YAESUHF/VHF/ MULTI-MODE TRANSCEIVER 
[FT-857新製品情報]
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FT-857は、100Wの高出力でHF帯から430MHz帯までのすべてのアマチュアバンドをカバーしたYAESUブランドのコンパクト・トランシーバーが発売になりました。
FT-857(100W) とFT-857M(50W)、FT-857S(10W)の3モデル、価格はいずれも128,000円(税別)、技術基準適合証明取得機。 写真で見るようにコンパクトなサイズにHF帯から430MHz帯までを盛り込んだ驚異のトランシーバーに触ってみました


アンテナ直下の1200 MHz受信アンプ・コントローラーの上に FT-857を載せて14.180 MHzを受信しているところ。コントローラーの幅は15センチなのに楽々載って違和感がないほどコンパクトだ!

発売間もない新製品とあってお借りできた時間が短くて送信テストはダミーロードにとどまりました。そのかわりに受信/送信に本格的なHFオペレーションをサポートするDSP-2を装着(オプション)して、DSPバンドパスフィルター、オートNOTCH、ノイズリデューサー、マイクイコライザーを体験しました。

■FT-857の外観
 

HF帯から430MHz帯までをV/UHF帯のモービル機と見まごう小さな筐体によく盛り込んだものと感心するばかりです。開局当時(昭和35年)を思い返すとFT-857はまさに夢のトランシーバーの実現と言うほかはありません。
小さくても高性能、多機能、デスクトップ機に引けをとらないところもまたニューモデルの特長です。デバイスの進歩に併せて設計・製作技術の格段の向上があってはじめて実現したものと敬意を表したくなりました。

デスクトップ並みの大きなダイアルつまみがいやがうえにも目に飛び込んできます。そのダイアル周りにバンドのアップダウンとV/Uの切替キー、LOCKキーが並んでいて、マシンを操縦するような遊び心にあふれたデザインが心地よく感じられ、FT-857の特長を際立たせていると思われます。
右側に大きなダイアルつまみがあっても左右のバランスが崩れて見えないのはどうしてだろう?しばらくフロントパネルを眺めていて気付きました。左側の音量調節/スケルチ・RFゲイン調整セレクトノブの2つのつまみに加えて[HOME]、[CLAR]、[FUNC]の3つのキーがアンバー色に輝いて、それが左右のバランスを微妙にとっていると分かったのです。

煩雑になりがちなフロントパネルの各種キー 類を巧みに配置して視覚的にスッキリさせたデザインは大いにほめられます。シンプルなデザインを追究したらこうなった!というお手本になりえます。HFから430MHz帯まで盛り込んでの定価128,000円(税別)はリーズナブルというほかはありません。

 
     
 
標準装備のハンドマイクロホンとFT-857。オプションのリモートコントロールDTMFハンドマイクロホンMH-59A8J (9,800円)、DTMFハンドマイクロホンMH-36E8J (9,500円)がある
受信に入る前に

DSPユニット”DSP-2”(9,800円)を取り付けると”DSPバンドパスフィルター” ”DSP AUTO NOTCH" "DSP NR” ”DSPマイクイコライザー”など、混信軽減機能を動作させることができます。DSP-2の挿入に先立ち上面にある7本のビスを外して内部を見ることにしました。
DSPユニットDSP-2 (9,800円)

下の写真は
DSP-2を挿した後に撮影したものですが、写真の上部に(FT-857の左側面)DSP-2が見えます。作業は簡単で接続端子に慎重に差し込むだけです。
写真の右上は「コリンズSSBフィルター”YF-122S"(帯域幅2.4kHz)17,000円」と「コリンズCW フィルター”YF-122C”(受信帯域幅500Hz)19,000円」または「コリンズCW フィルター”YF-122CN”(受信帯域幅300Hz)17,000円」を取り付けることができます。今回は手配が間に合わなくてコリンズ・フィルターを装着できないまま受信を試みました。

フロントパネルのすぐ後ろにモノコックタイプのアルミダイキャストにダブルクーリングファンを装着して、冷却用のエアーフローは、パネルのすぐ後ろにある空気取り入れ口から後方に向けて流れ送信部終段アンプを冷却し後部から排出する仕組みなっています。受信だけではファンはまわりません。
ダミーロードをつけてFMモードで送信してみましたが、依然としてファンは回りだす気配がありません。後ろのヒートシンクに手で触ってみましたがほんのりと温まった程度でした。DXペディションなどで過酷な運用を想定したものと思われ、高速CW運用やFMモードで長いおしゃべりを始めると2つのファンが回りだすのでしょう。今回は回りだすところまで確認をしませんでした。


