域の上側と下側から連続的に狭くし、混信を鋭くカットする機能です。
@通常【TWIN PBT】は、2段ともセンター位置で使用。
A受信周波数に近接する混信があるときは、デジタルTWIN PBTの内側(PBT1)と外側(PBT2)を、それぞれ逆方向に回して通過帯域を狭くすると、帯域の上側または下側の混信を鋭くカットできる。 このとき、デジタルTWIN PBTの可変量(通過帯域幅とセンターシフト量)を表示し、捜査後、約1秒後に消灯します。(ポップアップ機能)
B【FILTER】を長く押して、FILTER設定画面にすると、通過帯域が変化する様子を見ることができる。
■デジタルIFフィルターの切り替え(取扱説明書p.50)
運用モード
FILTER標準値
設定範囲(ステップ幅)
SSB

FIL1(3.0kHz)

50〜500Hz(50Hz)/
600〜3.6kHz(100Hz)

FIL2(2.4kHz)
FIL3(1.8kHz)
SSB-D
CW
FIL1(1.2kHz)
50〜500Hz(50Hz)/
600〜3.6kHz(100Hz)
FIL2(500Hz)
FIL3(250Hz)
RTTY
FIL1(2.4kHz)
50〜500Hz(50Hz)/
600〜2.7kHz(100Hz)
FIL1(500Hz)
FIL1(250Hz)
AM
FIL1(9.0kHz)
設定不可
FIL1(6.0kHz)
FIL1(3.0kHz)
FM
FIL1(15kHz)
設定不可
FIL1(10kHz)
FIL1(7.0kHz)

IC-7400に装備しているデジタルIFフィルターの通過帯域幅を運用形態に応じ、FILTER設定画面で選択できます。

普段は[FILTER] を短く押し、右の表のようにあらかじめ設定している標準値の通過帯域幅 FIL1(ワイド)/FIL2(ミドル)/FIL3(ナロー)を切り替えて使用します。

FILTER設定画面により、各種運用モードごとにFIL1/FIL2/FIL3
の通過帯域幅を設定でき、よりクリアな受信ができます。

■簡易バンドスコープ機能 (取扱説明書p.46)
バンドスコープは、一定の周波数範囲内で信号が出ていないかをチェックするときに、目で見えるようにした機能です。FMモード運用時の」空き周波数を探すだけでなく、HF帯のバンドコンディションの把握にも利用できる便利な機能です。

バンドスコープの表示  上下方向に信号強度、左右方向に周波数幅を表示し、上下方向にドット数がおおいほど強い信号が入っていることになります。
信号の強度は、Sメーターレベルの”S1〜S9"までを上下方向に1〜9ドットで表示し、S9を超えるときは+10dBごとに1ドット追加表示します。ただし、+50〜60dBは14ドットとします。周波数幅は、表示周波数幅を中心に±30ステップで表示します。

スイープのしかた
@メニュー1で【F5】(SCP)を押し、バンドスコープ画面を表示する。
Aメインダイヤルを回し、観測したい周波数をセットする。
B【F5】(STEP)を何回か押し、スイープステップを選ぶ。
Cメインダイヤルを回して信号の出ている周波数に移り、その周波数交信したいときは、そのまま通常の交信をする。
D受信中、選択しているスイープステップで最新のバンド状況が知りたいときは、【F1】を押す。
■RTTYデコードの表示(取扱説明書p.38)

受信したRTTY信号を出コードし、IC-7400のディスプレイに文字列を表示できます。 RTTYでコード表示は、2行表示または3行表示を選択することができる。

RTTY信号を受信するだけのときは、外部機器の接続は不要。 内蔵のデモジュレーターとデコーダーで、マーク周波数が2125Hz、シフト幅が170Hz、45bpsのRTTY信号だけを解読できる。

