YAESU FT-817 試用記 その2
FT-817の本領はフィールド運用
やはりFT-817の本領はフィールド運用でしょう。 折しも10月22日(日曜日)に、QRPオンエアディが実施されましたので 早速FT-817をお供に連れていきました。
ただし今回は受信のみです。日本でも、早く包括免許制度が実現することを望みます。
1.QRPオンエア・ディとは?
QRPオンエア・ディは、多くのQRP'erがオンエアして交信することを 目的としたイベントです。1999年から開催され、2000年は10月22日(日)に 開催されました。今年は2回目。 JARL QRPクラブ員をはじめ、多くのQRP局が参加しました。特に細かい制約 は何もなく、普段、ハンダゴテを握っている方も、この日は文字通りオンエアを 楽しもうという日です。
折しもFUJIYAMAβ版(注:JARL QRPクラブメンバー が中心になって開発した18MHz帯CW/SSBキット。予約申し込みはすでに終了) が完成した局も多く、今回は18MHzのSSBにターゲットを絞りました。 サブとして50MHzSSBを運用することにしました。
(下の写真3枚はクリックしますと大きなサイズでご覧になれます。)
2.アンテナ
18MHz用にサガ電子のWARC MTワイヤーアンテナを購入しました。 アンテナ線は、サガ電子おなじみ透明ビニール被覆タイプで、からみにくく、一体型のバランが入っており、エレメント端もビニタイで折り返し調整ができるタイプ なので移動先でもVSWRが下がりアンテナチューナーも不要!
このアンテナは18MHzのフルサイズDP、10/24MHzの2バンドトラップDP の2線式です。 今回は18MHzのフルサイズDP部分を使い、逆V型のアンテナを作りました。 ポールはPG ANT 90という移動専用のグラスファイバーポールの中間段まで を利用し、西多摩郡瑞穂町の六道山公園の柵に縛りました。 給電点は5mHくらいです。18MHzのエレメントは片方4mほどですので グラスファイバーのポールは5m物を用意するとFBに逆Vが展開できます。
3.FT-817とFT-690
(1)アンテナ
FT-817のアンテナはフレキシブルタイプの短縮サイズです。移動中も 気にすることなくつけたままでワッチできます。公園でアンテナを伸ばせる 環境になるとFT-690のフルサイズホイップに受信感度は軍配があがります。
ただしFT-817のメリットはBNCタイプのコネクタでアンテナを自由自在に チェンジできることです。今後、アンテナメーカーでBNCタイプの6mフルサイズホイップが出たら交換してみたいですね・・・このときは FT-817を立てて使うと不安定になるのでL字型の中継コネクタも 欲しいところです。マルチバンドのFT-817と6mモノバンドのFT-690を比較するのは酷かも しれませんが、せっかくのフィールド使用でもあり、試してみました。
(2)電池
電池はFT-817が単三電池8本、FT-690は単二電池8本です。可搬性は FT-817が圧倒的に勝ります。ただし、SSBでは1時間30分程度の運用時間 ですので、移動運用で半日程度の運用の場合、単三の予備電池を用意するか 外部電源を用意する必要があります。FT-690は単二仕様なので予備電池の必要はありません。単二仕様も運用時間を考えると捨てがたい良さを感じますが、 高い山に徒歩で登る場合や、出張のお供という場合はFT-817の可搬性が有利 になることもありましょう。
半日の移動運用をターゲットにするとFT-817向けには外部単二電池ケースを自作すると便利かもしれません。 DPアンテナをつないだときの6m帯の感度は双方互角。FT-817から9M6 のCWでCQを出す様子がガンガン聞こえました。 FT-817はAM受信時にスケルチが閉じたときに音が少し漏れる傾向がありました。 これは試用機だけの問題かもしれません。
(3)チューニング
FT-690はクリックダイヤルですがFT-817のメインダイヤルはクリックなしに なり、SSB/CWのチューニングの感触はFT-817の方がスムーズです。 FT-817のFMやAMモードではサブダイヤルでチャンネル感覚のチューニング ができるように工夫されています。