FT-857の上面ケースを取り外して内部を見ているところ。久しぶりにニューモデルの内部を覗いて「これが無線機か!」と感嘆の声を上げるほどパーツの並びが整然としている。

■受信してみて

ダイアルつまみの周りをクローズアップしてみました

バンドキーの[DWN][ UP]がダイアルつまみの上部に「VFO/メモリ切替]キーは右側にあります。ダイアルつまみを握るような形で キーを指先で押してバンドを切り替えます。このようなキー操作は私にとってFT−857が初めての体験でしたが、操作に慣れるにしたがってなかなかいい感じになっていきました。ディスプレイの上部には左から[モード切替キー]が二つ、[DSPキー][電源]の順に並んでいます。

バンドとモードは自動的に切り替わりますが、それ以外のモードに変える場合はモードキーを操作します。左手にハンドマイクあるいは電鍵を操作しながら右手はダイアルつまみとキー操作というような使い方が 非常にスムースにできそうです。


ダイアルつまみの左側のくぼみに”送受信インジケーター”があり
7MHzのCWを聞いていると相手の信号にゼロインすると鮮やかな青色で発光することに気付きました。CWピッチ周波数にあわせてゼロインすると符号に合わせて青色LEDが点灯するCWチューニング表示 が面白いと思いました。マイクのPTTを押すかKeyダウン(送信)すると赤色に変わり、信号受信時は緑色に変わります。視覚的に色の変化を見せてくれる最新の技術に感心しました。
CW関連では50MHzの運用に便利なビーコン機能つき3チャンネルCWメッセージキーヤーの内蔵やSSB運用時でも、そのままCWキーイングが可能等など、充実したCWオペレーションが楽しめます。
専用のデータ通信端子は、1200bps/9600bpsのFMパケット通信、RTTY(AFSK)、SSRV,PSK31などのデータ通信に便利な6ピンミニDINコネクターによるデータIN/OUT端子を装備しています。

温度補償水晶発振器TCXO-9(9,800円) はオプション。
標準でも1ppm(+25℃/電源ON 1時間後)の周波数安定度を実現していますが、データ通信運用時にはTCXO-9が欲しくなりますね。
スペクトラムスコープ機能
 ±10CHから±63CHまで各電波型式に合わせたステップにより、周波数の使用状況をグラフで表示するスペクトラムスコープ機能がまた視覚的に有効です。表示はシングル走査と連続走査が可能、連続走査時には信号郷土のピーク表示もできます。
表示部の色は約53×17mmの大型ドットマトリクス液晶ディスプレイを採用して32色から好みの色が選択できという豪華さです。

まとめ 


マルチファンクションキーとディスプレイの下にある3つのキーA,B,Cの組み合わせで大型固定機に匹敵する性能を発揮するのはわかりますが、短時間ではとてもすべての機能を把握することができませんでした。 とにかく何でもできる感じでとにかく凄い機械なんだと思わせてくれました。
DSPユニットの使用感をここまでひっぱってしまったのもCW時にスーパーナローフィルター240/120/60Hzとして動作することなどを確認していましたら少しくたびれてしまって時間切れの様相を呈してきました。SSBとCWの受信にDSPユニットは必需品、これは絶対に欠かせません。それほど大きな違いを見出しました。今回は残念ながらコリンズのメカニカルフィルターの切れの良さを報告できない上に、中途半端な印象記に終ってしまいそうで申し訳なく思います。

一昔前ならポータブル機と見間違うコンパクトなトランシーバーが大型機に伍してオールマイティーな活躍が楽しめるのもまた格別と言わなければならないでしょう。ハンディな使い方に始まり、4輪駆動車にいかにも似合うFT-857のモービル運用、DXサービスにも十分耐える性能を秘めてサブ機などととてもいえない主役の登場を予感させてくれました。とにかく使い込まないことにはFT-857の良さを語ることはできません。

144MHz帯と430MHz帯も受信してみました。専用機と変わらない受信感度など、またFM放送が感度も十分にクリアーな音質で受信できたことを付記してこのレポートを終ります。
FT-857シリーズの詳細はSTANDARDのカタログWebサイトでご覧ください。

de JA1FUY

QTC-JAPAN.COM 2003.02.27
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