KENWOODのHF〜1200MHzオールモード・トランシーバーTS-2000SXをパソコンでコントロールできると聞いて、さっそくコントロールソフトARCP-2000に飛びつき、シャックのパソコンにインスト-ルして、一体何がコントロールできるのか、パソコンからの指令に遅れはないか、本体フロントパネルとの違いなどを検証しました。 ARCP-2000の起動画面を見て印象が一変しました。今までとはまるっきり違う本格的なデザインに「これは使える!」とほれ込んでしまいました。 以下にパソコン環境と操作性を重点に、PCコントロールの意義と将来性をご披露することとしました。
 
     
 

■ARCP-2000によるコントロール

All-Mode Multi-BanderTS-2000SX 

ARCP-2000 (4,500円)をインストールしたノートパソコンでTS-2000SXをコントロールするという提案です。もちろん走る車の中でパソコンの操作はできません。停車あるいは駐車しての運用を想定しています。

ノートPCのコントロール画面と本体のフロントパネルの各機能はどちらも生きていて操作可能ですから、この特徴を生かしてワンボックスカーなどで使い分けができると思いますがいかがでしょうか。 運転席と後部座席で同時にオペレーションが出来そうです。

さらに発想を柔軟に展開してノートPCのサウンドカードにPHSをつないだら面白いことができそうです。 せっかくPCを使うなら オンラインとの融合をもっと研究する必要がありそうです。

それはさておき、無線機をブラックボックス化して小型のコントローラーあるいはパソコンで本体をコントローする試みは、米国のWebサイトでコントロールソフトをいくつも見つけることができます。TEN-TECのPEGASUS(www.tentec.com)を例にあげるまでもなく、PCコントロール好きの米国人、関心を持たない日本人という構図が当たっていました。

それが証拠に日本ではこれまでこの種のソフトが支持されなかった事実からアマチュアのPC嫌いを裏付けているように思えます。しかしながら、本格的なソフトの出現を待たなくていけない事情もありました。昨今のADSLやCATVなどブロードバンドの加熱ぶりを見るにつけ、全国展開の「IT講習会」やパソコン学校に受講者が押しかけている状況を分析しますと、パソコン操作の環境は熟したと考えられ、無線機のPCコントロールはスタート地点にやっとたどり着いたようなそのような印象を抱きました。

本格的なPCソフトにワクワク!

ARCP-2000のオープニング画像

ARCP-2000をインストールして(方法は後述)、KENWOODの大きな文字とともに始まるオープニング画面に続く、PC画面はなるほどとうなづくに十分で機能的なデザインに使う意欲がわいてきました。実際の無線機をモデルにしたイラストのようなPC画面ではなくて各部の機能すべてが配置されたいわば機能本意のデザインに圧倒されました。周波数などを収容する大きなサイズのディスプレイは、本体同様見やすくデザインされていて好ましく感じました。 本体のフロントパネルでで操作可能な機能はほぼPC画面に収容されているほか、 それ以上の機能たとえばスペアナ風なビジュアルスキャンやフィルタの通過特性などをPCらしくボタンのクリックで機能設定できる点が殊のほか優れているように思えます 。

 
     
 
■パソコン環境とARC-2000のインストール
 

TS-2000SXの背面パネル。左下がCOMポートです。ここにRC-232Cストレートケーブルをつなぎます。

ARCP-2000はWidows95/98で動作すると書いてあり、今回はWindows98seにインストールしましたが、さくさく動いており問題はないようです。6MBのメモリーと5MB以上のHDの容量と、800×600ドット以上のディスプレイが必要です。

今回の検証では車で使うことも考えて手元のちょっと古めのノートPC、DynaBOOKGT R575(640×480ドットの液晶ディスプレイ、OSはWindows95)にもARC-2000をインストールして使ってみたのが、タイトルの左側の写真です。

マウスポインタをフレーム上部をつかんで見たい方向へずらすことにより問題なく全体を操作できることが分かりました。PCショップには高性能のノートPCが並んでいて800×600ドット、1024×768ドットが普通の仕様となりましたのでちょっと恥ずかしいのですが、アマチュア精神を発揮して取り組んで見ました。もちろんデスクトップPC(PentiumV 500MHz)にもARCP-2000をインストールして動作を確認しましたが、どちらも同じように本体のコントロールができます。

ARCP-2000 Ver.1.01のインストール

3月30日nARCP-2000のバージョンは1.00から1.01となりました。変更内容は同社のWebサイトでご覧になれます。インストールはオートランになっていませんので、デスクトップのマイコンピュータからCDドライブを指定して、
@ Disk1フォルダー内のSetup.exeを実行してインストールを開始します。
A インストール開始後は、画面表示に従いインストールを進めます。
B 最初にARCP-2000を起動しま すと、KEYを聞いてきますからここで正確に入力します。

ARCP-2000のセットアップ
TS-2000SXのCOMポート(背面パネル)とPCのCOMポートをRS-232Cストレートケーブルで接続します。 ARCP-2000を起動させてPCのディスプレイにコントロール画面が表示したら、マウスポインタを画面左上のCOMの上にもっていきクリックします。このときTS-2000SXのディスプレイ右側にPCを確認できれば、PCとTS-2000SXが正しく通信をしていることを示し、同時にPC画面の真っ黒な部分がアンバー色に変わり周波数やSメーターなどが現れます。これでセットアップは完了です。
 

RS-232Cストレートケーブル(3m)。TS-2000SXの背面パネルのCOMとノートPCのCOMポートを接続します。このケーブルは装置に付属していませんので、PCショップなどで購入します。価格は千円前後です。

かなり古めのノートパソコン東芝DynaBOOK GT-R575。COMポートは側面にあり、ここに接続しました。このPCにSSTVのソフトWinPix32をインストールして各地の移動運用や海外にも携帯して大いに活躍しました。

 
リンクするとPCの表示!

