パトカーの奥に見えるラスべガスのシーザス・パレスのコロシアム(円形劇場)は、セリーヌディオンのために作られた劇場と言われ、2003年にスタートした「A New Day」は当初の予定(3年)を大幅に延長し、約5年間ここで公演した。私は12年かけてこの公演を待ちわびた。今回の旅の目玉のひとつ。2015年12月31日、ラスベガスの目抜き通り「ストリップ」はお昼から車両通行止め。あちこちで新年を祝うパーティーが開かれていた。これでは通信がパンクするのも無理ないと思われた。
 
 
 39.99ドルのスマホ
  映像・音楽プレイヤーに早変わり
 
 
 Takashi Hioki JF1GUQ/KA8J
海外で買ったスマホはそのまま日本で使える?   - 電気通信事業法などの一部改正 ‐ (2016年5月23日)

2015年の年末から2016年の年始にかけて、米国・ラスベガスに旅行してきました。カジノの街として知られるラスベガスですが、賭け事以外にも各種ショーやコンサート、催し物で年中賑わっている世界屈指の観光地です。今回は旅行中、3家族の間で連絡を取る必要がありましたので、格安のスマホを見つけ、現地での連絡とインターネット接続、そして帰国後は映像・音楽の携帯プレイヤーとして活用しましたので、その方法を紹介したいと思います。

 自販機でスマホが買える  
事前にアメリカの家電量販店「BEST BUY」のネット通販サイトからZTE Maven(Z812)を3台購入しました。「BEST BUY」では日本への発送は行ってくれませんので、現地に留学経験があり、友人も多い娘に頼み、自販機より格安(29.99ドル)で入手することができました 。
事前に入手することができなくても、空港のあちらこちらに「BEST BUY」や通信大手の「AT&T」の自動販売機を見ることがあります。




 
そこで少し割高ですが39.99ドルで同じ機種が売られていましたので、到着地や乗り換え空港でたやすく探すこともできると思います。

WiFiデザリングやUSB接続でモバイルルーターと同じように外部の通信機器をインターネットにつなぐことができるスマホが39.99ドルなのに、通話のできないモバイルルーターが79.99ドルなのは理解に苦しむ

Simカードのパッケージ。購入時に料金チャージを選ぶ。今回は購入したZTE Z812にSimが付属していたので、購入する必要はなかったのだが、それを知ったのは購入後、ホテルで開封した時だった。


機能が限られるモバイルルーターより、スマホのデザリングが安くてお得  
AT&Tのモバイル回線の料金体系は、スマホ用と音声通信の無いタブレット用があります。

●タブレット用の料金体系(月極)
 25ドル 2GB 
 50ドル 5GB
 75ドル 8GB


●スマホ用の料金体系(月極)
 30ドル 通話とショートメールのみ
 45ドル 通話、ショートメールに1.5GBのインターネット接続付
 60ドル 通話、ショートメールに4GBのインターネット接続付

一見タブレットモードが安く見えますが、タブレットPCをインターネットに接続するWiFiルーターは79.99ドル。一方スマホは(自販機で購入したとしても)39.00ドル。つまり25+79.99=104.99ドルに対し、45+39.99=84.99ドルで、インターネット接続容量が2GB/1.5GBの違いです。

もちろんタブレットにSIMスロットが内蔵されていて、音声通信はSkypeなどのネット通話を使うのでしたら、25ドルで済ますこともできます。いずれも月額で、翌月使用しなければ(追加のチャージを自動で行わなければ)1度の課金で、それ以上支払うことはありません。  

では、39.99ドルで売られているスマホについて、紹介します。

 
 
■ZTE Maven(Z812)の仕様
  ZTE MavenのHP

Qualcomm Snapdragon processor(410)
1.5GHz processor and 2GB of RAM
Android 5.1 Lollipop
OS 4G LTE speed(Band 2, 4, 5, and 17)
3G UMTS 850/1900/2100MHz
GSM/GPRS/EDGE 850/900/1800/1900MHz
4.5" LCD touch screen(854 x 480)
5.0MP rear-facing camera(フロントカメラは2MP)
8GB internal memory(マイクロSDメモリスロット/32GBまで追加可)
WiFi、(802.11 b/g/n, 2.4GHz)/Bluetooth 4.0
Battery 2100mAh Size (inches) 5.31 x 2.60 x 0.39
 
