PSK31SBWからLoggerまで、ニューモードに挑戦
2. Loggerがおすすめ 
By Masao Matsumoto,JA1AYC
 
■そしてLoggerの出番
Loggerソフトウェアはこのホームページからダウンロードできます。
PSK31の楽しさがわかってきても常に悩みはそのチューニングです。PSKすなわちフェーズシフトキーイングの幅はわずか31Hzと言うことでとてもクリチカルですから、初めての方は、どうやって信号を再生するかとまどうことでしょう。
事実筆者にしても最初にメッセージをスクリーンに再生するのにしばらくの馴れが必要でした。 慣れてくるとPSKの音そのものにも親しんでくるのでおおよそは音の調子で判断できますが、とてもSメータなどで正確なチューニングはできません。

PSK31 SBWのフェーズスコープ(円盤の中を赤いバーがあちこちの方向に出て、チューニングができるとバーは縦方向に並、色も赤から黄色に変わる)で最終チューニングは取れるものの、最初にある信号の中心を捕らえるのがどうも手ごわいのです。
なんとかそんな事態に対応するインジケータはないものかと探している時に、今度はLoggerと言うソフトの存在を知ったのです。早速Eメールlでプログラムを送ってもらってダウンロードしました。このソフトのファイルサイズは2M以上もあるので、普通のフロッピーでは1枚に入りません。ダウンロードにもそれなりの時間がかかることを覚悟しなくてはなりません。一番良い方法はCD-RとかZip DISKで入手することでしょうか。

もともとこのLoggerと言うソフトは呼んで字のごとくログの管理ソフトですが、それにPSK31対応のプログラムが加わったもので、KC4Yの開発による ものです。実によく作られたソフトでまだログ部分は実際に試してはみないのですが、日本のJCCとかJCGには対応できないものの、ログデータの管理としてはおよそありとあらゆることが可能のように思えます。
■Loggerを開く

Loggerのオープニング画面。
Loggerを呼び出しますと、まず絵筆で描くようにLoggerのロゴが画面に現れ、さらにLicensed user JA1AYCとユーザーの名前が示されます。(もちろん初期登録の折にコールサインを登録しておくわけですが)
初期画面ではログブックの選択のポップアップ画面があらわれますが、とりあえずこの場合はそれを無視して画面上段のツールバーの右端にあるPSK31ボタンをクリックしますと、PSK31の通信画面とおなじみのチューニングインジケータが現れます。
でもどこか少し違うんですね。

そうです、フェーズスコープインジケータの他にスペクトラムスコープインジケータが並んで示されます。これが実に便利なんですね。筆者はもともとICOMのIC-780を使ってきたので、このスペクトラムスコープの機能や便利さには慣れていますが、これは自分の受信機の受信周波数を中心にその上下の一定の幅の中にどんな信号があるか、それらがどのくらい強いかが示されるもので、もともと帯域の狭いPSK31の信号の所在をまず目で確認できます。
Loggerの送受信画面。
つぎにこの信号のバーを目安にダイヤルをまわすと最終的に目的の信号が近づくのがわかります。このスコープの中心には丁度PSK31の信号幅である31Hzの間隔で2本のバーが示され、目的の信号がこの範囲に入ってくるとこのバーの色が赤から黄色にかわります。 同時にフェーズスコープのバーが黄色く縦にかわり、同時に受信メッセージがスクリーンに表示されるようになります。これまでチューニングに悩んできた者にとっては福音です。 通信画面は?  Loggerの通信画面はPSK31 SBWのそれに比べると若干複雑に見えます。

でも良く見るとPSK31 SBWでは下段にあったスケルチのオンオフとか、サンプリング周波数の表示が上段に移っただけで、それほど大きく変わっている訳ではありません。そして中央に通信メッセージ画面、ついでバッファースペース、そして下段にボタンが並んでいます。実はこれがLoggerを使いやすくさせている特長とも言えるのです。あらかじめ設定されているボタンは右側の3列2段で青で表示されているものです。
System Configurationのウインドウ。
送信ボタン、受信ボタン、CWID送出ボタン、CW送出ボタン(キーボードからCWが打てる)モードの設定(BPSKと QPSK)の選択ボタンなどがあります。ちなみに通常のPSK31の通信はほとんどBPSK方式で行われていますが、混信があるとかQSBが激しいとかの条件が悪い場合によりQRKを高めるために双方の局の合意でQPSKモードに移ることがあります。