ARCP-2000のCOM をクリックするとPC(右の写真)の表示が現れ、同時にCOMの横にも黄色のLED(?)が点きます。続いてPOWERをクリックすると本体の電源スイッチがONに、そしてARCP-2000のコントロール画面の各機能が使えるようになります。RS-232Cケーブルが接続されているのにPCが点かない場合は、パソコンのCOMポートを点検されることをお勧めします。
 
1024×768ドットの15インチLCD(IBM製)に表示したARCP-2000のコントロール画面。
デスクトップのアイコンが見えるのでTS-2000SXをコントロールしながらWordやインタネットエクスプローラを開いて他の仕事も同時にできるので便利です。

パソコンはいまや使う人も少ないK6-2 400MHz を使いました。このPCはアマチュア無線専用にしてWinPix32やRTTYのソフトWF1Bなどがサクサクと走ります。
 

ARCP-2000のコントロール画面(800×600ドット)です。POWERCOMはONになっています。本体とほぼ似た配置ですが、細部を比較すれば、かなり違うことが分かります。

そっくりなデザインというよりは実用本位の設計でしょう。 ボタンの文字からおよその機能を見当がつきますので、マニュアルを読まないまま使いこなすことができ、不便を感じないのは流石というべきでしょうか。(拡大写真)

 
■ARCP-2000ならではのビジュアル志向

FITERボタンを押すと受信フィルター・帯域幅の変更ができます。本体のLo/WIDTHとHi/SHIFTがPC画面で操作でき、LO-CUT(左)とHI-CUT(右)の<>ボタンで特性を好みに変えることができます。

スペアナスタイルのビジュアルスキャン。STARTボタンでスキャンを開始。STOPで停止。バンドやStep(100Hz、200Hz、500Hz)、Span、Intervalがそれぞれ選べる。
 
■パソコンコントロールで何ができる?
バンド 中央のBandを▼▲でアップダウン、その下のTUNEで周波数をチューニングします。ここにダイヤル型のアイコンにマウスポインターをあわせて左クリックしますと緑色に変わりますので、左クリックを押してマウスを円を描くように回すと周波数が変わります。周波数ステップは、さらにその下のClik Enc./Stepで(5,6.25、10、12.515、20,25,30、50,100kHz)が選べます。

ボリュームとスケルチコントロール 
PC画面の右側下半分に割り当てられています。MainのRFゲインとAFゲイン、そしてスケルチがスライド式のボリュームで調整します。マウスポインタでつかんでスライドさせ、離すと設定が生きます。本体のボリュームツマミを回してみると、PC画面のスライドバーが同じように動きます。SubバンドにもAFゲインとスケルチがついていて単独で調整できます。ボリューム操作は小気味よく反応してストレスはありません。

アンテナチューナーが快調
 1.9MHz〜50MHz帯まではアンテナの切り替え(ANT1とANT2)ができます。アンテナチューナーも同様にAT TUNEボタンを 押すと本体と同じようにチューニングを行います。遅れは全く感じません。VOXPROC など送信関係のボタンも充実しています。SENDボタンを押すとすぐに送信になります。
その多機能満載 本体と同じ機能にプラスしてビジュアルな機能が盛り込まれての4,500円の価格は大いに価値があります。パソコンを使うことを考慮してもRC-2000の価格の約9分の1は使ってみたい意欲を掻き立てられます。 その他のボタン機能については省略しますが、ARCP-2000のコントロール画面をご覧になりながら想像を巡らせてください。

 

■まとめ
ハードウエアに比較してソフトウエアのARCP-2000が4,500円、ものすごく安い印象を受けました。もっともTS-2000SXがあってのPCコントロールソフトですから、本体のおまけのような感じなのかもしれません。それにしてもこの本格的なコントロールソフトを生かさなければ意味がありません。

今回はモービル・コントローラーと張り合う形でノートPCにインストールして使ってみましたが、車のドライブという観点からは、使い勝手の上で当然RC-2000に適わないことを初めからわかっていました。しかしながらPCコントロールの豊かな拡張性を考えますと、使い道は広がる一方です。これを使わない手はないと、本体とPCコントロール画面の操作が同じ点に着目してオンライン操作の基礎データを集めているところです。これまでのBASICなどの言語でプログラミングする煩わしがない分、もっと高く評価されていいPCコントロールソフトといえましょう。
 
写真&文:QTC-JAPAN  協力:潟Pンウッド (2001.05.15)
 

QTC-JAPAN.COM 2001.05.15
(c) All Rights Reserved WWW.QTC-JAPAN.COM 2001-2005