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| ■新発売のIC-756PROUに触れる | ||||||||
| ICOMから新発売のIC-756PROUに直接触れて試すチャンスをいただきました。マザーモデルのIC-756PROはすでに2年前に発売とほぼ同時に購入し、メインリグとして使ってきており、その性能にもおおむね満足しているわけですが、果たしてこのIC-756PROUはいかなる進化をとげたものか大変興味のあるところです。 | ||||||||
| ■顔つきとボタン類など | ||||||||
すなわちブレークイン時間加減ボリュームの位置と、キースピード内蔵エレキーのスピード調整)ボリュームが入れ替わっています。 CWを運用していると相手の速度に合わせてエレキーのスピード操作をすることが結構多いのですが、これまではキースピードのボリュームが内側に位置し、かつ小さなつまみなので少々不自由を感じていたのですが、これが解消されました。きっとCWファンがその改善をお願いした結果かとうかがえます。 |
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| ■スイッチオンとディスプレイ | ||||||||
では電源コードを安定化電源につないで、早速スイッチオンして見ることにし
ます。ディスプレイにはおなじみの「DSP同調に10秒ほどお待ちください」の表示とバーが出て、時間経過と共にバーが変わり、やがてメイン画面が現れます。これまたおなじみのカラーディスプレイですが、IC-756PROを使ってきた身にとっては特に驚きはありません。でももしまだカラーディスプレイを使用したことの無い方にとっては新鮮なものにうつること間違いありません。少なくもこれまでの多くのリグの印象をあらためた機能の一つです。そして各種の機能の選択や、表示はこの後すべてこのディスプレイ上で行われることになります。
旧タイプではディスプレイのバックは大きく4つに分かれていました。すなわちモノクロ表示、ブラック&イエロー表示、ブルー表示(文字は白)、そしてブラック&カラー表示(文字はブルー)。筆者はもっぱらこの4番目の表示にしておりました。それは視認性の良さと目がつかれないものであったからです。 ところがPROUでは更に進化して、上記プラス4種類の合計8種類から選ぶことが可能になりました。ディスプレイタイプAからHがそれですが、なんとタイプGでは青空と白い雲の画がバックになり、タイプHともなりますと、夕闇の中のビル群が浮かびあがると言う仕掛けです。基本性能には関係ないかもしれませんが、使うリグから楽しむリグへの変化が見受けられます。もちろんセットモードでコントラストや明度、そしてディスプレイ上での文字の種類も7種類から選ぶことが可能です。 メイン画面としてはメインの周波数とサブの周波数が中心に、加えてフィルタの種類及びバンド幅、使用モード、時刻表示などがあるわけですが、IC-756PRPUをお使いでない方のために強いて説明を加えますと、ここにマルチディスプレイの本命とも言えるほかの表示が可能になります。すなわちディスプレイのほぼ下半分を使ったファンクション画面です。 @バンドスコープ(受信している周波数の前後±12.5kHzから100kHzまで4段階) A使用フィルタの波形とIFシフトの視覚表示、 BRTTY受信時のデコード表示(デコーダ内蔵) Cこれまであったメモリキーヤ− (4種類のパターンを記憶できる)に加えて新しく加わった送受4チャンネルのボイスレコーダ設定、 Dその他の設定画面があります。
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| ■中味の検証――新機能群とその実力 | ||||||||
| それでは実際に各種の機能に触れてみることにします。メーカーの発表によ る<より実践的な新機能群>とは次のようなものです。 ● 受信しながフィルターシェイプを選択できるデジタルIFフィルター。 ● 広ダイナミックレンジの確保と第3次歪特性のさらなる向上。 ● ワンタッチ録再機能付きデジタルボイスメモリー。 ● BPF機能の実装、1/4倍ダイヤル減速機能の搭載などSSBデータモードを強化。 ● 実戦を重視した機能の向上と、操作性をさらに向上した各種機能群の搭載。 むろん測定器などを使用したテストではなく、あくまで耳と目と、そして 手触りなどの体感による印象ですから、表現はいささか抽象的にならざるを得ません。また操作方法などは取説なしにこの原稿面で説明、解説するのは結構難しいものがありますが、その点はご了解いただければと思います。 |
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| ■デジタルIFフィルターなど・・・ | ||||||||
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IC-756PROUの売りはなんと言ってもDSPをフルに活かしたデジタルフィルターでしょうか。これはすでに最初のモデルでも実証済みのところです。今回特に強調されているのは運用の形態に応じて選べるフィルターシェープです。カタログや広告にも出ていますから、ご覧になった方もあろうかと思いますが、CWとSSBそれぞれのモードでシャープとソフトの2通りのフィルタ特性を選ぶことが可能になりました。
一方のSSBの場合にはフィルターの特性をフラットにした状態がシャープで若干なめらかにしたものがソフトシェープですが、こちらは主にノイズの多少によって使い分けるのがコツのようで、ノイズの少ない時にはシャープな特性で受信した方が聞きやすい音になりますが、逆にノイズの多い時にはソフト特性に切り替えて使うと耳障りなノイズの干渉がやわらげられるようです。混信の多いバンドではやはりシャープな特性の方が優先するような感じです。 いずれにせよこの微妙なセレクションは実戦で試してみないとその威力はわからないかもしれません。 もちろんノッチフィルタの使い心地、PBT(パスバンドチューニング)は旧モデルを引き継いでいて、相変わらず気持ちの良い使いここちです。これらはすでに完成度の高いものと見受けました。当然こちらもディスプレイ上で視認可能です。 |