画像エンジンは廉価版の定番Snapdragon410ですが、YouTubeの動画を再生してもギクシャクすることなく、スムーズに再生されましたので、十分な性能だと思います。ひとつのファイルは最大4GBまでの制約はありますが、MPeg4に変換されたDVD映像がそのまま再生できました。 WiFiデザリングは失敗、Bluetooth デザリングとUSB接続でインターネットにつながった。
 
購入したスマホとSimカード。このSIMパックは標準、ミニ、マイクロ(iPhone対応)の3種類にカットして使用するタイプで。それぞれの大きさに切れ目が入っている
 
購入したZTE Maven(Z812)を開梱して、説明書を読みながら初期設定を行っていると、Z812の中にはすでにSIMが入っていて、上の写真左に写っているSIMパッケージは不要だったことが分かりました。先ほど紹介した料金体系は下の画像に書かれています。
 
料金プランの説明書。30ドルのTalk&Textは通話とショートメールのことで、インターネットへのアクセスは45ドルと、60ドルのプランを選ぶ。いずれも月額。
 
45ドルのプランを選ぶと、丸で囲んだようにスマホの画面に表示される数字のタッチキーから*123*ZIP Code(所在地の郵便番号。ホテルの番号で可)*14#を入力
 
Simカードの内容。黒く塗りつぶしたのは個別の識別ができる数字なのであしからず。電話番号はSimカードとスマホの機体番号を組み合わせて決めるので、一度認証したSimを他の機器に転用することはできない模様
 
せっかくですので、使用しなかったSIMパッケージの内容をご覧に入れますと、上の写真のように、標準、ミニ、マイクロの3種類の大きさに切り込みが入っていて、工具を使用しなくても指先で押したり引いたりすれば希望のサイズに切り取ることができて、ほとんどのスマホに対応できるようになっています。人気のiPhoneはマイクロタイプなので、一時はSIMカッターで形状を合わせる等の苦労があった模様ですが、今はこのとおり大丈夫になりました。  
 
日本国内で購入したSIMロック解除済みのスマホ(米国の規格に合致しているiPhone等)なら、このSIMパッケージを購入するだけで、前期の料金で通話や通信をすることができます。 無駄な情報かも知れませんが、携帯電話では通話の中にはショートメール(SMS・Cメール)が含まれ、通信とは区別されています。私の携帯電話は通話のみの契約にして、月額980円ですが、インターネットのサービスを使うためにもう1台別にスマホにMVMOのSIMを装着して、そちらは980円月額固定でサービスを受けています。
 
JUNK EXPRESSで紹介したPC/FMV-BIBLO MG/G75(2010年モデル)とUSB接続し、インターネットに接続することができた
 
機械は2台になりますが、それでも月額2千円で不自由なく過ごしています。この形態が気に入っているのは料金が安いうえに、携帯電話の電池の持ちが良いので、スマホ1台で済ますためにしょっちゅう充電しなくても済む利点もあり、捨てがたいのです。  Z812とAT&Tの契約は45ドルの通話+ショートメール+1.5GBのインターネット接続のタイプを選びました。  
 
契約はZ812の画面から行い、*(アスタリスク)のあとに数字の1,2,3を連続して入れて、もう一度*を押し、続けてZIP Codeを入力します。そして*14#で登録作業が完了。すかさずSMS(ショートメール)に確認のメールが入り、電話番号を知らせてきます。
続けてクレジットカードの番号を入力し、使用することができるようになりました。使い捨てとは言っても本人確認はクレジットカードで行うようで、ZIP Codeは宿泊先のホテルのものでOK。これは電話番号を決める時にどのあたりの地域かを判断しているだけのようです。  
G-MailやFaceBookのアカウントを登録し、一通り使えるようにしたところで、持参したFMV-BIBLO MG/G75(2010年モデル)とWiFiデザリングを試みましたが、WAPパスコードを入力するところでつまずき、WiFiデザリングでの接続をいったんあきらめ、別の方法(Bluetoothデザリング)でインターネットに接続することができました。
その後USBでつなぐと、Z812がFMV-BIBLO MG/G75のネット接続機器(USBドングル)になって、当初の目的通りインターネットに接続できることもわかり、一安心しました。ちなみに、ホテルのWiFiサービスを利用すると1日当たり20ドル弱の料金が加算されます。それを回避しつつ、通信も確保し、買い物の時間つぶしにはYAHOOニュースを見ることができました。
 