@【MENU】を短く押し、メニュー1を選び、【F4】(RTY)を押すと、RTTY設定メニューを表示する。
A【F2】(DEC)を押し、RTTYデコード画面を表示する。RTTY信号を受信すると、解読した文字を表示する。
B【F2】を押すごとにホールド機能”ON/OFF"し、ホールド中は”H"表示を点灯し、受信文字列をホールドする。
C【F3】を長く(約1秒)オスと、それまでに受信した文字列を消去する。
D運用後、【MENU】を押すとRTTYでコード画面を終了し、前の表示に戻る。


■SSTVの接続
後面パネルのACC(1)ソケット(8PIN)とサウンドカードを接続します。ACC(1)ソケットは後面パネルの中央下部に位置します。

IC-7400 ACC(1)ソケット(8PIN)

パソコンカード
8PIN[4]信号入力
SP出力
8PIN[5]オーディオ出力

LINE IN またはMIC IN

8PIN[6]PTT

パソコンのRS-232C(RTS/GND DB25 pin4/7)
(RTS/GND DB9 pin7/5)

IC-7400とサウンドカードの間にアダプタを挿入してお使いになられると良いでしょう。
SSTVのソフトウェアは、今評判のフリーソフトウェアMMSSTV 1.05がお勧めです。
アダプタについてはこちらを参考にしてください。 PSK31とSSTVは同じアダプタが使えます。
■HF+50MHz+144MHzバンドの意味するところ

HF+50MHz+144MHzの+(プラス)表示は、IC-7400の開発コンセプトを見事に現しています。HFバンドの多機能そのままに50MHz帯オールモードトランシーバー、144MHz帯オールモードトランシーバーとして使えることを意味します。つまり3台のトラーシーバーを手に入れたのと同じと考えて差し支えありません。

430MHzも入れて欲しい、そして1200MHzもあればいいという向きもあるでしょうが、ICOMにはIC-910がありますから、高い周波数帯を狙われる方は、そちらを選択されたほうがよろしいと思われます。あれもこれも加えますとコストが上昇し定価に反映するのは必至です。入門者に買いやすい値段設定こそがユーザーには何よりもありがたいと思うのですがいかがでしょうか。もちろん高い性能と低価格は、アマチュアのエキスパートからもろ手をあげて歓迎されるでしょう。

オートアンテナチューナー内蔵 : 1.9MHz〜50MHz帯を振るカバーする高速オートアンテナチューナーを内蔵。1度運用したバンドの整合状態を自動的に記憶するバックアップメモリーにより、バンドチェンジにも即応。

デュアルアンテナ端子と144MHz帯専用アンテナ
:合計3つのアンテナ端子を装備。HF+50MHz用デュアルアンテナ端子は、オートアンテナセレクターにより、バンドチェンジに連動してアンテナ端子を切り替えることも可能。HF用よ50MHz用の使い分けや、HFローバンド用とハイバンド用、さらにはコンテストバンド用とWARCバンド用での使い分けなど、多彩な用途に対応できます。
また、144MHz用アンテナ端子は独立していますので、専用アンテナが接続できるほか、さらにハイパワーでEME等を行う場合、リニアンプの接続も容易です。

■結び

IF DSP機の標準スペックとして位置付けている32ビット浮動小数点DSP&24ビットAD・DAコンバーターを搭載したIC-7400((218,000円)が正直欲しくなりました。(笑)
アナログ機がいいと意地を張っていましたが、あらゆる面でIF DSPの高性能を耳で感じ取りました。

バンドごとにトランシーバーを用意するのもいいのですが、1台に集約して狭いシャックを整理したい気持ちもあります。IC-756PROUに及ばないとしてもRTTY用デモジュレーターとデコーダーの標準装備もうれしいですね。それにVHFのファンには、144MHz帯オールモードがいっそう喜ばれるに違いないでしょう。

 

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レポート:JA1FUY
QTC-JAPAN.COM  協力:アイコム株式会社 (2002.01.14)

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