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| ■ワイドダイナミックレンジの実力は・・・ | ||||||||
| こちらもすでに定評のあるDSPとAD・DAコンバータで気持ちの良い受信感を実現しています。すなわち歪みの少ない受信感覚で、強力な信号と弱い信号をどちらも気持ちよく再生するものです。ややもすると強い信号にかき回されやすい極限の状態から見事に弱い信号を救い上げるあの感覚はとりわけSSBの受信でその威力を発揮します。口や文字で表現するのは難しいのですが、これも旧IC-756PROの実績を見事に継承しつつ、よりレベルアップしているのが窺い知れます。 | ||||||||
| ■ワンタッチ録再機能付きのボイスメモリーの効用 | ||||||||
旧タイプでも送信用のメモリキーヤ−が実装されていて、特にコンディションの不安定な時間帯の連続CQコールとか、コンテスト時の同一内容の送信などに省エネの便利さを提供してきましたが、これに加えて、IC-756PR0Uではボイスメモリーまでもが搭載されたのです。送受それぞれに4チャンネルのメモリーがありますが、送信用のそれはCWのメモリーキーヤーにも似て、DXペディション時とかコンテスト時に無用に声を枯らすことなくCQを連続発射可能にします。「こちらは○○、どうぞ!」と言うような呼び出し(とりわけDXペディションなどに対して何度もコールを行う場合などに有効ですが、それにもまして受信用のメモリーは威力を発揮します。
実際に録再を試してみましたが、音質はまったく受信時のものと変わらず、 まことに見事なものでした。4チャンネルの内、1チャンネルは最大30分までの連続録音も可能ですから、ドキュメンタリに交信記録を再現できるのです。 (ただし残念ながら自分の送信の内容はメモリーできません) この操作は最初にご紹介しましたようにメインダイヤル左下に位置するREC/PLAYボタンで簡単です。いちいちボイスメモリー画面を出すのは面倒だと思っておりましたが、これならば常時ワンタッチで録音が可能になります。ボタンを軽く押すと再生を開始し、少し長く押せば録音を開始すると言う簡便さです。 |
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| ■SSBデータモードに対応 | ||||||||
最近はPSK31のようなデジタルモードの利用が盛んになりました。ある
いはRTTYのAFSKモードも同様にSSBを使って行われているのですが、これらのモードでは帯域は通常の電話よりも狭くて済みます。送信はもとより特に受信時にはクリチカルなダイヤル操作が求められるのですが、このSSB-D(データモード)への対応はこれからデジタルモードを本格運用しようとする方には福音です。
(写真はリア・ビューです)ただしこのモードで運用を行うためには接続をマイクロフォンジャックではなく、リグの裏面のACC端から行う必要があります。 またこの機能に対応して、ダイヤルの1回転あたりの周波数の移動を1/4にすることが可能で(CW/RTTY/USB-D/LSB-Dにセットした場合のみ、旧モデルはCW/RTTYの時)クリチカルな受信が大変楽になります。(ちなみに筆者はこれまでRITなどを使って微妙な周波数調整を行い、後にその差をメインダイヤルに戻すと言った手間のかかる操作を余儀なくされたこともあります) |
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| ■その他の新機能などが便利さ、使い易さを向上 | ||||||||
| とりわけCWファンに見逃せないのはCWのリバースモードの搭載です。(この機能は旧モデルにもある)CWモードではキャリアポイントがLSB側に設定されているのですが、CW/RTTYスイッチ(モードスイッチ)を切り替えることで、CW-Rモードを選択することができます。これによって受信のビート周波数を反転させ、混信等を低減することも可能です。 | ||||||||
| ■スペクトラムスコープは楽しく、実用的 | ||||||||
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| このように、まこともって完全装備の新時代対応マシーンと窺い知れます。当然のことながら、スプリット運用、デュアルウオッチ機能、プリアンプ、アッテネーター、メモリースキャン、内蔵チュナーなどはIC-756PROを踏襲しています。かように大変使い勝手の良いマシーンですが、残念ながら比較等は旧IC-756PROと行っているのみで、特別の測定器などによるものではなく、正直言って感度などについてはそれほど顕著な違いは発見できておりません。 ただし、これまでにご紹介したような各種の新機能によって受信性能がトータル的にアップしていることは間違いのないところです。ボイスレコーダーや、フィルターシェープの選択、SSBのデジタルモードなどこれまでになかった機能は、これからの運用に楽しみを与えてくれます。 将来的に望むならば、ディスプレイ画面が大型化し(もしくは外部に信号を出して、パソコンのディスプレイなどに表示可能にし)できることならばファンクション画面を2画面以上同時表示(例えばモニタースコープとフィルターシェープ/メモリー画面など)できることになればより一層使い勝手が良くなりそうです。 |
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| ■筆者・松本さんのJA1AYCホームページ(http://www.rr.iij4u.or.jp/~ja1ayc/)を併せてご覧ください。 | ||||||||
| ■IC-756PROUの詳細な仕様は、アイコム株式会社のホームページhttp://www.icom.co.jp/でご覧になれます。 | ||||||||
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| ※レポート:JA1AYC 松本正雄 写真撮影:QTC-JAPAN.COM 協力:アイコム株式会社 | ||||||||
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