 映像・音楽の再生にカメラ機能を試す
 
Z812の背面カバーを開けて、マイクロSDメモリーカードを装着します。
スマホの裏蓋は簡単にはがせる。32GBまでのマイクロSDメモリーカードを追加して、映像や音楽の再生プレーヤーとして使うこともできる
 
内蔵カメラで外の景色を写してみた。オリジナル画像は(2592×1944ピクセル 1.85MB)のクオリティー
 
カメラは自撮り用が200万画素、外撮り用が500万画素です。上の画像は外撮りカメラで外の様子を写してみたものです。 オリジナル画像は2,592×1,944ドット、1.85MBのクオリティーです。静止画だけではなくて、動画も撮影できます。
仕様では32GBまでとなっていましたが、試しに64GBを装着してたらやはり認識しませんでした。32GBのマイクロSDメモリは通販サイトから980円で購入。PCから映像データや音楽データを転送して携帯型プレイヤーとして活用しています。 
 
音楽の取り込みはMediaGoという無料ソフトをWindows10のPCにインストールして、手持ちのCDを吸い上げました。圧縮しないFLACという形式のデータで保存しましたが、Powerampというアプリは、FLACファイルにも対応して再生できました。
動画は定番のMX Playerを使います。なお、Z812は日本の技適番号を取得していませんから、日本国内ではWiFiからPlayにアクセスして、アプリを取得してはいけません。日本国内に持ち帰る前に、この二つのアプリをインストールしておくことをお勧めします。 年末年始の混み様は尋常ではありません。  
 
さすがのAT&T回線でも、新年を迎えたところでは通信が不安定になった。1月1日2時10分 日本に持ち帰えるので早速Simカードを抜いて、機内モードにセットした
 
12年越しに願いがかなったセリーヌディオン劇場での公演を堪能し、ホテルに着いたら新年を祝う花火があちらこちらから打ち上げられました。その模様を伝えようとネットに接続しましたが、上のキャプチャーのように、通信できない旨のメッセージが表示され、何度かトライしましたがあきらめました。
 
帰国便の機内での様子。有料(16ドルくらい)でインターネットを使うこともできるようだが、急ぎ連絡することもないので、そのまま就寝した 映像・音楽プレイヤーアプリをインストールして、iPadTouchやウォークマンのような使い方ができる。ドラえもんのライブ壁紙は有料だか、他の端末で購入したものでも、同じアカウントメントでGoogle(Play)にログインしたら追加料金なしで利用できる
 
Powerampで再生した高音質FLAC音楽ファイル。無圧縮のFLACファイルがそのまま再生できる
 
全米から、いや世界中から人が集まる一大観光スポットのど真ん中に居るんですから、こうなることは予想していました。  帰国の時を迎え、念のためにSIMカードを抜いて、機内モードにセット。帰路の機内ではWiFiサービス(有料)がありましたが、旅の余韻に包まれて就寝しました。  
 
少しは通信事情に明るい私たちは、技適番号の取れていない機器は(日本国内では)使用できないことを知っていますが、一般の旅行者がスマホを持ち込み、フリーのWiFiスポットでつないだりすることを監督官庁はどのように周知するのか心配になりました。東京オリンピックを迎えて、技適番号制度も何かの変革が必要になるのかも知れませんね。それまで楽しみにZ812を取っておこうと思います。もちろん通信はすべて遮断して状態でね。 de JF1GUQ
 
※ 海外で買ったスマホはそのまま日本で使える?   - 電気通信事業法などの一部改正 ‐ (2016年5月23日)
 
 
QTC-JAPAN.COM 2016.01.23
(c) All Rights Reserved WWW.QTC-JAPAN.COM 2001-2016