(4)表示
FT-690は4桁の液晶表示、FT-817は10Hz台までのフル周波数表示です。 DSPコマンドで倍角表示ができます。またFT-817ではSとPOメーター のほか、変調度やVSWR値の相対値が表示できます。デジタルマルチメーター の多彩さが光ります。ダイヤルライトもAUTO設定にしておくと電池使用時でも操作したときに光り、操作が終わると自動的に消えます。バックライトは深海のブルーと、朝日の色のアンバーの2種類から選択できます。
4.FT-817とK2
HF〜UHFのマルチバンド機のFT-817とキットのHF専用機のK2は全く性格が 違うにもかかわらず価格帯が近くQRPにターゲットを絞ったコンセプトが近い ためか、良く話題にのぼります。そこで18MHzを中心に比較してみました。
(1)操作性
パネルの面積はK2が勝ります。FT-817は多彩なメニュー画面によりパネル面積 の制約をカバーしています。FT-817のFuncとLockのボタン位置は逆だった方が 良かったかも? 今回のように芝生の上に敷物を敷いてオンエアーすると、 K2のスタンドは実に便利です。FT-817は横置きしたときのチルチアップが 課題になるので、タオルをまるめて敷物にしました。FT-817のスピーカーは 上面についているので下に敷物を敷いても問題ありません。またスピーカーと ヘッドフォンの切替スイッチがついているのも適切です。
(2)受信感
試用機のFT-817の感度は、とても高く、HFではIPOを常時ONにして、 ちょうどいいかな、といった感じがしました。7MHzのCWモードでは、 IPOとATTを同時にONしてちょうど良い感じです。これは使用アンテナ にもよります。RFゲインの可変も可能です。 K2は固定機の色彩が強く、しかもHF専用機ですので、ローバンドでは ノーマル、ハイバンドではPREアンプをONすれば快適な受信が楽しめました。
FT-817ではIF-shiftが装備されています。ちょっとした混信の場合は、 IF-shiftで逃れることができ、またSSBの受信音質も変えることができます。 K2は受信帯域はラダーフィルタのバリキャップCの電圧を変えることで プリセット可変型でCWフィルタ標準装備です。FT-817のCWフィルタは 今回は間に合わなかったのでCW受信については追って評価したいと思います。 FT-817のSSBの音は全体的に堅めですが、了解度の良い歯切れのよい音です。
5.野外でHFバンドを運用してみませんか?
芝生の広がる公園でHFを運用するのは、とても楽しかったです。 特に18MHzSSBは10MHzの移動運用の楽しさと、14/50MHzの 技術談義などが同時に楽しめるFBなバンドであると感じました。運用は3アマ 以上の資格が必要ですが、是非、移動運用にトライしてみたいバンドです。
10月末の関東からは沖縄、九州、北海道の各局とFBに交信できました。 フルサイズの逆Vを使った感じではS9の局と交信すると、5Wの信号は 大体S6〜7度のレポートがもらえるので、十分ラグチューできる信号です。 また運が良ければ野外で海外との交信も夢ではありません。
ポイントは能率の良い”フルサイズ”のアンテナを使用することでしょうか。 自宅でHFを楽しむのも良いですが、広い公園で新鮮な空気を吸いながら オンエアーするのは実に楽しいです。FT-817があれば、家族連れでも 負担を感じることなくHF運用を身近に楽しむことができます。 消費電流はMAX2Aですので、半日の運用では4A〜6.5A程度の鉛シールド バッテリーを用意すれば楽にSSBの5W運用が楽しめることでしょう。 FT-817で気持ちの良い広い空のもとで、野外HF運用を始めてみませんか?
カタログ請求は、「FT-817」と記入して潟Xタンダードへ。
〒153-8645 東京都目黒区中目黒4-8-8 03-3719-2231
写真&レポート:JG1RVN 加藤 徹 (2000.10.23b)
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