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アマチュア無線運用シリーズ CQ出版社
 
JA1DSI 津田 稔 著
 
     
  『CQ ハムラジオ(2012年7月号)の「小学生に伝えたい アマチュア無線の話」が編集者に好評だったようで『本を書いてみないか」と出版社から話があったとき、単にHFハム局を運用しようという趣旨なら書かない、無線は短波だ!無線のおもしろさは受信だ!辺りからスタートする内容にしたいと言ったら認めてくれました。50有余年のハムライフの総括を入門者用に書いてみました。』と語る、著者の津田氏は「RTTY入門」(昭和61年8月22日発行、電波実験社)に続く著作「短波帯アマチュア無線入門ガイド」(2013年9月1日)になりました。

CQ出版社刊 111頁 定価2,000円


『入門ガイド」はくどいタイトルですが、短波のおもしろさがわかったらハムになる道もあるという内容なのでぴったりと編集者が考えてくれました。入門者には全然わからないであろう「Radio Room Clock」(船舶、海岸局の無線室用時計)だけは、なんとしてもカラーにして欲しいと頼んだらカバーに入れてくれました。』 表紙の時計と、本文中の時計(JFF宮城漁業無線局 もうありません)は違います。

一読した印象は同世代を生きたアマチュア無線家が体験した技術、知識に基づく素養が根底にあることに気づきましたし、ハウツーものの類書に風穴を開けたいという意気込みが感じられました。

第8章、「運用の実際」8-1通常の交信、無線電話 中でも「おかしい言葉」は抑制の効いた解説が秀逸です。この辺りは入門者に限らず現役のアマチュアに読んでもらいたい入門ガイドに仕上がっています。MH編集者時代に「おかしい言葉」について繰り返しキャンペーンを張りましたが、悪貨に良貨が駆逐されてしまいました。

アイボールQSO(Eyeball QSO)は最たるもので、普通にも「アイボール」ですからね、あのJARLのHPでもメールマガジンで平気で使っているのを見るにつけ閉口するばかりです。

DXpeditionの「ぺディション」も同様で、誤った用法は数え上げるときりがありません。

「CQ」3回、「こちらは」1回、「自局の呼び出し符号」3回以下と講習会で覚えたはずなのに「こちらのコール」がごく普通に使われるのはどうしたものか、事情通のどなたかに解説いただきものです。

著者はシーキュー、キューエスオー、キューエスビー、キューエスエル・カード、ビューロー、ダイレクト、サセ など多数の用語が優しく解説してわかりやすく、いまさら聞けないベテランンに属する方も密かに読んで自身の知識の修正に役立つ良書として推薦しておきます。著者は 『初めての人を対象にしていますから、ハムの無線電話の交信で使われるQ符号もみんなカタカナにしました。』とのこと。

第7章 モールス符号を覚えよう 電信の交信に踏み切れない人のアドバイスが秀逸です。『清水の舞台から飛び降りる気持ちで、ゆっくり呼んで交信してみることをお勧めします。著者は「CWのバンジージャンプ」とよく言うのですが、これをやらないと先に進めないない』とCWの勧めを説いていて、CWがやれる資格があっても苦手とする筆者には目からうろこが落ちるお言葉でした。

8-2の非常通信は第4級アマチュア無線技士講習会でも、目的外通信は大切な講義事項ですが、大きな震災・災害ではアマチュア無線が役に立っていることを踏まえて、『広域災害で役立つのは短波だ』これを言いたかったと語っています。

第8章パソコンを活用した受信・交信 が簡明でわかりやすく、第10章のアンテナの自作と実験は実体験に基づいて記述された安心感があります。 『ターゲットの中学生・高校生が気楽に買える価格ではないのが痛いところですが、お読みいただいたベテランの口コミに期待しています。』とインタービューを締めくくりました。 (JA1FUY/NV1J)
 
     
 

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【著者略歴
】 津田 稔(つだ みのる)氏

1943年3月  東京都中野区に生まれた。
1959年4月  電話級アマチュア無線技士
1959年10月 第2級アマチュア無線技士
1960年3月  JA1DSIを開局
1963年4月  東京大学理科U類入学
1973年4月  都立高校教師(生物、化学)になる
1974年4月  第1級アマチュア無線技士
1977年8月  500W局になる
1980年9月  RTTY Journal RTTY-DXCC(#47)
1986年8月  「RTTY入門」(電波実験社)
2013年    8N1A/1のオペレーターの一人として
         CW/RTTY/PSK31を運用
著者近影:ハムフェア2013(8月24日)にて撮影。       
 

RTTY入門」 (絶版)

著者:津田 稔(JA1DSI)
B5判 185頁 1,500円 電波実験社刊
昭和61年8月22日発行

【内容】

1.RTTYのすすめ

2.テレタイプの歴史とRTTYの符号

3.RTTY運用に必要な機器と用語

4.MAINLINE UT-4

5.パケット・ラジオ

6.RTTYの免許基準と申請方法

7.RTTYの運用

8.よく使われる用語と参考資料




[ご参考] 中古品扱いにてamazonに8,245円で出品されています。       
 
 
 
QTC-JAPAN.COM 2013.09.20
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