IC-910DにはV/UHFバンドを楽しむための様々なオプションが用意されています。今回はCWフィルタ(メイン/サブ)、音声合成ユニット、DSPユニット、キャリングハンドルを組み込みました。(画像1,2)

 
  V/UHF
マルチバンド<SSB・CW・FM>
 50Wトランシーバー

 ICOM IC-910D

↑IC-910D+PS-85+HM-12                  By Toru Kato,JG1RVN
 

1.IC-910Dの魅力

IC-910Dの魅力は何と言っても受信性能と言えます。マルチバンド系の トランシーバーにはアンテナをつないでいなくてもスーパーヘテロダイン特有 の内部受信スプリアスが時々みられます。しかし、IC-910DはV/UHF帯専用設計 でバンド内の受信スプリアス信号は、ほとんど見られません。シールドすべき ポイントが、しっかりと押さえられています。 さらに高感度を狙う場合は、アンテナ直下型プリアンプが使えます。

電源はIC-910D本体から供給されますので、同軸ケーブルをつなぐだけで プリアンプが使えます。プリアンプのON/OFFは本体のスイッチで自在です。 受信用のATT(アッテネーター)も、その値を選択することができます。 大型スピーカーの採用で、長時間聴いても疲れない良質な音質で受信できます。 さすが固定機だなぁと納得できる音づくりです。
1 UT-106(AF-DSPユニット)とUT-102(音声合成ユニット) 2 FL-132(メインバンドCWフィルタ)とFL-133(サブバンドCWフィルタ)
 
2.オプションの組込
内部組込の各オプションを装着するときは、ケースを取り外します。 このときにネジを紛失すると大変なことになります。そこで、アイスクリーム の空容器(カップ)を用意して、まとめておくと机上でネジを紛失することが ありません。 (画像3) まずCWフィルタを組み込んでみます。通常の交信にはFL-132メインバンド用 CWフィルタ、衛星通信に活用するときはFL-133サブバンド用CWフィルタを 組み込みます。ドライバーは磁石付きを使うとネジを底に落とすことが 少なくなります。内部配線の同軸ケーブルやフラットケーブルを取り外します。 (画像4)
3 ネジ類はアイスクリームの空きカップにまとめておきます 4 基板はコネクタ類を外して持ち上げます
FL-132とFL-133はハンダ付けして取り付けます。このときにPINのin-outが指定 されています。しかし心配は要りません。すでに取り付けられているSSBフィルタ と印字方向を合わせて実装すれば良いのです。メインバンド、サブバンドの双方の 取付場所に間違いのないことを確認し、基板にフィルタを差し込みます。 ハンダ付けはPIN(各4カ所)は20W程度のIC対応のハンダゴテを使います。 ただしケースのGND(各2カ所)は基板の銅箔面積が大きいので60Wのハンダゴテを使い短時間でハンダします。
本機のようにグリーンレジスト仕様の基板の場合、 ハンダ付けしたときに、小さなハンダの球ができることがあります。このハンダ球 は配線をショートさせることがありますので丁寧に取り除きます。またハンダ付け後は電気掃除機でハンダ球が残らないように丁寧に清掃した後に目視で基板上の ショートがないかを慎重にチェックします。組立時は三端子レギュレーターなど を本体シャシーに止めているPINを忘れずに挿してください。 (画像5、6、7、8)
5 CWフィルタにはIn-Outの指定があります 6 CWフィルタは深く差し込みハンダ付けのあと足をニッパで切ります
7 CWフィルタのハンダが完了しました 8 CWフィルタの向きはSSBフィルタと同じ向きにセットします
UT-106(AF-DSPユニット)とUT-102(音声合成ユニット)は コネクタの差し込みだけで動作します。UT-106は1組みをメインバンドに 組み込みました。これでNR(ノイズリダクション)をオールモードで使えます。 FMモードでもDSPのノイズリダクションが使えるので待ち受け受信時など、 耳障りなノイズがかなり軽減されます。UT-102は周波数スピーチ機能のほか、 モードを換えたときにアナウンスが入ります。徹夜のコンテスト時など、モード チェンジの誤送信を防ぐためにもUT-102は便利です。 (画像9)
9 CWフィルタ、DSP、音声合成ユニットの装着が完了しました 10 フィルタが実装されるとCW-Nで500Hz帯域が使えます
 
3.セットモード
11 NRオールモードで動作しレベルは各バンド毎に設定できます 12 音声合成ユニットの言語は日本語を選択しました
オプション組込後は、CWフィルタはCW/NモードがONできるように なります。SSBのフィルタもワイドフィルタとして使えますので、CW モードではワイドナローの2段階の切替が可能です。またFL-133を装備すれば サブバンドでもCW/Nモードが使えるのでマルチバンドのCW運用時に便利です。 (画像10) ノイズリダクションはレベル可変できます。通常は2〜3程度でも、かなりの 効果があります。IC-910Dでは使用するバンド毎にノイズリダクションのレベル が設定でき、きめ細かな対応をしています。 (画像11) 音声合成ユニットは、英語、日本語の選択、発音の速度、Sメーターの レベルアナウンスのON・OFFなどが選択できます。日本語の声がFBです。 (画像12)

キャリングハンドルMB-23を取り付けるときは、初回にハンドルをつけるとき CRC-556などの潤滑油を少量ネジ穴につけて作業すると、ネジ山を傷めることなく楽に取り付け作業ができます。ゴムブッシュは、あまりテンションをかけるとひび割れの元になりますので、ほどほどに締め付けてください。 移動用のハンドルとしても便利ですが、拙宅のように狭いシャックに置くときは MB-23を付けると「縦置き」使用ができます。これは便利です。 (画像13,14)
13 MB-23をセットすると持ち運びに便利です 14 MB-23はゴム足があり縦置き使用が可能
4.まとめ
春から夏にかけてV/UHF帯は遠距離交信を狙える良い季節がやってきます。 群を抜く受信性能のIC-910Dで大いに144/430/1200MHzのDXを楽しんで ください。
 
 写真&文:JG1RVN 加藤 徹 (2001.04.04)

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