通信速度は幾分おそくなりますが、その分誤字の軽減に役立ちます。この時にはフェーズスコープの表示は上下だけでなく上下左右つまりチューニングがとれた時には十文字の形にインジケータが示されます。
そしてそれ以外の部分は実はマクロボタンで自分の好きなメッセージ(CQとかCQ Contestとか、局の紹介、さよならの定型文、住所とかメールアドレスなど)記録しておけます。

それぞれのブランクボタンを押すと文章作成画面がポップアップしますので、そこにメッセージをいれ、最後にそのタイトル(ボタンに示される)を省略形で入れるわけです。筆者の場合にはCQ、STN(局の 紹介)、BYE(さよならの定型文)などが現在登録されています。こうしておけば交信の度に同じようなメッセージを手で打ち込む手間がなくなりますし、なんと言っても効率が上がります。
Loggerのもうひとつ良いところはバッファー機能で相手の信号を受信中にバッファースペースに次の文章を打ち込んでも、即送信になりません。

従ってすくなくも相手局のコール、自局のコールなど送受の度に必要な要素はあらかじめ準備しておけることになるのです。もちろん本来ログソフトですから、あらかじめログ画面を出しておけば,相手局のメッセージを受けながらそのコールサインをダブルクリックすることで即座にログ画面に取り込む芸当も可能です。
マクロ設定の折にいちいち相手局のコールを打たなくても、また自分のコールを打たなくても決めておいたボタンを押すことで自動的に文章が完成するといった技も使えます。まあこのあたりの機能はPSK31そのものの送受に慣れてからおいおい試されるとよいでしょう。
■そして交信は?
PSK31で通信を行うにはPSK31 SBWでもLoggerでも変わりはありません.要は使い勝手と言うことでしょうか。 ある人はPSK31 SBW+PSKGNRを好みますし、別の人はLoggerの方が楽だと言っています。あなたに合ったソフトを選ぶことが肝心です。ただ驚くことにはその通信性能の良さで、送信出力は20−50W程度で十分です。またS2とかS3くらいの信号でも正確にチューンさえできれば見事に受信できますから楽しめることでしょう。
通信の大部分は英語で行われます(国内局同士ではローマ字とか一部カタカナを使っての交信も盛んです)英語が苦手と言う方は例文を沢山ファイルしておいて、それらを使えばまずファーストQSOにはことかきません。

事実筆者のキャリアはまだ数ヶ月ですが、25エンティティほどと交信できていますし、その中にはRTTYなどでも珍しいCN(モロッコ)とかC31(アンドラ)なども含まれています。通信周波数は主に各バンドの070前後が多い(14.070MHz、21.070MHz等々)のですが、28MHzでは28.110MHzあたりも主に中南米の局によって使われています。これまでに7,14,21,28MHzの4バンドで交信を成立させています。

初めての方に問題なのはソフトの入手とそのセットアップ、またトランシーバとコンピュータとの接続があります。これらはいずれも無線雑誌のバックナンバーなどで特集されていますから、もう一度お手元の雑誌、書籍類を確認してみてください。パソコンとトランシーバは直接もつなげますが、余計なトラブルを避ける意味でも接続用のマッチングボックスを作っておくと良いでしょう。このあたりの紹介はJF1GUQの<Config.ファイル>を参考にしてください。
■PSKの使い勝手
はたしてPSKはどんな通信に向いているのでしょうか?冒頭に述べたように通信速度そのものは遅いですから、コンテストのような速度を争うような交信向きとは言えません。一方ローパワーでもすこぶるつきでメリットは良いのでDX交信には最高です。ローカルラグチュウも良いと思います。ただし、英語やローマ字での交信には限界がありそうです。一部のソフトではパケット通信のように漢字変換で日本語のQSOも可能ですが、全部が全部とは行きません。

最近のDXペディションでRTTYはごくあたりまえになっていますが、私の経験では数多くの局に呼ばれるような交信にはあまり向いていません。例のスプリット運用ももちろん可能ですが、なにぶんにも極めてクリチカルなチューニングが要求されますので、やはり能率的に問題がのこります。したがってこれからローパワーでDX通信を楽しみたいと言う方には最適なモードとして推薦できます。
それではハッピーPSKハンティング! See you on PSK!
 
文:JA1AYC 松本 正雄

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